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局長補佐、就任




「経路の試運転急いでー! 早くしないとフィオドール様来ちゃうよー!」


「えーと、術式ってこれで合ってたっけ? だ、誰かー! 詳しい人来てー!」


「魔界に繋がった経路は触らないでね! ……そう! その凍ってるやつ!」


「邪魔邪魔ー! どかないと書類ばら撒くぞー⁉︎」


「セリー胸邪魔そうだね? 邪魔でしょ? 削ってあげるよ」


「じゃ、邪魔じゃないから⁉︎ ニンクもちゃんと集中して⁉︎」



「来るのが早すぎた様ですね……」


「オレは忠告したからな? ……まだリーリアすら来ていないじゃないか」



 そうは言いますが、私の復帰初日ですよ? これまでずっと禁止されていた事が解禁されるともなれば、気が急いてしまうのも仕方がないというものです。


 それに早く来た事で良いものが見れました……働く女性も乙なものですね。彼女達が動く度にチラリチラリと肌が見え隠れする……誘っているのでしょうか?



「しかし、復旧が終わっていないとは思いませんでした。ここは私が一肌脱ぎますか」


「……術式の修復とかできるのか?」


「あのですね? ウル……私はここの統括をしていたのですよ? 出来ない訳がありません」


「そ、そうだったな。偶にお前の立場を忘れそうになるが、七階位だもんな……」


「そうです。私は天界最高の天使、そして干渉局の新局長です」


「……局長はリーリアじゃなかったか?」


「……リーリアさんより私の方が適任でしょう」



「はぁ……さっきシクティスの使者が言っていたぞ。『局長補佐に任ずる』と……というかお前シクティスに何をしたんだ? 自分の領域に引き篭もって出てこないって相当だぞ」



 局長補佐……補佐ですか。私がここにいた時にはそんな役職無かったのですが……魔界に繋がってしまった件で何も対策しない訳にはいかないですからね。納得しておきましょう。


 シクティスさんは……《念話》にも応えてくれません。『本音花』は私も被害者ですから、むしろお互いに慰め合う関係になっていてもおかしくないのですが……



「私は何もしていませんよ……私は」


「カリン様か……これも計画通りなのだろうか」


「私の女神に限って間違いなんてありません。次にシクティスさんと会う時が本契約の機会となるでしょう」


「ま、まぁ? いざとなったらオレも動くからな。心配しなくていいぞ?」


「必要ありません」


「……なあ、もうちょっと頼りにしてくれても――」



「フィオ先輩! ウルさん!」


「おや、リーリアさん。いえ……『リーリア局長』の方がよろしいですか?」


「そ、そんな⁉︎ やめてください! フィオ先輩にそんな風に呼ばれると……えへ、えへへ」



 良い笑顔ですね、リーリアさん……私は貴女からの連絡をずっと待っていたのですよ? もう脳内で何度肌を重ねたか分かりません。

 私の寝室だってウーナさんに頼んで万全の状態にして貰っています。なんなら今からでも構いません。

 そうですね……私自ら寝室へ運ぶというのはどうでしょうか?



「久しぶりだなリーリア。ご主人様共々、世話になるぞ」


「あ、はい! ウルさんもお久しぶりです。こちらこそ、私の補佐をお二人にしていただけるなんて……とっても光栄です!」


「補佐するどころか、迷惑を掛けることになるかもしれんが……」


「大丈夫ですよ、ウルさん! フィオ先輩が局長を務めていた時は『伝説の世代』って呼ばれていたらしいですから!」


「ふふ、事実ですが照れますね」


「伝説……どんな内容なんだ?」


「それが……私もフィオ先輩の活躍が気になって調べたんですけど、資料が一切出てこないんです。不思議ですよね? 引き継ぎ用の書類も無いんですよ?」


「引き継ぎ用の書類ですか? そもそも私は書類なんて一度も――」


「そ、そうか! それは不思議だな⁉︎ きっと書類に残せない様な偉業を成し遂げたに違いない!」


「そうですよね? えへへ……実は私、フィオ先輩の伝説がこの目で見れるんじゃ無いかって、ちょっと期待してるんです」



《おい! ご主人様の伝説とはやはり醜聞なのか⁉︎》


《ふむ、書類を残さなかった程度で伝説と呼ばれるのでしょうか? 私はてっきり異世界を消滅させた件だと思っていたのですが……》


《……そうか。分かった……どちらにせよリーリアには言うなよ? そして今回は真面目に働くんだ》


《私のどこが不真面目だというのですか? 異世界消滅の件だって、あれは私が滅ぼさなければ――》



「あ、リーリア様! こちらの作業はもうすぐ――フィ、フィオドール様ぁ⁉︎」


「嘘⁉︎ フィオドール様⁉︎」


「干渉局に復帰するって本当だったんだ……」


「局長補佐らしいよ? リーリア様が羨ましいなぁ……」


「……セリー、局長室に盗聴術式刻みに行こうよ。絶対一線越えると思うから」


「ニ、ニンクまずいって……リーリア様見てるから!」



 感じます……これは羨望の眼差し。やはり私への評価は確実に上がっていますね。

 更に見所のある天使を発見しました。あれは……そう、ニンクさんとセリーさんでしたね? 干渉局で働いていたのですか……覚えておきましょう。



「え、えーと皆さん! 本日からフィオせんぱ――フィ、フィオドール様が干渉局へ復帰します! 局長補佐です! 恥ずかしい所を見せない様に!」


「「「はぁーい!」」」


「え、全部見て欲しいんだけど。恥ずかしいところとか特に」


「ニンク! 見てる……リーリア様がすごい見てるから!」



 私も見ていますよニンクさん。そして聞きました。

 恥ずかしいところを見て欲しい? いいでしょう……お脱ぎください。私が隅々まで視姦し、視線だけで孕ませて――



「フィオ先輩からも何か一言お願いしてもいいですか?」


「構いませんよ。そうですね……ただいまご紹介に預かりました、フィオドールです。私の使徒、ウルと共に皆さんのお手伝いをさせていただきます。多少ブランクがあるのでご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願いしますね?」



「「「はいっ! フィオドール様!」」」


「迷惑だけじゃなくてアレもかけて欲しい……全身に」


「……アレ? アレって何? ニンク」



 リーリアさん、貴女の教育方法を教えて貰ってもよろしいですか? それを天界で広めれば、ニンクさんの様な模範的な天使を量産する事ができるでしょう。

 しかし残念ながらセリーさんへの教育が足りていませんね……いや、これはこれで――



「【経験】のフィオドールが第三使徒、ウルだ。局長補佐の補佐……という立場になる。よろしく頼む」



「「「は、はい!」」」


「使徒かぁ……やっぱりかけられた事あるのかなぁ?」


「え、何が? ニンクはさっきから何の話をしてるの?」



 その疑問にお答えしましょう、ニンクさん……あります。真っ白な狼にした事があります。

 それにしても、セリーさんは純真無垢ですね? 卑猥な行為だと知らなければ、そのまま事に及んでしまいそうな――閃きました。



「はい! それでは皆さん作業に戻ってください! 分からなかったり、迷う事があれば聞きに来てくださいね? ……っとフィオ先輩は私と局長室に来て貰えますか? 今の干渉局について説明しておきますので」



 今はあの二人をどうするかで頭を悩ませているのですが……待ってください。これはリーリアさんからのアプローチなのでは?


 密室で男女が二人きり……ベッドはありませんが、局長室には大きめの机があったはず……ふむ、初めてだというのに素晴らしい挑戦心です。



「ええ、分かりました……二人きりがいいですか?」


「な、何言ってるんですか⁉︎……ま、まだダメです。その……心の準備が」



 私の予想は外れてしまいましたか。ですが相変わらず押したらいけそうなんですよね……初めての時のウルもこんな感じではありませんでしたか?


 覚えていますか? ウルと出会ったばかりの頃――



「すまんが話は局長室に入ってからでもいいか? ……周りの視線が落ち着かないんだ」


「す、すみません! どうぞ、こちらです!」



《拗ねなくとも良いではありませんか》


《拗ねてなどいない! その……恥ずかしいから……思い出させないでくれ》


《……あの時からずっと、貴女を頼りにしていますよ。ウル》


《っ! ……い、いいい行くぞ! オレに任せておけ! オレにな!》




 ふふ、局長室も懐かしいですね。今の干渉局とやらも気になりますし、ここは真面目に話を聞くとしましょうか……

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