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経験会議は夢現




「ここに第――何回だったかしら? 関係ないわね……『経験会議』の開催を宣言するわ!」



「いや、ワシさっきまで凍ってたんじゃが……」


「……」


「そのお陰でフィオに抱っこしてもらえたじゃない……ずるいわ!」


「意識がない時の行為にまで嫉妬されてものう……」


「しかもフィオの聖力を全身に浴びたらしいわね? ……極刑よ! 使徒裁判を行うわ!」


「……お主、どうも様子が変じゃのう? 主人様の血を飲んでいないじゃろうな?」


「……」


「フィオからのご褒美に文句を言うのかしら⁉︎ とうとう正体を現したわね? このお化け猫!」


「待て待て、文句ではないのじゃ……じゃが先程からウルが呆れて何も言っておらぬ。少し落ち着いたらどうじゃ?」


「わたくしは冷静よ……フィオは言っていたわ?『カリンさんはいつも冷静で助かっています。流石は私の女神ですね』って……んん! 女神! わたくし……神様になっちゃったぁ……」



「……ウル。お主も何か言ってやったらどうじゃ? ワシだけでは止められんぞ」


「……わん」


「はぁ……今度は何の『誓約』を結んできたのじゃ? お主は主人様と寝る度に変な『誓約』をこさえて来るのう?」


「わ、わん! ……わん」



「でもでも、わたくしが神様になったのならフィオも神様よね? だってわたくし達は夫婦……いえ、禁断の恋というのもありかしら? んー! フィオ格好いいから何でも好き! 早くわたくしの番が来ないかしら……」


「こほん!……『経験会議』をするんじゃろう? 件の主人様が居なければ何も決められんのではないか?」


「……そうね? フィオが寝てるから人数が合わないわ? うーん……ちょっと待ってて!」



「い、行ってしもうた。寝ている主人様を呼ぶのも気が引けるが……このままでは話にならんからのう」


「わん……くっ」


「ワシの時と違って語尾に『わん』を付けるだけではダメなんじゃな? 思考を奪われている時に『誓約』なんてするものではないのう……」


「わ、わん」


「しかし、ウルが思考を奪われるほどの情事とは……一体何をしたんじゃ? ワシらはみんな趣向が違うからのう? どうにも気になってしまうのじゃ」


「わん⁉︎ わ、わんわん!」


「むぅ……『誓約』のせいで何も分からん。《念話》でも同じなんじゃろうし……主人様が来るのを待つしかないのう」



「待たせたわね! これで四人になったわ!」


「む、戻ったか……うん? 主人様が居らん様じゃが」


「フィオは疲れて寝てるわ? 起こす訳無いじゃない! だから代わりに……じゃん!」


「ぅ……ぁ……」


「キスだけで果てた、下半身洪水精霊のシクティスを連れてきたわ!」


「いや代わりにならんじゃろ」



「これで四人! 会議よ! 会議をするわ! わたくしはフィオの役に立ちたいの!」


「ワシもそうなんじゃがな? 二人ほどまともに喋れん者が居るのじゃ」


「わん……」


「うぅ……」



「だらしないわね……でも羨ましい! わたくしもフィオに壊されたいわ!」


「……もう十分壊れておると思うのじゃが」


「聞こえてるわよニール! けどもっと壊してもらいたいの! 喋れなくなりたいわ!」


「分かる。分かるのじゃが……ワシまで冷静さを欠いては収集がつかなく――」



「ん……っ⁉︎」


「む? 気がついた様じゃなシクティス」


「ここは……どこ?」


「おはようシクティス! 気持ち良かったかしら⁉︎ キスだけで気を失ってしまうなんて、本当に変わった精霊なのね⁉︎ むっつりだわ!」



「そう……夢」


「ワシも夢なら早く覚めて欲しいものじゃ……」


「夢は久々……しかも明晰夢」


「立ち回りによっては悪夢になる故……細心の注意を払うのじゃ」


「カリンがおかしくて……ニールがまともなんて……ありえない」


「さっそく獅子の尾を踏んだな? 本当に夢かどうか、お主の手足を犠牲に確かめると――」



「会議よ! 議題は『ハーレム計画の今後』に決めたわ!」


「まだ味方になりきっておらん者がいるんじゃが……」


「シクティスは味方よ! フィオと仮契約をしたもの!」


「ん……キスしちゃった」


「なんじゃ、もう堕としておったのか」


「まだよ! けど時間の問題ね! フィオとのキスが忘れられないから!」


「私が失神したから仮契約できてないかも……もう一回する」


「……堕ちとる気がするんじゃが?」



「じゃあ話を進めるわ! リーリアを堕とすのはフィオに任せるとして、次はシクティスよ!」


「おるぞー? ここに本人がおるのにその計画を話すのか?」


「私……堕とされたいの?」


「……夢じゃからな。本音で話すが良いぞ?」



「シクティスの次は……フレイヤか六階位の機械人を堕としたいわ!」


「む? 堕とすのは七階位だけではないのじゃな……」


「あの機械人は特別よ!『天界の最終兵器』だから、こっちの手中に収めたいの!」


「ん……フレイも一緒にする」



「一番最後がフェリス、その前がキリリスだから……エイリーンは後ろから3番目ね!」


「ふむ、相変わらず順番にこだわるのじゃな」


「えへへ……みんな一緒」


「シクティスの知能が低下しておらんか? 味方になって弱体化されるのは勘弁じゃぞ」


「まだ余韻が抜けていないんだわ! すごいキスだったから!」


「ん……あれだけで本契約まで出来たかもしれない」


「ワシらがいつもされてるのとは違うんじゃろうか……」



「思い出したらわたくしも抱いて貰いたくなってきたわ⁉︎ フィオはまだ元気かしら……会議はここまでよ! わたくしは行くから!」


「なっ⁉︎ ま、待つのじゃ――むぅ……行ってしもうたか。結局順番しか分からんかったのう」


「ん……あんなカリンは新鮮」



「さて、シクティスよ……お主はどうするのじゃ? 追いかければ混ざれるかもしれんぞ?」


「……ん? 夢の中じゃ契約は無理……」


「いや、実はこれが現実――」


「今はウルと話す……滅多に見れない」



「……わん」


「ウルは……喋れない? ……新発見」


「わ、わん!」


「いや……これは私の夢……ウルに対する知識不足」


「わ……わふ」


「……可愛い……お手」


「ん゛⁉︎」



「……ワシは寝ようかのう? まだ体の節々が痛む……それにこれが本当に夢かもしれん。ただシクティス以外は普段通りじゃから、期待薄じゃろうなぁ」

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