07プラネタリウムその1
「今度の休みにプラネタリウムに部活で行きたいと思う」
部室で新田が唐突に言い出した。
「行きたい!行きたい!」
綾が食いついた。
「まあ、いいんじゃない」
田村も同意した。
「じゃあ、俺は欠席で」
「お前も来るんだ」
「なぜ?」
「綾ちゃん来るんだろ。お前がいないとダメじゃないか」
「なぜそうなる」
「保護者がいるだろ。心配じゃないのか?」
「おかしくないか?綾も高校生だぞ」
「だが、綾ちゃんは極度の方向音痴じゃないか。集合場所にも来れないかもしれないぞ」
「そうなの?」
「そゆこと〜へへへっ」
綾が照れ笑いをしてる。くそっ変な設定を追加しやがったな。この前は勝手に図書館の場所調べて、人を引っ張っていったくせに。
「一応、念のためみんなの携帯番号を教えて貰えるか?俺の番号もみんなに教えておく」
あーなるほど。新田の奴、携帯番号を聞き出すいい方法を考えたな。井上の奴、素直に新田に番号を教えているわ。
「番号教えてもらってもいい?」
井上が聞いてきた。
「俺の?まあ、いいけど」
「そういえば、俺、綾の携帯番号知らないぞ〜」
嫌味ったらしく聞いてみる。
「あー大丈夫、登録しておいたから」
「えっ!?本当だ!いつの間に?人の携帯勝手にいじるな」
「みんなスマホなんだな」
新田感心している。普通じゃないのか。
「妹の学校なんか携帯を学校に持ってくるのも禁止なのに。この学校は校則ゆるいよな」
そういえば、この学校で携帯を持っていない奴はいないかもしれない。しかもマナーモードにしておけば持ち込み自由だし。適当な学校だな。
「じゃあ、今度の日曜日、駅前集合で」
「「はーい」」