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死について  作者: 無用先生
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現在の問題

余は45歳。時給千円の介護職員である。

あまりにも日常が忙しすぎる。

現在の問題に心身と時間を費やしている、あまりにもあわただしく。

これを書いているのは1月8日。今年もすでに一週間が過ぎた。

時給千円の介護職には実質的に年末年始もゴールデンウィークもない。

あわただしく。生活支援の日常が続くのが介護職である。

老人の介護に逐われる日常であるが。45歳となれば歴史的には余が老人である。

余の倍以上の老人が客ではあれど、一世紀を越える人さえあるも、それを以て余が絶対的には若くなるわけではない。

他人の命が何物であろうか。

引退して月20万もの居室に住む老人の命への責任は第一義には余を雇う会社にある。余の責任は使用人の責任である。

それよりも。余の命をだれが守る?

否。

人の身に生まれて命を失わぬ者などない。たとえば百年、百二十年、生きる人はある。他方。死産は別論としても生まれた日に死ぬ人もある。

だがいずれにせよ露の如きもの、雷光の如きものと知れ切っているではないか。

時給千円よりも、老人の命よりも。

余自身の不可避の死が問題である。




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