桃太郎が最初のミッション失敗してたら
子供が小さい時に寝る前のお話の1つでした!
昔、むかしあるお空のはてに、神様がいらっしゃいました。
神様は天の川のほとりでなやんでおられました。何故なら、「桃太郎」が鬼に負けてしまったからです。心優しい桃太郎は、戦いが劣勢だと察知した時、お供の、犬、さる、きじを逃がす為に、我が身が囮となり、鬼に殺されてしまいました。
…はてさて、桃太郎が敗れた為に鬼共が手に負えなくなってきてる。これは何とかせねば。
つれつれとお考えになられてた時に、天の川の流れにのり桃太郎の魂が、ふあふあと天に帰って来ました。
…ふむ、もう一度チャンスを与えようか。
神様はそろりとすくうと、川辺に生えてる仙桃の木から、1番大きな桃の実をお採りなると、桃太郎魂が持つ、生きてる間の記憶を消さずに、桃の中へと入れました。
…次は、生まれる先も考えなければな、優しいおじさんとおばあさん以外にしなくては。
神様は何やら呪文を唱えると桃を天の川へと流されました。
どんぶらこっこ、どんぶらこっこ、と天の川を下り、やがて地上の川へと流れて来ました。
中の桃太郎は、おのれにっくき鬼め!と復讐の炎をメラメラと心にたぎらせていました。
ある川辺で、おばあさんが洗濯をしていました。そしてそこにどんぶらこっこ、と流れて来た大きな桃、
「何奴!」
おばあさんは隠し持ってた小刀を構えましたが、桃の実から何やら「気」を察知し、里へと持って帰りました。
「頭領、川で何やら怪しげな物を見つけました」
若いくノ一が、里の頭領に川から持ち帰った桃を献上してます。あのおばあさんは、忍者のお姉さんが任務の為に変装していた姿でした。
「うむ、何やらそなたの言うとおり、怪しい気を感じる、フンッ!」
忍者の頭領は腰にさげてた日本刀を大上段で桃に降り下ろしました。
パッカーンッと割れると共に
「はっ!捉えたなり!」
見事な、真剣白羽取りを決めた桃太郎が産まれました。
「うむ!見事なり、お前が桃太郎か」
凛々しく頷く桃太郎、そんな彼に会わせたい者がいる、と頭領は言いました。
頭領に呼ばれて参上したのは、かつてのお供達。彼らは桃太郎の仇討ちをしようと考え、あの後、この忍びの里で、厳しい訓練の日々を送っていたのです。
「桃太郎、この者達と共にこの里で鍛え、鬼退治をするのだ」
「はい、頭領」
そうして、立派に育った桃太郎は無事に鬼退治をする事が出来ました。
おわり。