表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/201

介入終了




「フィオちゃんを誑かした罪、償って貰おうかな」


「……残念です。ゼロさん」


「なぜだ⁉︎ なぜ人工知能が私の言う事を聞かない⁉︎」



《ど、どうなったんですか? 私、殺されたりしませんか?》


《このままフェリスの気が変わらなければ、処刑される心配は無いだろう》


《主人様と同じく気分屋じゃからのう……まだ分からんぞ?》


《こ、怖いです……フェリス様怖過ぎます!》


《天界の絶対君主だからな。ご主人様くらいしか意見を言えない》


《その通りじゃ。主人様に尽くして損はないぞ?》


《つ、尽くします! フィオ先輩に尽くしますから! い、命だけは……》



 やりますね、私の使徒達……そうです。転んでもただでは起きません。

 現状、ゼロさんを使徒にするのは絶望的ですが……リーリアさんと距離を詰めるチャンスです。

 私の傍に居る事で安心感を与えれば、次第にそれを心地良く思う様になるでしょう。


 そのまま、私と居る事が当たり前になるまで過ごし続ければ……ふふ、堕ちましたね? 【裁雷】のリーリア、陥落です。



「ねー、フィオちゃん? もうお姉ちゃんが処理していいよね? 嫌って言ってもするけど」


「……どうぞ。交渉を拒否された以上、私からは特にありません」


「うんうん。フィオちゃんは良い子だね……これからもお姉ちゃんが守ってあげる」


「ま、待ってくれ! フィオドール! 私の体に興味は無いのか⁉︎」


「うっるさいなー。フィオちゃんの交渉蹴っといて何言ってんの? 大体、お姉ちゃんが居るから他の女なんて要らないんだよ……ね? フィオちゃん?」


「……姉さん。いくら至高の料理でも、毎食そればかりでは有り難みが薄れると思いませんか?」


「ふーん? もうちょっと聞こうかな」


「特別な品は、得難いからこそ特別なのです。毎度食卓に並ぶ特別は……果たしていつまで特別なのでしょうか?」


「ふむふむ……なるほど? フィオちゃんの言いたい事は分かったよ」


「ご理解いただけましたか。でしたら――」


「つまり、色々なお姉ちゃんを見たい! そういう事だよね?」


「いや……そうです」



《折れるなご主人様! ここは踏ん張りどころだぞ⁉︎ 惜しい所まで行っていたぞ⁉︎》


《料理に例えたのが良くなかったのかもしれん。ワシらには不要な物じゃからな》


《うぅ……“他の女は要らない”って……け、消されちゃいます》



 何に例えれば良かったのでしょう? 他に思い浮かぶのは……宝石や花ですか? 確かに、女性を料理に例えるのは品がありませんでしたね。

 私の欲望を抑えきれませんでした。リーリアさんが食べたい……最早その事で頭が一杯です。


 素材は最高級の七階位、しかもまだ若い天使です。調理方法にも気を付けねばなりませんね? 素材の持ち味を活かすには……サッと火を通すだけ。

 私の口説き文句で、リーリアさんの心に火を灯すだけで――



《きっ⁉︎ 気色悪い事を考えるな⁉︎ な、なんだ今のは……虫唾が走ったぞ⁉︎》


《くくっ、その割には顔が赤いぞ? ウル……主人様なら何でも良いのか?》


《こ、これは怒気によるものです! 今のは本当に虫唾が!》


《あ、あの……秘密のお話が気になって――ひっ⁉︎ ウルさん、顔! そ、そんな顔しちゃダメですよ⁉︎ 乙女がしていい顔じゃないです⁉︎》


《うーむ、臣下時代に戻って来たのじゃ。主人様に治療して貰わねばな》


《……いいか、ご主人様。フェリスを説得できるのはご主人様だけだ。せめて計画に支障が出ない様、上手く立ち回ってくれ》



「……難しい事を言いますね」


「難しく考える必要なんて無いよ? フィオちゃん……お姉ちゃんに任せて!」


「フィオドール! お前も楽園を目指す者として共感してくれるだろう⁉︎ ここで終わらせる訳にはいかんのだ!」


「ふむ……姉さん。姉さんにとっての楽園とは何ですか?」


「フィオちゃん……やっとお姉ちゃんに興味を持ってくれたんだね⁉︎ う、嬉しい……嬉しいよ!」


「む、無視しないでくれ! 見た所お前しか話が通じな――」


「お静かに。今は姉さんと話をしていますので」


「こ、これが特別扱い……ここが楽園⁉︎ フィオちゃん! お姉ちゃんとここに住もう⁉︎」


「住みません。私は天界に帰りますので」


「そ、そうだよね……うん、天界に楽園を作ろう! お姉ちゃんとフィオちゃんだけの楽園!」



 そんな事だろうとは思っていました。あくまで私以外は認めないつもりですか……

 二人だけで楽園と言われましても……姉さん一人で私の欲望を受け止めきれますか? 私の性欲を侮って貰っては困ります。

 その点、ゼロさんは惜しい所まで行っていました。この世界が兵器ではなく、女性で溢れていたのなら……私はここに永住していたかもしれません。



「あ、あのね? お姉ちゃんに取って置きの計画があるの」


「ほう?」


「『天界総フィオちゃん計画』って言うんだけど――」



《止めろ。その計画だけは成就させるな》


《主人様が増えるのかの? それはそれで面白そうじゃが》


《わ、私達が消されて、フィオ先輩が増えるんですか? ひ、一人くらい残しませんか?》


《どうしてこの姉弟はおかしな計画を立てたがるのだ……》


《長く生きると思う所もあるんじゃろう……さり気なく、リーリアが一人だけ生き延びようとしておるのう?》


《うっ……だ、だって――》


《そうか。味方になっても大事な仕事は任せない様にしよう》


《くくっ、これが反骨の相という奴じゃな? 意外と可愛らしいのう》


《あぅ……し、死にたくないんですぅ》



「ふむ……姉さん。後々、話す機会を設けましょう。今はこの介入を――」


「ん? ああ、うん。消すね?」


「ま、待ってくれ! 私はまだ――」


「はい【消滅】……っと《破魂》」


「らく、え――」



《ひっ⁉︎》


《……呆気ないな》


《何の慈悲もないのう? もっと足掻くのかと思ったのじゃが》



 私としては、もう少し話をしても良かったのですが……姉さんが居ますからね。

 あまり不用意な発言をされても困ります。特に私の楽園(ハーレム)関連の発言は危険ですから……まだバレていないのでしょうか?

 姉さんの表情からは読み取れませんね。それにしても、顔は良いんですが……いえ、顔だけでなくスタイルも良いんですが――



「むむっ、フィオちゃんの視線を感じる……」


「自意識過剰ですね」


「いいや! 絶対に見てたよ! さてはフィオちゃん……お姉ちゃんに惚れたね⁉︎」


「ははっ」


「えっ……何その笑い方⁉︎ は、初めて見たかも……好き!」


「無敵ですか」


「うん? お姉ちゃんは最強だよ? あ、でも……フィオちゃんのアレには勝てないかなぁ?」


「……下ネタですか?」


「そ、そそそっちじゃないからぁ⁉︎ 【退化】! 【退化】の方ね⁉︎」


「なるほど……『饅頭怖い』ですね」


「うぐっ……や、やっぱりバレるかぁ」


「……ふむ。条件次第では、望みを叶えて差し上げましょう」


「ホント⁉︎ なになに? 何でも言って⁉︎」


「では、私の質問に答えてください」


「そ、そんな事でいいの? ……こ、これがデレ期?」



《ご主人様、そんな安請け合いして大丈夫なのか? 最悪、身動きが取れなくなるぞ》


《ご安心ください。身動きが取れなくなるのは姉さんの方です》


《ほう……何か策があるのじゃな? 期待しようではないか》



 策と呼べる程のものではありません。ただ、今回の介入に至った要因を思い出しただけです。

 なぜ、私がこんな思いをしなくてはいけないのか……なぜ、こんな無益な介入をしなくていけないのか。

 その答えはただ一つ、介入の成功率が低いからです。もっと言えば確実に介入を成功させられる人員が居ないからですね。


 しかし、ここに居るではありませんか? 普段は暇を持て余し……それでいて実力だけは一級品の天使が。



《お、おい……それは、まさか》


《はい。フェリス姉さんに介入していただきましょう……私の分まで》


《良案じゃ! リーリアよ、確か介入先は溜まっておったな?》


《あ、はい! 難しい介入先が沢山あります!》


《これぞ天啓でしょう。後は確認だけです》


《……ぬか喜びにならなければいいがな》



「最初の質問です」


「うん! 何でも聞いて! 何が気になるのかなー? い、いきなりスリーサイズ? フィオちゃんになら……いいよ?」


「どうやってここに介入したのですか?」


「……あー、ごめん! それだけは言えないの!」


「話が違いますね?」


「ほ、本当にごめんね⁉︎ それ以外! それ以外なら何でも答えるから!」


「ふむ……では、他の異世界にも介入できますか?」


「できるよ! お姉ちゃんに不可能はないからね」


「力の制御はどうしているのです? 天界に影響は無いのですか?」


「……天界には影響無いよ! 大丈夫!」


「力の制御は? 暴走しない様、天界と接続しているはずです」


「そ、それは……頑張ったらできたの!」



《嘘だ》


《嘘じゃな》


《う、嘘です!》



 嘘ですね? キリリスさんの能力が無くとも分かります。

 それに、最初に答えられなかった介入方法……何か関連性がありそうですね。力の制御ができない状態で、天界から直接介入……どんな能力ですか?

 発動の瞬間を見ていないので【経験】は出来ていません。いえ、膨大な聖力を持つ姉さんなら、超規模聖術の可能性もありますか……

 “何でも答える”とは何だったのです? 知りたい事の半分しか分かりませんでした。



「本当の理由は言えないのですね?」


「うっ……ごめんね? でも安心して! フィオちゃんに損はさせないから!」


「……そうですね。損はしなさそうです」


「う、うん? まぁいいや! そ・れ・で……ご褒美は?」


「何がいいですか?」


「フィオちゃんと二人きりの楽園を――」


「楽園はダメです。ご褒美ポイントが足りません」


「くっ、そんなに簡単じゃないかー。じゃぁ【退化】一日!」


「ご褒美ポイントが足りませんね?」


「そんなぁ⁉︎ じゃ、じゃぁ半日!」


「足りません」


「ま、まさか……前と同じで五分?」


「惜しいですね。十分です」


「あのね? フィオちゃん……お姉ちゃんね? もう分単位じゃ満足できない体なの。だから、ごめん…… 無理矢理にでも――」


「そんな姉さんに朗報があります」


「な、なに?」


「干渉局で介入を成功させる度に、ご褒美ポイントを進呈します」


「詳しく! 詳しく聞かせて⁉︎ 具体的には⁉︎」


「介入を成功させると1ポイント。1ポイントで【退化】十分です」


「待って……待ってね?【退化】一時間の為には6ポイント必要で……つまり【退化】一日は――144ポイント?」


「……どうですか?」


「すぅ……はぁ……」


「フェリス姉さ――」


「リーリアぁああああああああああああ⁉︎」



《ひぃいいいいいいいいいいいいい⁉︎》


《ご主人様! 撤退するぞ! フェリスがここに来る!》


《くくっ、上手く釣れた様じゃな? 一本釣りじゃ!》



 ふむ、これで姉さんの行動をある程度は把握できる様になりましたね。

 暫くは介入に夢中でしょう……ああ、リーリアさんや干渉局の皆さんの事はきちんとお守りしますよ? 局員に危害を加える度にご褒美ポイント減少です。

 【退化】以外のご褒美も考えなければいけませんね。そして『期間限定』と銘打って……くくっ――い、いけません。つい内なる魔王が……



「リーリア⁉︎ 介入先を教えるんだよ! 早く!」


「ふぅ……介入終了ですね」


「あ、フィオちゃん! 待っててね⁉︎ すぐご褒美貰いに行くから⁉︎」






***






「フィ、フィオ先輩⁉︎ フェリス様からの《念話》……《念話》がぁ⁉︎」


「戻ったか⁉︎ ご主人様、カリン様が呼んでいる! 急いで向かうぞ!」


「ならば、服を着てから向かうとしようかの……また責められては敵わん」


「そ、そうでした……流石はニール様。ほら、ご主人様も早く!」


「……ウル? またやらかしましたね?」


「なっ⁉︎ “また”とは何だ⁉︎ オレはご主人様と違って普段からやらかしたり――」



「ふん、ふん、ふふ〜ん……ふん、ふ――あ、介入部はここですね? フィオ様〜! 貴方のエイリーンが来ました……よ?」



 ウルは言いました……『エイリーンさんに遭遇する確率は低い』と。

 しかも、接近に気が付きませんでしたね? 何ですか? ウルは調教ポイントが欲しいんですか? 分かりました。100ポイント進呈です。

 ニールさんにはあげません。調教もご褒美も同義ですからね……何もしない事が罰なのです。


 はぁ……体が重いです。 過去最大級の重力操作が行われていますね……

 誰が責任を取りますか? 早くしないと装置が軒並み壊れてしまいますよ?

評価していただき、ありがとうございます!

お陰様で、いつの間にやら20,000PVを突破しておりました。

今後も毎日、欠かさず更新していくつもりです。どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただきありがとうございます

ブックマーク・評価・感想などいただけますと
作者が非常に喜びます!よろしくお願いいたします

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ