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連続介入




「【天雷】、【天雷】、【天雷】……」


《フィオ先輩⁉︎ この装置は連続使用を推奨されていません! 危険です!》


「ここで最大出力、【天雷】です。肉体が崩壊しますね」


《聞いてますか⁉︎ 肉体は無事でも、精神が持ちませんよ⁉︎ 廃人に――ひゃぁ⁉︎》


「……三体目の私もイケメンですね」


《フィオ先輩! 戻ってくる度にお尻触るのやめてください! 私は真面目に警告してるんですよ⁉︎》



 リーリアさんの言いたい事も理解できます。肉体が崩れ落ちる感覚……もしこれを人間が味わったら、痛みなど気にする間も無く発狂してしまうでしょう。

 それを繰り返せば例え天使といえども……本当に消滅できない分、死ぬより悲惨かもしれませんね? そんな事は推奨されなくて当然です。

 尤も、私には関係ありませんが。【経験】を使い熟すのにどれだけの精神力が必要だと思っているのですか? どんな攻撃も自ら受けに行かなくてはいけないのですよ?


 あと、お尻を触るのはやめません。失った精神力をリーリアさんのお尻で回復しているのです。



「まだまだ出て来ますね……【天雷】の習熟度が上がっていきます」


《うぅ……フィオ先輩が廃人になっちゃいます。私、どうしたら……》


「【天雷】……む? 雷に耐性のある兵器ですか」


《え……ほ、ほら! これじゃ殲滅も出来ませんよね⁉︎ 介入中止です!》


「殴れば壊れますね」


《壊れちゃうんですか⁉︎ ……で、でも効率が悪いですよ! これだけの数、全て殴って回るつもりですか⁉︎》


「いいえ、最大限の聖力を籠めて……殴ります」



 中位天使が全力――しかも消滅覚悟で振るう拳です。殴られた対象だけでなく、周囲の者へも被害を及ぼします。

 今回は荒野でしたので、地形に変化はありませんが……小さめの山くらいなら吹き飛ばせるのではないでしょうか? 兵器達も一網打尽にできましたね。

 そして聖力が尽きたので肉体の崩壊が始まります。次が四体目ですか……



《ああ⁉︎ また体が……も、もう本当にやめてください! だ、誰か! 誰か止め――》



《ご主人様? 呼ばれて来たんだが……この装置はどうやったら開くんだ?》



《う、ウルさーん!》


《うん? なんだリーリア、そんな声を出して……まさか⁉︎ ご主人様に襲われたのか⁉︎》


《ち、違います……フィオ先輩が介入を止めてくれなくて!》


《……どういう事だ? 何か問題でもあったのか?》


《装置の連続使用です! このままじゃ精神が――ひゃん⁉︎》


《んん⁉︎ おい、ご主人様! 中で何をやっている⁉︎ 早くここを開けろ!》


《あ、あっ……そ、そこは弱いんですぅ》


《ちっ……ニール様! 装置の表面だけ腐敗させてください!》


《なんじゃ? 壊しても良いのかの?》



 ニールさんまで来ているのですか……まぁ、一人で残しておくのは不安ですからね。良い判断です。

 さて、四体目の私に探索能力を持たせる為にもウルを説得する必要があります。扉を開けて話をする事にしましょう……装置を壊されては敵いませんからね。



《今開けますよ、ウル。ニールさんも能力は使わないでくださいね》


《ふん、最初からそうしていろ……オレを無視するな》


《くくっ、尻尾が揺れておるぞ? 主人様に会えるのが余程嬉しい様じゃな?》


《なっ⁉︎ ニール様! か、揶揄わないでください!》


《ふむ……ウルの尻尾はなかなか揺れませんからね。私にも見せてください》



「あ! フィオ先輩⁉︎ い、今開けたら私達は裸で――」


「《操作》」


「んぉ? 兄貴戻って来てたのか⁉︎」


「やっと開いたか。ごしゅじ――んん⁉︎ だ、誰だお前は⁉︎」


「はて? どこかで見た気がするんじゃが……」



 それでは、サターニャさんの事も含めて説明しましょうか。

 リーリアさん、もう少し詰めて貰えますか? お二人にも装置の中へ入っていただきますので……四方を女性に囲まれる、これぞハーレムですね。






***






「――そして、数多の兵器に囲まれた私はこう言いました。『例えこの体が朽ちようとも……リーリアさん、貴女だけは守ってみせます』と。その後は兵器達を千切っては投げ、千切っては投げ……獅子奮迅の活躍をして、無事に二人は結ばれたのです」


「……あれ⁉︎ いつの間にか結ばれてます⁉︎」


「ご主人様? どこまで合ってるんだ?」


「大体合ってるな! 兄貴は無双してたぜ?」


「なんじゃ? リーリアはもう堕ちておるのか」


「お、堕ちてないです! 全然合ってませんよ⁉︎」


「そうですね……確かに兵器達はまだ残っています」


「それだけじゃないです! まだ『大罪人』の所在すら分かってないですから!」


「……もう少し分かりやすく説明できないか?」



 簡潔にまとめれば、リーリアさんとの親密度は限界まで上げました。しかし、介入を終える為には情報と能力が足りません。

 特に、今回の標的である『大罪人』に関しては何も分かっていません。そこで貴女の力を借りたいのですよ、ウル。



「そういう事か。初めからそう伝えてくれ……余計な脚色ばかりじゃないか」


「ワシは主人様の報告の仕方も好きじゃぞ? 物語を聞かされている様じゃ」


「流石はニールさん、器が大きいですね」


「い、いつもこんな感じなんですか? 今の報告で伝わるんですか?」


「兄貴カッコ良かったなぁ……背中もあったかくてさ」



「……オレは装置の中を見た時、ご主人様を一人にさせた事を後悔したぞ」


「裸で抱き合っておったからの? しかも聞けばサターニャは六階位じゃと?」


「手は出していませんので……問題にはなりませんね」


「カリン様が火消しに奔走しているのに、ご主人様はまたボヤ騒ぎを起こすのか」


「いっそ干渉局を手中に収めてはどうじゃ? 丸ごと管理してしまえば問題にもなるまい」


「いえ……次はシクティスさんの所へ向かいますので、管理する余裕がありません」


「リーリアにやらせたらどうだ? ……堕とせれば、だが」


「ワシもそれに賛成じゃ。局長ならもみ消すのも楽じゃろう」



 ふむ……『経験の園』以外にもハーレム候補の方々でコロニーを形成する訳ですか。確かに悪くありませんね。

 拠点はいくつあっても困りませんし、何より手間が掛からないのが素晴らしいです。もちろん愛を惜しむつもりはありませんが、今の私は多忙ですので……


 何にせよ、全てはリーリアさんを堕としてからですね。この会話もばっちり聞かれていますから……もう逃がしませんよ? リーリアさん。

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