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天議会、閉幕

二章へ入ります。




「では、他に何も無ければ、今回の天議会はこれにて閉幕としましょう」


「は、はーい! フィオちゃん! 結局、経路は残すの? 残さないの?」


「今回は少数精鋭で攻め込むだけです。現状、天界の戦力では魔界側を確保し続けることは難しいでしょう」


「ん……それで正解……【統率】を討ったら経路は遮断」


「それに一度、干渉局を立て直す必要もありんしょう?」


「そうだな。貴重な高位天使も討たれてしまった」


「も、申し訳ありません……私が不甲斐ないせいで」


「リーリアのせいじゃないわよ? むしろ、魔界相手にあれだけの戦力でよく耐えたわ」



 エイリーンさんと立ち位置を交換したいですね。リーリアさんが弱っている今が好機。きっと私の言うことを何でも聞いてくれるはずです。

 私には見えます……リーリアさんが戸惑いながらも、その身を差し出す姿が!



《なあ、お前は本当に天使なのか? 実は悪魔か魔族なんじゃないか?》


《くくっ……良いではないか。あの素朴な少女がどう悶えるか、見ものじゃの?》


《流石はニールさんです。犬より狐、狐より猫です》


《ね、猫はやめよ。ワシは獅子じゃからの……それに、ウルが泣きそうじゃぞ?》


《泣かない! な、泣いてないからな⁉︎ ニール様も、冗談はおやめください!》



「そう……フィオドール……」


「はい、何でしょうか? シクティスさん」


「魔界から戻ったら……リーリアを手伝ってあげて……」


「おや、介入禁止は恒久的に解除されるのですか? てっきり今回だけかと」


「実績は確か……今度は消滅させないで……」



 ふむ、リーリアさんの近くにも居られますし……悪い話ではないですね。

 介入禁止されてからというもの、滅多に仕事もなく暇を持て余していましたし……


 お二人はどう思いますか?



《爛れた日々も悪くはないのじゃが……そろそろ動くのじゃろう? ワシは賛成じゃ》


《今更焦っても仕方ないが、今は一つでも多くの経験が必要だ。オレも賛成する》



 決まりですね。カリンさんには事後報告になってしまいますが、長期介入でもしない限り問題ないでしょう。

 それに、シクティスさんに恩を売れる良い機会です。彼女はなかなか隙を見せてはくれませんからね……



「分かりました。このフィオドール、微力ながら協力させていただきます」


「ん……お願い……」


「はい……では、今度こそ天議会を閉じます。選抜された者以外は仕事に戻ってください」



「うむ、私も戦いたかったのだが……すまない、先に失礼する。頼んだぞ、三人共」


「本当はフィオ様と魔界に行きたいのですが……リーリア、頼みましたよ? 絶対に死守するのです。もしフィオ様が戻らなかったら……分かりますね?」


「ひっ⁉︎ は、はい! エイリーン様! 絶対、命に代えても守りますから!」


「ふふ……エテ公なんて物の数ではありんせん。安心しておくんなし?」


「はぁ……申し訳ありません、キリリス様。リーリアの事もお願いします。では、エイリーンもこれで失礼します」



 フレイヤさんが徒歩で、エイリーンさんが転移で去って行きました……フレイヤさん、本当に転移が使えないんですね。

 どうでしょう? ここは鎧を脱いでもらう代わりに、私が転移を教えるというのは。

 私の推測では、あの鎧の重さによって転移の重量制限に引っ掛かっていると思うのです。



《重量制限があったら、エイリーンは転移を使えないはずだろう……》


《『重さ』を学びましたか? ウル》


《ッ⁉︎ 》


《何じゃ? 何の話をしておるんじゃ?》



「フィオドール……」


「おや、シクティスさん。まだ何かございましたか?」


「ん……私はここで指揮をとる……」


「ああ、なるほど。それは助かります」



 そして念の為、後詰として控える……といった所でしょうか?

 エイリーンさんでは、魔界へ付いて来てしまうでしょうからね。シクティスさんが適任でしょう。

 更に、いざとなったら私を見捨てて経路を遮断する判断を下す……そんな冷静な判断が、シクティスさんになら可能です。



「フィオちゃん……」


「おや、フェリス姉さん。まだ何かございましたか?」



「その……使ったら、洗って返してくれればいいから!」



 シクティスさんの目が、私の手に持つパンツを捉えます。


 見てください。あれが……ゴミを見るような目です。

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