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元職場にいた御局様の話

作者: 桐原まどか



この人は凄まじい人でした。

端的に述べるなら、パワハラ、上から目線、えこひいき、他責思考...。

信じられない言動の数々がありました。

この人は50代前半の女性です。

元はパートさんだったのが有能で(?)社長に気に入られ、正社員になった、とか。

それはまぁ、いいんですが...色々、(繰り返しになりますが)凄まじい人でした。

最初、食品部門のチーフとして、私が勤めていた店舗に(食品スーパーです)やって来たのですが...。

店長押しのけてましたからね...。

私は惣菜部門にいたのですが、何故か品出しを手伝わされたりしました。それくらいは、まぁ、いい。

信じられない発言をしたのです...。

ある日、出勤したら、やたらと廃棄の山がある。

「何でこんなにあるの?」と先輩と二人困惑していると、社員の男性が寄ってきました。彼は声を潜め、言いました。

「廃棄、凄いでしょ」

私達「お客様いなかったんですか?」

違うと、彼は言いました。当時、閉店作業をするのは正社員の持ち回りだったのですが、昨日は御局様の担当。で。見切りになるのを待っているお客様方がいる。

彼女は言い放ったそうです。

「(見切りを待ってる)あいつらの目が気に喰わない、いなくなってから、値引きして」

...はい?何様だ、あんた?と思った私がおかしいのでしょうか?

先輩と二人、ため息をつきながら、捨てた食品(絶対に廃棄。持ち帰りなど禁止!という社長が直々に決めたルールがあった)。食品ロスが叫ばれて久しい昨今に、全力で逆行していて一周まわってウケます。

私の心の中のギャルが「パねぇ!」と大笑いしています。


もうひとつ、私が自分の耳を疑った言動があります。

スーパーですから、棚卸しがあります。毎月。その時は部門の垣根を越え、全員で数える事になっているのですが...エンド、というのがわかるでしょうか?簡単に説明すると、スーパーなんかで棚以外に陳列されてる物を指します(と、私は理解してます)。

で。他の部門の人達だっているんだから、しょっちゅう場所の変わるエンドを把握してない場合もあります。

私はその時、醤油やら味噌やらの棚を数えていたのですが...会話が聞こえてきました。

青果部門の方が質問してるのです。

「すみません、チーフ、麦茶はどこに陳列してありますか?」

御局様「あそこの角を曲がったところよ」

「ありがとうございます」

この後。

御局様はチッと、舌打ちし。

「馬鹿が...」と呟いたのです!

繰り返しになりますが、私は自分の耳を疑いました。

そうして、次の瞬間、心底思ったのです『親の顔が見てみたいもんだわ...』

私はそれまで、この慣用句を不思議に思っていました。

「人間はある程度大きくなったら、自ら〈社会性〉を身に付けるはず。親の顔なんて見たって意味ないのでは?」と。

やはり、昔から言われてきた言葉には力がある。

私は『あの人間とは極力関わらない方向で生きよう...』と心に誓いました。

この御局様に関しては、他にも耳を疑う発言があるのですが、彼女のプライベートな部分なので書くのを控えようと思います。


私が退職してから数年。

いま、彼女は本店の店長だそうです...。

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― 新着の感想 ―
[一言] どっかの中古車屋とかぶるんですが。やっぱあれですか? バイト「すいません。麦茶の陳列どこでしたっけ?」 オツボネ「おまえバカか?だれに教えてもらった?」 店長あてのライン オツボネ「教育教育…
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