表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/201

戦乙女、覚醒




《オレの耳がおかしくなったのか? あの氷像が言葉を発した気がするんだが……》


《だとしたら私の耳もおかしいですね。思わず変な声が出てしまいました》


《絶対喋ったよな? ……アグラも驚いていたし》



 いやいや、今まで一度も喋ったことなんて無かったではないですか。

 何故こんな時に驚かせるのですか……シクティスさんに見られているのですよ?危うく目を見開いてしまうところでした。


 原因は溢れんばかりに聖力を注ぎ込んだせいでしょうか……もしや依り代にしたフェリス姉さんのパンツには特殊な効果が? ……本当にありそうで怖いですね。



「や……や、やり」


「……ふむ?」



 やはり氷像ですから喋りにくそうですね……発声器官とかどうなっているんですか? 普通は言葉を発する事すら出来ないはずですが……試しに《念話》を繋いでみましょうか。



《聞こえますか?》


「ぁ⁉︎」


《念話です。貴女は使えませんか?》


「ね……わ?」



 聞こえてはいる様ですが、使う事は出来ないのでしょうか? 《念話》も使えないとは……ますます戦乙女がどういう存在なのか分かりませんね。

 この場に呼び出されたのか、それとも生み出されたのか……後で詳しく調べなくてはいけません。


 今までは感情を持たない存在として扱っていましたが、もしかしたら――



「や、や……り……ほし」


《槍……槍が欲しいのですか? 私の?》


《決してお前の想像している槍ではないと思うぞ……直槍を渡してみたらどうだ?》



 これ以上聖力を使いたくないのですが……それに私が生み出す槍では戦乙女の使用に耐えられないでしょう。

 しかし、仮にも主人として期待を裏切る訳にはいきません。


 仕方ありませんね……ここは無理を通しましょう。あまり頼りたくないのですが……



「【時間停止】、《転移》」






***






「あら、フィオ……どうかしたの? わざわざ時を止めて戻ってくるなんて」


「いえ、特に問題が起こった訳では無いのですが……」



チリン――



《……狐に頼るのか。後が怖いな》



 私は武具の生成に関して専門外です。できない事もないですが、キリリスさんに頼んだ方が確実ですからね。

 【経験】の天敵ではありますが……彼女の能力なら、きっと戦乙女も満足する槍を用意することができるでしょう。



「ふふ……槍でありんすか? どれどれ……」



 キリリスさんの周囲に数十の槍が現れます。この能力……この変幻自在の能力さえ無ければ、あのたわわな果実を好きにできるというのに……

 いえ、私は負けません。今はまだカリンさんの許可が出ていないので仕掛けませんが、必ず貴女も――



「……ほれ、フィオ坊。これを持ちなんし?」


「ありがとうございます。キリリスさん、この借りはいずれ」


「構いんせん……わちきにも借りがありんすから」


《これ以上心を読ませるな。早く戻るぞ》



 そうですね。キリリスさんとの対決は楽しみに取っておきましょう……いずれは必ず決着をつけます。

 貴女の胸と私の槍、どちらがより優れているか――



《オレの牙とお前の槍、どちらが優れているか……試してみるか?》


「では、私はこれで失礼します。そろそろ【帝王】も討てると思うので、天界へ帰る支度をお願いしますね」


「ええ、頑張ってね? フィオ」


「ふふ……待っていんすよ? フィオ坊」



「はい。直ぐに戻って来ますので……《転移》」






***






《そんなに《転移》を繰り返して聖力は大丈夫なのか? ご主人様》


《まだ平気です。《天界生成》のお陰で徐々にですが回復も出来ていますからね……まさかこれに助けられるとは思いませんでしたが》



 【時間停止】を解除する前に、戦乙女の前へ槍を刺しておきましょう。

 こんな事になるなら氷像ではなく肉の体を用意しておけば良かったですね……流石に氷像に対して私の槍を使う事は出来ません。



《シクティスに見せる為に使った術のはずだろう……お前の肉欲を満たす為では無いぞ》


「……そうでしたね。疲労で思考に影響が出ている様です」


《いや割と普段通り――》


「【停止解除】」



 さあ、私に用意できる最高の槍を授けます……キリリスさんに槍の能力を聞いていませんでしたが、きっと最高の槍でしょう。

 もしかしたら、突き刺した瞬間にアグラが爆散するかもしれませんね……



「⁉︎ ……や、り!」


「ほう? 武具の生成も可能なの――ガッ⁉︎」



 自分の要望が叶って嬉しかったのでしょう……槍の確認もそこそこにアグラへと突きを放ちました。

 これで終わったりしませんよね? 私は『美しく』討つ様に伝えたのですが……

 ふむ、まだアグラは動いています。槍に見せ場を奪われる心配は無くなりましたね。



「くっ……【龍爪】!」


「ん!」


「ぐがぁ⁉︎」



 ……一方的です。アグラの攻撃は当たりませんし、戦乙女の槍はしっかりと傷を与えています。

 ですが、このままでは地味な戦いになってしまうのでは? これは一言告げる必要がありますね……



《戦乙女さん。美しく決めてくださいね? 見栄え重視でお願いします》




《そろそろ慣れて来たから、んな心配しなくていいって》




《……ウル?》


《オレじゃないぞ?》



 もう何がどうなっているんですか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただきありがとうございます

ブックマーク・評価・感想などいただけますと
作者が非常に喜びます!よろしくお願いいたします

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ