雨音の叫び
インスタントフィクションです。
今日は雨が激しい。
雨が不規則なリズムを奏でて飛び下りてくる。
多くの水が自殺をしているようだ。
その自殺志願者を傘で跳ね飛ばすなんて失礼じゃないか。
はるか上から飛び下りてきた雨粒は何かを思い落下する。
自分の意志はもうそこには反映されず、全ては外側に決められる。
長い落下の終点にいる、もしくはあるものに運命は決められる。
染み込むのか、はじかれるのか、同化するのか、飲み込まれるのか。
ゴロゴロとしたBGMが華を添える事もあり、それは祝日のような悦びだ。
飽和した世界は何も近い所だけじゃない。
気付かない、見えてない、見ようともしない距離を急速に縮めていると言っていい。
だから身近に感じられるんだ。何もしてない。待ってるだけなのに。
死ねないと嘆いているよ。こんな思いをしたのに。って。
また蒸発するんだ。自殺のエレベーターみたいに。そこは混雑している。
飽和している。雨音の叫びをまたあげる。何度も何度も。何度も何度も。
読んで頂きありがとうございました!
また次も宜しくお願いします!