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06.あれだけの事してタダで済むと思ったの?

楽しげな表情を浮かべてアーサーは数歩後ろに下がった。ため息を一つ吐くと、場の空気を変えるためフランチェスカは咳払いを一つする。


「最初にお伝えしておきます、クラウス様。貴方は今日、この場でわたくしとの婚約破棄を宣言しました。が、申し訳ありませんが、わたくしと貴方の婚約は一か月前に解消されています」


「何だと?」


「勿論、陛下に王妃殿下、わたくしの父上も了承済です。王妃殿下は、クラウス様の顔も見たくないと怒り心頭でしたよ。陛下はお優しかったですね、家名を今後一切名乗らせない、だけでしたから」


「うそ……だ……」


「それよりも父上の方が大変でした。父上は有能ですが、事子供のこととなると親馬鹿になります。クラウス様の現状を知ったときは、母上にまできつく当たるというミスをしました。後で父上は母上から半殺しにされた挙げ句、簀巻きにされて家から投げ捨てられていましたがね」


「ああ、どうりであのとき、包帯を巻いて仕事していたのか」


フランチェスカの言葉にアーサーが納得したと頷きながら呟く。深く語ると父の名誉に関わるので、失言を反省しつつフランチェスカは更に語った。


「話が脱線しましたね。クラウス様、貴方がレティ様と親密な態度をし始めたのは一年前です。そのとき、わたくしは何度か諌言をしました。覚えていますか?」


「……」


「その様子では覚えていませんね。ともかくわたくしは三か月ほど諌言をしました。ですが一向に状況が改善されないので、わたくし一人では対応が困難と判断し、父上やお兄様に相談しました。話し合いの結果、陛下にも伝えるべき、という父上の提案に従い、クラウス様がレティ様と親密な関係であることを陛下に御報告しました」


「父は関係ないだろう!!」


「ええ、単に火遊び程度なら、わたくしは何も申しませんでした。殿方にはそういった経験も必要ですし、わたくしも王妃になったとき、側室への対応ができると思いました。そうです、単に男女の付き合いだけなら、何も問題はなかったのです」


ですが、と呟くとフランチェスカは扇子を開いて口を隠す。


「貴方はレティ様を王妃にすると言い始めました。それが冗談なら聞き流しましたが、本気であることが調べにより判明しました。そうなると話が変わります。レティ様は伯爵家の令嬢……一言でいえば家格が弱すぎます。歴史を学べば、過去に家格の低い者が王妃になったことはありますが……どの時代も民の生活は悲惨の一言では済まされないほど荒れていました。当然でしょう、王妃の力が弱ければ王まで舐められ、貴族間の権力闘争が激化します。そのしわ寄せはどの時代も等しく民が受けていました。ですからレティ様を王妃にするという寝言を、わたくしは聞き逃せなかったのです」


「私はそんな愚か者たちとは違う」


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