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【天界一】

今回は短めです。




「『天界の危機だ』なんて言うから来んしたが……邪魔でありんしたか? フィオ坊」


「いいえ、来てくれて助かりましたよ。キリリスさん」



 真っ白な髪に狐耳。眼は……左眼しか開いていませんね、綺麗な紫色だけです。


 渾名は【天狐】または【天界一】……現存する天使の中で、最も強いと目されています。

 どこかの小世界で『和服』と呼ばれた着物を好み、今も身につけていますね。



チリン――



 そして獣人特有の尻尾には紐が巻かれ、動く度に紐先の鈴が音を奏でます。



「ふふ……リーリア嬢と良い雰囲気だった様に見えんしたが」

「ちが、違います! 私、フィオ先輩とはそんなんじゃ――」

「む、そうだったのか? フィオドール」

「ははは……」



 どうしましょうか……いえ、ここでリーリアさんのフラグを折る訳にはいきません。

 仮に私が『リーリアさんの様なお子様体型に興味はありません』なんて言おうものなら、いくら最上天使といえどもフラグの修復は困難でしょう。


 しかし、しかしです。

 こうも凶器を見せ付けられては、私が口を滑らせても文句を言える方など居ないのではないでしょうか?



「そうでありんすか? ……この目もついぞ曇りんしたか」



 眉をひそめたキリリスさんが腕を組みました。

 それと同時に凶器(巨乳)が押し上げられ、着物から溢れそうになります。


 前々から思っていたのですが……キリリスさん。着物のサイズは合っていますか?

 胸元が開けているので、上乳が殆ど見えてしまっています。

 眼福ですね……くっ、流石に頂までは覗けませんか。


 フレイヤさんも見習ってくださいね? 私は未だに貴女の胸の大きさが分かりません。



「ふむ、しかしキリリス殿も来られたのなら『天議会』が開けるな」

「そ、そうですね! 魔界と繋がるなんて一大事ですし、天議会ですよね⁉︎」

「わちきで四人目でありんしたか……なら、それでようございんす」


「……ええ、私も構いません。誰が招集をかけますか?」



 て、天議会ですか? 何も七階位全員で集まらなくとも良いのでは?

 ちょっと私の介入を許可してくれれば、魔界を滅ぼして来ますから……その後はリーリアさんとお楽しみです。

 これ以上遅れるのは私も我慢なりませんよ?



「私は聖力を練るのが苦手でな……フィオドール?」

「わ、私は先輩方を差し置いて招集なんて掛けられません! フィオ先輩!」

「わちきもまだ事情が分かりんせん……フィオ坊?」



 本当にやるんですか? せめて、せめて後一日だけ遅らせませんか?

 一日あればリーリアさんを堕としきれます。金色の翼で全身愛撫に臨めるのです。


 後、皆さん色々と言い訳していますが、進行役をやりたくないだけでしょう?

 私は『天界総ハーレム計画』を議題にしてもいいんですよ? そして、参加する際は衣服の着用を認めません。



《おい、狐に見られている! それ以上はやめておけ! オレにも返事をするな》


「分かりました。それでは僭越ながら、私が招集を掛けさせていただきますね」

「ふふ……わちきはその『条件』でもようございんす」

「じょ、条件?……条件って何ですか? フィオ先輩」



 右手を挙げ、急ぎ聖力を集めます。

 天界中に知らせなくてはなりませんから、私も少し手間取って――ええい急ぐのです!


 リーリアさんが不穏な動きを見せています……あれはキリリスさんに『条件』の内容を聞きに行こうとしていますね。


 こ、こんな所で『最上天使』の威厳を損なう訳にはいきません。

 術式なんて多少大雑把でも構わないでしょう……今は、天議会の開催を告げる為だけの聖術――《招集》の展開が急務です!



「あのぉ……キリリス様? フィオ先輩が言ってた条件って――」


「では、天議会を開催します。《招集》」

「ふふ……リーリア嬢にはまだ早うございんす」



 間一髪ですね……間に合いました。

 私の掲げた右手から金色の光輪が広がり、天界中へ拡散して行きます。

 

 ……それにしても、キリリスさんは本当に全裸でも参加してくれるんでしょうか?

 彼女は思わせ振りな言動が多いので、私も目測を誤りかねません。

 特にあの胸との距離感が狂ってしまいそうで――

お読みいただきありがとうございました。


初めて廓言葉(花魁言葉)を用いましたので、使い方を間違えている可能性があります。

そも、読み易さを優先して改変した部分がございます。

「こちらの方が読みやすい」「この場面には適さない言葉遣いだ」等ございましたら、教えていただければ幸いです。

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