表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/194

魔物と魔核と素体

「マグ拳ファイターで稼ぐには魔物を倒さなくちゃならない」

「魔物? そんなのがいるのか?」


 何ともおどろおどろしい響きだ。暗闇に蠢く何かを想像させる。


「ああ、アレだ」

「えっ!?」



 まさかこんな近くに魔物がいるなんて思いもしなかった。

 緊張で身構えながらアキラが指差す方を見ると、何やらバスケットボールぐらいの水滴と呼ぶには大きすぎる「何か」があった。


「アレ?」

「アレだ」

「…………何アレ?」

「スライムだ」


 スライム。ラノベ等で名前だけはよく見かけるアレか。


「アレ、ホントに魔物なのか? 魔物って人を襲うものだろ? 初日からこの草原の至る所で見かけてるけど、こっちに近付いてこないし、っていうか動かないから、このゲーム特有のオブジェだと思ってたぞ」

「基本的にフィールドの魔物はノンアクティブだからな?」

「ノンアクティブ?」

「受け身。こっちから攻撃を仕掛けなければ攻撃してこないってこと。逆にダンジョンの魔物はアクティブだから、見つかったら戦闘は避けられない」

「なるほど……」


 一応頷いているが実は半分くらいしか分かってなかったりする。


「で、あいつは倒すと金になるのか?」

「いや、倒しただけじゃならん」

「そうなのか」


 まぁ、倒したらお金になるとか意味分かんないしな。


「そういうゲームもあるけどな」


 あるんだ。


「魔物は倒すと「魔核」と「素体」になるんだ」

「マカクとソタイ?」


 またよく分からん名前が出てきたな。


「「魔核」は魔物の心臓だと思え。「素体」は依代(よりしろ)だ」

「はあ……?」


 何語をしゃべっているのだろうか?


「魔物ってのは素体を依代に魔核を埋め込むことでこの世界に召喚された化け物なのさ」

「へぇ」

「だから魔物を倒すと元々の素材の魔核と素体に戻るんだ」

「なるほど……」


 もう、魔物を倒したら魔核と素体になる。だけ覚えればいいや。


「んで、この魔核がマジックアイテムの素材になるんで、街の魔核屋で売れるんだ」

「なるほど、やっと魔物とお金が繋がったな」


 魔物を倒したら魔核を回収し、街の魔核屋で売ればお金になる、と。…………?


「素体はどうなるんだ?」

「モノによるな」

「…………?」

「素体ってのはピンきりでな。そこら辺の石ころのこともあれば、信じられないようなお宝、例えばこの世界に一つしかないユニークアイテムとか、同じスライムでもどんな素体を依代にしてるかは、倒してみないと分からないんだ」

「なるほど」

「街には素体屋もあるから、石ころや枯木みたいなクズ素体じゃなければ街に持って帰って売ればいい」


 考えておこう。


「という訳で、実践だ。リン、あのスライム倒してみ?」


 お前はいつもいきなりだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ