表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/201

裁かれる雷




「はぁ……何やってのかしら、あの馬鹿猫」


「あ、あの……カリンさん? どうかしましたか?」


「いいえ? 何でもないわ? リーリア。こっちの話よ」


「そ、そうですか……」



 私――リーリアには、カリンさんの考えている事がよく分かりません。

 分かっているのは、フィオ先輩を第一に考えて行動している事。

 他には……あれ? 特に思いつきません……もしかして私、カリンさんマスターですか?



「そんな事より、もうすぐここに魔族共が来るわ? フィオが【帝王】を討つまでしっかり守るわよ?」


「は、はい! 頑張ります!」


「当然よ。それとリーリア? 貴女、油断なのか甘さなのか知らないけれど、いざ戦闘になったら余計な事は考えない方が良いわね」


「うっ……はい、気を付けます。カリンさん」



 立場的には私の方が上のはずなんですが……カリンさんには強く出れません。

 何かこう……絶対的な女王様って言うのでしょうか?逆らってはいけない、そんな気がするんです。

 フィオ先輩の為なら七階位とか気にせず討ってしまいそうですし……こ、怖いです。



「ほら、もう来たわよ? 考え事はやめなさい」


「は、はい!」


チリン――


「ふふ……カリン嬢。わちきの助けは要りんすか?」



 そうでした! 今回はキリリス様も居るんです!

 私は一緒に戦った事がありませんけど、何と言っても【天界一】ですからね!

 『渾名』が二つもあるなんてキリリス様だけです。この方が居れば魔族なんていくら来ようと――



「要らないわ」


「うぇえええええ⁉︎」


「なんて声出してるのかしら、リーリア?」


「い、いやでも! そんな要らないなんて……」


「はぁ……たかが数百の魔族、わたくし達全員で戦う必要がどこにあるのかしら?」



 つ、強気……強気ですカリンさん。仮にここを抜かれてしまえば、後は隔壁を残すだけなんですが……

 それに、討伐隊の中にまた大魔王級の魔族がいるかもしれませんし……や、やっぱり全員で戦いませんか? その方が安全、確実ですよ!



「おい! お前達が侵入者……天界の天使共だな⁉︎」


「っ!」



 ああ、提案する前に魔族の方々が来ちゃいました。

 キリリス様は動く事無く、その場でニコニコしています……本当に戦わないんですか? 私、【天界一】の戦う所が見たいなぁ……なんて。



「そうよ? わたくしは使徒だけれど、ここで消滅する貴方達には関係ないわね?」


「ハッ! 調子に乗るなよ?『俺様はインフェロスが男爵級魔――」


「【血扇】」


「ぞぐッ――」


「ひぇ⁉︎」



 な、名乗りを上げていた魔族が光の粒子になってしまいました……カリンさんの能力、【血扇】で一撃です。

 名前の通り、血で出来た巨大な扇による一閃。あの血、カリンさんによるとフィオ先輩の血らしいんですけど……どうやって採血しているんでしょうか?


 いや、待ってください……今はそれ所じゃありません。

 名乗りです! 名乗り! 天界でも神聖なものとして扱われているんですけど……え? 名乗りの最中って攻撃して良いんですか?

 もしかして、フィオ先輩が良いって言っていたのでしょうか……私が間違っているんですか?



「あ、あのぉ……カリンさん?」


「何かしら? リーリア」


「魔族の方が……その、名乗りを上げていたと思うのですが……」


「聞いたわ? たかが男爵級でしょう? なら名前まで聞く必要は無いわね」


「ふふ……」



 重要なのはそこなんですか……階級を聞いたら攻撃しても良いんでしょうか?

 いやでも、皆さん名乗られたら名乗り返していた記憶が……わ、分かりません。

 キリリス様が何も言わないって事は大丈夫なのでしょう……多分。



「――はっ⁉︎ き、汚ねぇぞ天使共! 名乗りの最中に不意打ちだと⁉︎」

「そうだそうだ! お前らに誇りは無いのか!」

「実は悪魔なんじゃないのか⁉︎」

「いや、悪魔でも名乗り返すぞ!」

「きゅ、吸血鬼とは殺伐とした種族なのだな……」



 いや、やっぱり私間違ってないですよね⁉︎ そうですよね⁉︎ おかしいですよね⁉︎ 何で魔族の方と共感しなくてはいけないのでしょう……

 やっぱりフィオ先輩の使徒って怖いです。唯一まともに話が出来たウルさんが恋しい……今はどこに居るんでしょうか――



「喧しいわね。リーリア、やりなさい」


「ひっ⁉︎ や、やるって……何をですか?」


「決まっているでしょう? 貴女の能力を使うのよ」


「いやでも、私の能力は加減が出来なくて……」


「わたくしは巻き込まれても耐性があるわ?」


「わちきも構いんせん……やっておくんなし?」



 ……え? ここでキリリス様までカリンさんの側につくんですか? う、うん? 私と魔族側の価値観が間違っているんですか?


 でも、私より長く天界にいるお二人が同じ意見って事で――



「……リーリアは真面目ね?」


「――え⁉︎ あ、はい」


「そしてマメな良い子だわ?」


「……あ、ありがとうございます?」


「だから大丈夫よ?」


「は、はぁ……」



「『ケイレム様への手紙』はわたくしがちゃんと――」


「【天雷】ぃ‼︎」



 な、何で⁉︎ 何でカリンさんが手紙のこと知ってるんですか⁉︎

 あれは私の私室……結界を張って、それも破られた時の為に引き出しを二重底にして隠しているのに⁉︎

 それに、『ケイレム様宛』って内容まで知られてますし……カ、カリンさんが持ってるんですか? 私の手紙、ちゃんと引き出しにありますか?


 も、もう嫌です……助けてくださいフィオ先輩。でも、お願いだから手紙は読まないでください……



「ふふ……粒子が綺麗でありんす」


「そうね? やれば出来るじゃない。リーリア」


「はい……」



 巻き込んだはずなのにお二人には全然効いていませんし……疲れたのも私だけですか?

 天界って、魔界より恐ろしい場所だったりしませんか? ……ふ、不安です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただきありがとうございます

ブックマーク・評価・感想などいただけますと
作者が非常に喜びます!よろしくお願いいたします

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ