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才能に縛られた世界の『無能』でも、『運』が良ければ成り上がれるはずだ  作者: 飛楽季 【兵器創造 コミカライズ配信!】
2章 少年と不運の少女

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幸運少年と大企業 商戦 5

ーーーーーー

※夜叉神視点


 ——JHWが取引を傍観し始めて数日。


「向こうの動きはどうだ?」


「武器は一部を除き価格は8割で安定。防具は依然、5割で原価割れしています。ですが、様子を見ていたDH達が購入する動きを見せており、取引数は上昇しています」


「……そうか。向こうが根を上げるまではこの状態を維持だ」


「分かりました」


 部屋から次長が退室する。


 このまま待って、向こうが価格を維持出来なくなれば私の勝ちは揺るがない。下手にこちらが動けば、相手の余裕を作ってしまう事にしかならない。


 ——私の予想では一週間ももたないだろう。


プルルル


 部屋の電話が鳴り響き、受話器を取る。


「夜叉神です」


『夜叉神君どうなってるんだ!今月の売上がほぼ無いというのはどういう事だ!?』


 電話の相手は、社長。今一番面倒な相手だ。


「以前にもお話しした通り、我が社を狙った武具の価格操作が行われています。ここで動けば相手の思う壺です。もう少しで向こうの資金が耐えれなくなるでしょう」


『もう少しとは何時なんだ!既に会長や株主から非難だらけだ!社長命令だ!今すぐに何とかしろ!!』


 チッ、何も分かっていない、コネだけで社長になった無能の馬鹿が何を言っている——ッ!


「……分かりました。まず警備部隊に探らせます。もう少しだけ時間を下さい」


『一週間以内に何とかしろ!でなければ君の首が飛ぶぞ!!』


 そこで社長との電話を切る。


 ——私をクビにするだと?この会社が日本のトップに立てているのは誰のお陰だと思っている!クソが!!!


 私はその場の怒りに任せ、机の上にある書類をぶち撒ける。


 だがまだ動くわけにはいかない!警備部隊に探らせるフリだけして時間を稼ぐ!あと少しだ、あと少しの時間が有れば——ッ!


 私は警備部隊の早川へと内線を掛ける。


「——早川。群瀬組の周囲を探るフリをしろ。絶対に手は出さず、社長達それをに悟られないようにだ」



ーーーーーー


 ——そこからまた数日後の朝。


 突然、私の部屋へと次長が駆け込んで来る。


「夜叉神本部長!た、大変です!奴らが武器の販売数を増やし、価格が7割を切り始めました!!」


「……何だと!?」


 ま、まさか——私は嵌められていた!?いや、それは考えられない!だが、奴らはどこからか武器を入手した!


「海外から大量に武器を輸入した痕跡が有るか調べろ!」


「は、はい今すぐ!」


 クッ!これではまた数週間は維持されてしまう!あの社長がそれまで待つ訳がない!


 部屋を慌てて出て行った次長が、数分後に私のもとへと連絡をよこす。


『三日前にアメリカのレーガンが率いるDH連盟が武器を200程日本に持ち込んでいます!それがどこに渡ったかは不明ですが、恐らくは……』


 クソッ!そんな所から横槍が入ったのか!

 何が目的か分からんが余計な事を——ッ!


『ど、どう致しましょうか……このままでは……』


 次長が不安な声で指示を待つ。


「……このまま維持しろ。後は私がどうにかする」


 そこで次長との電話を切る。

 するとすぐに電話が鳴り、私は受話器を取る。


「……夜叉神です」


『どういう事だ!何故状況が更に悪化している!君は待っていれば好転すると言ったじゃないか!』


 電話の相手は社長だが、そんなものは今はどうでも良い。


「黙れ」


『……はっ?』


「私がすぐにケリをつける。だから——お前は黙って見ていろ」


『な、なんだね!その言葉遣——』


ガチャンッ!


 私は乱暴に受話器を置いて電話を切る。



 ——もう我慢の限界だ。



 私は部屋を出て、歩きながらスマートフォンで電話を掛ける。


「早川。今すぐに警備部隊を全員集めろ、すぐに出るぞ。——私はアレを使う」

 

『……アレをですかい?流石に、オススメしかねますがね』


「もう、どうなろうが構わん。二時間後に出るぞ」


『……了解です』



 ——私をコケにしたあのガキも群瀬組も共に葬ってやる。首を洗って待っていろ。手を出した事、死ぬまで後悔させてやる。


 私は歩きながら口角を上げて笑う。

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