ウミガメ
亀更新
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name: ハルカ・ドウジョウ
race: 玄武(幼生体)
level: 2
skill: 鑑定Ⅴ 硬化Ⅴ 遠泳Ⅴ 飢餓耐性Ⅲ 睡眠耐性Ⅲ 異世界の思考Ⅹ
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1日目がスタートしたわけだが、まずは自分のできることを把握しよう。
スキルを使う世界なのだから、それから試してみよう。
目の前の岩に向かって鑑定、と念じてみる。
《岩。海の底で苔むしている。》
……確かにその通りだ。見たまんますぎて何とも言えないけれど。
次は硬化を使ってみよう。
硬化を使う、と念じると硬化が使われた感覚がある。頭の悪い言い方だが、そんな感覚があるとしかいえないのだ。試しに目の前の岩に右手?をぶつけてみると水中にカンッと高い音が響いた。ぶつけた岩が少し欠けていた。それに対して腕は全く痛くも痒くも無かったのでそうとう硬くなっていたようだ。
その後のスキルは見た通りだと思う。一応鑑定スキルで調べたが、結果はこの通りだった。
《遠泳スキル。泳ぐことへの補正。長時間泳いでも疲れにくい。レベル依存。》
《飢餓耐性スキル。長時間何も食べなくても耐えることができる。レベル依存。》
《睡眠耐性スキル。長時間眠ることなく活動することができる。レベル依存。》
異世界の思考は少し特殊だった。
《異世界の思考スキル。異世界から流れてきた魂が器に入り込むことで獲得。異世界で獲得した知識を十全に扱うことができる。《成長》することに補正。》
異世界から流れてきた魂ってのが俺なのだろう。地球で死んだ後たまたま亀に乗り移ったって感じだろうか。その亀が玄武だったのはすごい偶然だが、とても良いアドバンテージを得たと考えた方がいいだろう。これから成長していけばあの四神の1体になれる可能性が高いだろうし、成長に補正があると鑑定結果に出ているしな。これからが楽しみだ。がんばろう。
レベルはやはり魔物とかを倒せば上がるのだろうか。魔物がいるのかは分からないが俺のような存在がいるのだ。きっといると思いたい。
何の気はなしに目の前を通ったアジのような魚を鑑定する。
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メーケレル。アジの魔物の1種。側部にトゲがある。フライにすると美味しい。
level: 2
skill:
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魔物いた。しかもアジだった。
フライにする方法がないからそこは見ないふりをするとして、レベルが同じだから挑戦してみよう。スキルもないようだし。
しかし逃げられたら追いつける自身がない。だから一撃で終わるように戦わなくては。まずは硬化を発動する。全身を硬くしたところで、岩の陰から出る。出た瞬間、アジに気づかれたようだ。逃げられる、と思ったが、攻撃しようとこっちに向かってきた。魔物は好戦的なのかこのアジの魔物だけなのかは分からないが好都合だ。
アジは頭をこちらに突き出してまっすぐ突進してきた。それを見ながら水を一掻きしてアジの斜め上に出る。首を伸ばし、アジの目の辺りめがけて硬化させた口で思い切り、噛む!
アジが暴れるが顎に力を入れ続ける。そしてブチンッと音がなり、頭の部分を噛み切った。同時にアジは息絶えたようで、水中に力なく浮かんでいる。口の中に残ったアジを飲み込み、胴体部分のアジを咥えて岩場に戻る。先程アジを殺すと同時に力が湧く感覚があったこともあり、難なく岩の隙間に着いた。体を潜り込ませ、アジを引っ張りこんで一息落ち着く。
(亀の体になってからの初めての食事だ。さっき少し飲み込んだがまあまあ美味しかったから、肉の部分はもっと美味しいはずだ。食べながらステータスを見てみよう)
ステータスを再び開く。
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name: ハルカ・ドウジョウ
race: 玄武(幼生体)
level: 3
skill: 鑑定Ⅴ 咬撃Ⅰ 硬化Ⅴ 遠泳Ⅴ 飢餓耐性Ⅲ 睡眠耐性Ⅲ 異世界の思考Ⅹ
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やはりレベルが1つあがり、スキルも増えている。
新しく増えたスキルを確認する。鑑定。
《咬撃スキル。口で噛む攻撃への補正。レベル依存。》
たった一回の戦闘でレベルもスキルも増えるとは。これも成長補正の効果かな?どんどん成長してほしい。
魔物を倒すとレベルが上がることが証明されたのでどんどん見つけて倒していきたい。もちろん死なないように、だけども。
いやぁそれにしても、アジ美味いなっ
1週間経った。海の底を歩いていたエビの魔物を上から咬撃で真っ二つにしたり、イワシの魔物の群れを見つけて突っ込んでいったりと最近は付近の魔物を倒しながら美味しく頂いている。3日目はエビを見つけた日で、エビのプリッとした肉感がハマるほど美味しくて1日泳ぎ回っては倒してご飯にしていた。
1週間魔物と戦った結果、ステータスはこうなった。
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name: ハルカ・ドウジョウ
race: 玄武(幼生体)
level: 8
skill: 鑑定Ⅴ 咬撃Ⅴ 硬化Ⅵ 魔力操作Ⅳ 遠泳Ⅵ 速泳Ⅲ 飢餓耐性Ⅲ 睡眠耐性Ⅲ 異世界の思考Ⅹ
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まずは新しく増えたスキルはこちら。
《魔力操作スキル。魔力の扱いが上手くなる。レベル依存。》
《速泳スキル。速いスピードで泳ぐことができるレベル依存。》
なんと、この異世界には魔力があったのだ!
ある日スキルがあるなら魔法もあるのでは?と思った俺は体の中に違和感がないか探していた。そしてすぐに体内の魔力を見つけたのだ。その魔力を身体中に巡らせると動きれのキレが良くなったので、活動中はずっと魔力を巡らせっぱなしにしているとこの魔力操作スキルがいつしか出ていた。いつか魔法も使って見たい。どうやったら取得できるのだろうか。
そして速泳スキル。イワシの群れに突っ込んだ時に、目まぐるしく動き回るイワシに追いつこうと全神経を集中させて1匹ずつ倒していると速度が出るようになったのだ。そして闘いが終わってステータスを見るとこのスキルが増えていた。
レベルが上がるにつれてどんどん動きが良くなっている感覚がある。今やイワシに並んで泳ぐことすら可能で、楽に魔物を倒せるようになってきている。
体も成長して大きくなってきた。今は50センチ程の大きさになったので、上手く入り込める岩場を探しに奔走している。島をぐるっと回るとちょうど前の住処と反対側にいい感じの隙間があり、そこに住み着くことに決めた。
(そういえばここは島なんだよな、一度陸地に上がってみようかな。ウミガメは砂浜にタマゴを産みつけているのを以前テレビで観たことがあるし、陸地でも大丈夫だろう。ヤバそうなら上がらずに引き返そう。)
今日はもう遅いし寝ることにする。おやすみなさい。
ウサギ更新目指して