最後の戦い 後編
よろしくお願いします!
シャイニーヴィレッジの身体がユニバースライムの体内に消えていく。
「そ、そんな……シャイニーヴィレッジまで……」
「もうお終いだああああ!!」
No.1ヒーローが取り込まれたことに絶望し、発狂する人々。
***
一方、捕食された村本はユニバースライムの体内でラスボスを探していた。
村本光が救えなかった人間、それこそが彼の幼馴染であり、親友であるラスボスだった。
ラスボスが失踪した時、村本はラスボスの件は時の流れが解決してくれると思っていた。ラスボスと自分は親友だから、ラスボスならいつか自分の幸せを祝福してくれるようになると信じていた。だから、その時はラスボスと無理に話をしようと思わなかった。
だが、それは失敗だった。ラスボスは一人で抱え込み、そして、最悪の結論に辿り着いてしまった。
もっと、自分がラスボスと話していれば、もっとラスボスの思いを受け止め、自分の思いも理解してもらえるように努力していれば……。後悔は尽きなかった。
春香と自分の子供。そこにラスボスを加えた四人で笑いあえる未来もあったのかもしれない。
だが、その未来は儚く崩れ去った。
かつての親友は倒しべき敵になった。最愛の人の仇となった。
それでも、村本光という男はラスボスのことを救いたいと願ってしまう男だった。
(……あの日、春香を殺された日。怒りで僕は何も分かっていなかった。君が苦しんでいたことも、君が止まりたがっていたことも……。ユニバースライムの狂気に君が飲まれていたかもしれないという可能性にも……。だから、今度は間違えない。僕と、君が生み出したもう一人の僕で、君を救う!!)
村本の視界に膝を抱えてうずくまるラスボスの姿が目に入る。その姿は高校生の頃と殆ど変わっていなかった。
「菩須!!」
「光……?」
村本がラスボスの名を呼ぶと、泣きそうな顔のラスボスが顔を上げる。
「もう、終わりにしよう」
「無理だよ……。私のせいで、全てが崩壊する。こんなつもりじゃなかった。ただ、君と私で幸せになりたかっただけだった……」
「菩須が僕に依存していることは何となく分かっていた。それを放置してた僕にも今回の件の責任はある。もう一度、やり直そう。君が本当に幸せになれるように」
「だが、今のユニバースライムを止める術なんて……」
「光を信じよう」
村本はそう言うとともに、自らの体内に残る全てのエネルギーを放出する。
「光は道しるべだ。君と僕を含めた全ての人を救う未来へ続く道を照らす光。それが、僕の最後の役目」
エネルギーが光を帯び、村本の身体が強烈な光を放つ。
「シャイニング・バースト」
その光は、村本とラスボスを優しく包み込み、ユニバースライムを外から眺める多くの人の目に届いた。
***
「村田……」
「先輩……」
村田の背後に愛とヤミが近寄る。
「安全な場所に避難しておいて欲しい。けじめは自分でつける」
「必ず、戻ってきてね」
「約束ですよ」
二人の言葉に頷きを返す。その頷きを見た二人はその場から離れていった。
離れていく二人の姿を確認してから村田はユニバースライムに向き合う。ユニバースライムはこれまで同様、捕食を続け、徐々に村田の方に近づいてきていた。
そして、村田が待ち望んだその時は来た。
ユニバースライムの体内の中心部の辺りから白く、優しい光が放たれる。その光のせいかユニバースライムは苦しそうに暴れている。
「そうか。そこにいるのか」
村田が構える。
進むべき道は、示されている。後は、そこに向かって何よりも早く、真っすぐに駆けつけ、救うだけ。
「一つの光が終わり、また新たな光が生まれる。この光は、絶望に終止符を打ち、次の希望に繋がる光」
村田の身体を光が包む込む。
地味な彼の、唯一の派手な必殺技。
「次へと繋がる光」
光と化した村田はユニバースライムの身体から村本とラスボスを連れ出して、ユニバースライムの身体を貫いた。
そして、同化し、依り代としていた存在を失ったユニバースライムはうめき声を上げながら取り込んだものを体外に排出し、小さく萎んでいった。
こうして、多くの被害を出したヒーローフェスティバルは幕を閉じた。
ありがとうございました!
今日はもう一話投稿します。




