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04.今から反撃しますが覚悟はよろしいですか?

理解が追いついていないクラウスたちを無視して、フランチェスカは目線でとある人物に合図を送る。途端、扉が荒々しく開けられ、外から体格の良い男たちが入ってきた。

突然入ってきた男たちを見て、フランチェスカを除く全員が驚きの表情をする。

扉から入ってきた者たちは王立騎士団だった。一人一人が騎士団の一部隊に相当する力を持ち、王族、特に国王へ鋼の忠誠心を持つ、それが王立騎士団だ。

他の騎士団と一線を画する存在の王立騎士団に驚いたが、すぐにフランチェスカを捕らえるために助太刀に来たのだとクラウスは思った。

フランチェスカの合図で彼らが大広間に入ってきたことも忘れて。


「よく来た! さぁ罪人はあそこだ!」


フランチェスカを指さしながらクラウスが叫ぶ。王立騎士団は返事をしなかった。感情が全て落ちた顔つきでクラウスたちを見ていた。


「どうした? 早くあの罪人を捕縛……いや、国家に害する者なぞ、この場で斬り捨ててしまえ!!」


最初は動揺、少しして困惑したクラウスは、再度王立騎士団にフランチェスカの捕縛を命じようとし、途中で苛立ちと興奮で調子に乗ったのか、フランチェスカの殺害を命じた。

しかし、クラウスの命令に王立騎士団は答えず、代わりにひときわ立派な装備を身に付けた男がクラウスに信じられない内容を告げた。


「国王陛下の御命令でクラウス様、レティ様、並びに御友人の方々を捕縛しに参りました」


言うやいなや王立騎士団はクラウスを始め、彼の側近候補、そしてレティを組み伏せる。

突然のことに彼らは抵抗らしい抵抗ができず組み伏せられ、魔力封じと枷をつけられる。


「きゃあ!」


「なっ! 罪人はあいつだぞ! なぜ王族の俺を捕らえるのか!!」


ようやく理解が追いついたレティが悲鳴を上げ、クラウスが顔だけ王立騎士団に向けて抗議する。側近候補たちは拘束から逃れようともがくが、全く意味はなかった。


「先ほど、王立騎士団の方が仰ったでしょう。国王陛下の御命令でクラウス様とレティ様、御友人様を捕縛しにきたと」


「だから何故! 捕縛されるべきは貴様のような薄汚い罪人であろうが!!」


「……本当に、御自身の行動を理解していないのですね。わたくしはどうして、このような愚か者を王太子にしようと頑張ったのでしょうか。わたくしの数年間を返してほしいですわ」


「困るなぁ。そこの馬鹿がいたからこそ、ボクは君と数年間とても楽しい日々を過ごせたのだよ?」


フランチェスカの態度にクラウスの怒りは高まったが、それらはとある男の声が耳に届くと同時に急激に冷えた。


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