004 古銭の格付け(グレーディング)をする二大鑑定会社 NGCとPCGS
コインの真贋・状態鑑定において、世界的権威とされる2社。
NGC (Numismatic Guaranty Corporation)とPCGS (Professional Coin Grading Service)について。
どちらも米国に本拠を置く鑑定会社。
PCGSが1986年に、NGCが1987年に設立。
ともにコインの状態を70点満点で採点。
鑑定結果の出たコインは、オプション料金で「スラブケース」と呼ばれるケースに入れられ、これがあるのとないのとで、取引価格が全然変わってくるのだから、皆が鑑定の依頼を出す。
まずこちらはNGCのスラブケースに入ったコイン。
コインの詳細とスコアなどを記載。
これは70点の満点評価なので「完全未使用」の状態にあることを意味する(とりあえずスマホでキレイに写真撮るのムズ過ぎるねん)。
今度はPCGSのスラブケース入りコイン。
こちらは69点。キズ等は肉眼では見つけられないが、プルーフ硬貨にありがちな洗浄液の洗い流しムラがわずかに残り、減点なのかな。
エリザベス女王の王配(王の配偶者)であるエディンバラ公爵と女王とが表裏となっている筆者のお気に入りのプルーフ銀貨。
これらのコインは、どちらもバーコードの上に書かれた数字を両鑑定会社のホームページで入力すれば、鑑定後にスラブケースに入れた状態のコインの写真が掲載されており、実物との比較が可能。
なのでヤフオクなどでスラブ入りのコインを落札する際には、かならず出品掲載されている写真とホームページの写真とを比較し、同じ位置にキズがあるかどうか等、様々な比較をする必要がある。
というのも、スラブに入っているだけで取引価格が大幅に変わるため、偽のスラブに入れて出品している偽コインが、残念ながら多数存在するため。
実際に調べてみると存在しない番号であったり、全然キズの位置やデザインのディテールが違うなんてこともままある上、性質が悪いのはPCGSの方では写真が「NO IMAGE」となっている場合もあり、そういったコインは狙い撃ちにして偽物も作られるので、個人的には「NO IMAGE」も入札を控える対象としている。
NGCとPCGS。
どちらがより厳格かといえば、NGCの方だと言われている。そのため、NGCで低評価を受けたコインはPCGSに再鑑定を出し、点数を上げてから売却するというケースもけっこうあるのだとか。
ヤフオクにおける偽スラブ入りコインの出品数も、PCGSのコインの方が多く、個人的には同一コインで同程度評価、同価格帯ならNGCのものを落札する。
ちなみに鑑定は仲介業者を通して、依頼料で平均1万円ちょい。
なおかつ、自分が想定する価値(予想価格)に応じ、保険料なども変わり、いろいろとその他の費用も支払った上で、鑑定結果が偽コインだった日には涙モノである。
さらにいえば、米国での現地持ち込みなら10ドル程度で鑑定してくれるらしく、これだけは日本に住んでいることが恨めしくなる話でもある。
ともかく、ホームページで掲載されている写真と出品掲載されている写真のコインとが完全一致した場合は、入札へのGOサイン。
ショップでスラブ入りのコインを値引きなしで買うとなると馬鹿高いので、そういった点ではヤフオクは非常に魅力的なのである。