外しと3回目の進化
朝からのバイトにより短いです……
転移でマイホームに戻ってきた。慌てて《再現魔法》を解く。頭の中が進化のことでいっぱいすぎて人型のまま海の中に現れてしまい、ジャージが肌に張り付く不快感を一瞬味わってしまった……
念願の進化なので万全の状態で臨みたい。
先に勇者は今何してるか見ておこう。
『天眼』
お、おお?迷宮のここは8層か。勇者達は全員魔物を殺せるようになったようだ。5人で協力してゴブリンを倒している。
1番レベルが高いのが陽キャ君の9レベルで、1番低いのが聖女の7レベル。満遍なくみんなでレベル上げを楽しんでいるようだ。
勇者達は基本スペックが高いからこの辺は何も邪魔することはないだろう。
9層も難なく突破し、10層のボスとの戦いだ。いつも通りならミノタウロスが出てくるはずだが果たして-----
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ミノタウロス。強靭な筋肉に包まれた牛の魔物。圧倒的な膂力で振り下ろされる斧は一撃で人間程度を粉砕する。肉は美味。
level: 20
skill: 筋力向上Ⅴ 斧術Ⅱ
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ミノタウロスかーーーーい。普通かよ。ここは誰も敵わないケルベロスとかが出てきて陰キャラを犠牲に撤退するところだろう!陰キャラが土壇場で覚醒する大事な場面のはずだろう!
あのミノタウロスならどうせ10分もしないうちに勇者達は倒すだろうから、それを見届けたら進化しよう。
はあ。イベント起こると思ったのに拍子抜けだな。
ミノタウロスの前で陽キャ君と筋肉が挑発し、斧の攻撃を避けている間に陰キャラが弓で片目を潰す。激痛で吠えているミノタウロスに魔女っ子が完成させた魔法を放つ。ファイアーボールが3つ飛んでいき、着弾と同時に大爆発が起こった。
そのあまりの威力にミノタウロスの左腕が吹き飛び、斧も爆風で遠くへ転がっていってしまい、攻撃手段が右手一本しかない相手では、訓練相手にもならないと悟った勇者達は聖剣を振りかぶり、力をためた拳を放ち、ミノタウロスにとどめを刺した。
勇者が1箇所に集まり、聖女が勇者達にできたかすり傷を治して反省会を始めた。
聞く気は一切ないので『天眼』も切り上げる。
ひと段落ついたので本題に入る。
現在のステータスがこれ。
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name: ハルカ・ドウジョウ
race: 玄武【時空種】
level: 70
skill:
『天眼』
『装甲』
『魔の理』
『水の支配者』『時空の管理者』『雷の管理者』
『異世界の思考』
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さっきは光るlevelの文字に気を取られて気づいていなかったが、『雷の管理者』というスキルを得ていた。
これ原因って完全にさっきの戦いだよな…
《雷魔法》の支配権奪った時に、自然と構造とかメカニズムが理解っちゃったからスキルの獲得になったのだと思う。
でも前に倒していたゴブリンメイジのレベルⅡの《火魔法》は獲得できなかったから、属性に適性の問題があるのか、ある程度のスキルレベルがないとダメなのか。
検証はまた今度やろう。今は進化だ。
また進化には半日かかるそうだから今から始めると次に目覚めるのは早くとも真夜中だな。
進化したい、と強く意識する。目の前に広がっていたステータスの上に新しい文字列が並ぶ。
《玄武【時空種】の第3進化先
⇒玄武【古代種】
⇒玄武【起源種】
⇒玄武【雷鳴種】
⇒玄武【人類種】
⇒玄武【水ノ惑星級及時空ノ彗星級支配種】
進化しますか?Y/N》
1個名前長すぎだろっ怖いわっ
とりあえず最初から見ていこう……
《玄武【古代種】。ポテンシャルを最大限に引き出した玄武の最終進化先。全長が100mを超え、高さは80mを超える。かつてこの世界でたった1体で大地を創造した、四神の中で最古の存在であるその力は並ぶものがない。》
これは前回の進化する時も並んでたやつだ。どれだけ選ばせたいのだろう。
《玄武【起源種】。【古代種】に適性のある玄武が条件を満たすと進化先に出現。宇宙創生と共に産まれた全ての生命の祖。長い年月でバラバラに砕けた体は幾多もの星の素となり、この星もその一つ。その軀は不死の化身。進化に終わりはない。》
すごい盛大なことを言ってる気がする。大地だけではなく星ごと過去の玄武が創っていたのね。
最後の「進化に終わりはない」という単語に惹かれるものがあるね。次。
【玄武【雷鳴種】。雷について適性を持つ玄武の進化先。常に膨大な電力を発生させ、高圧電流の防御パルスが常時展開されている。動く速度は雷のよう。》
物理攻撃無効も転移も持ってますからー!残念!
バチバチッ系はロマンがあるけど能力が低そうだね。仕方ない、次に行こう。
《玄武【人類種】。人型生物になれる、または人に憧れの強い玄武の最終進化先。能力はそのままに、自分の望む人型生物になる。玄武には戻れない。》
最終進化だし、玄武に戻れないとなると選択肢からは外れるなこりゃ。
最後は文字数の暴力種だ。
《玄武【水ノ惑星級及時空ノ彗星級支配種】。『水の支配者』の熟練度、『時空の管理者』の熟練度が一定のラインを超えた玄武の最終進化先。水に関して、惑星級までの生命体に対して絶対的権限を持ち、時空に関しては彗星級までの生命体への絶対的権限を持つ。》
名前長い=強いみたいに思ってたけど、知らない単語出てきたし、最終進化先かあ……
惑星級とはなんぞやと思って、ステータスに書いてある、玄武【時空種】を見つめて今何級?と意識しながら《鑑定》する。
《玄武【時空種】。惑星級。》
惑星級の意味が解決してない。鑑定の仕方が悪かったか、惑星級を《鑑定》
《惑星級。その個体の存在値の大きさを示す指標。単一で星を破壊できる個体に対して衛星級という称号が付与される。力の大きさは下から、衛星級、彗星級、惑星級、恒星級、銀河級と大きくなっていく。》
よく分からないが俺もやろうと思えば星を容易く破壊できるだろうからこの評価は妥当?なのかな。
なんで破壊できると分かるのかって?『水の支配者』は魔力消費無いから、星を水で覆ってキュッと圧縮すれば終わりなのよ。やらないけどね。
えー、最終進化先と書いてあるやつは心情的に選べないからなぁ。文字数多いアレも強そうなんだけど惜しいなぁ。
雷鳴種も人類種もパッとしないからここは古代種の上位互換ぽい起源種にしようかな。
「進化に終わりはない。」って言葉もいいし決めた!
【起源種】を選んでYを押す!
♢♦︎♢♦︎♢♦︎
おっはようござっすー。
とは言っても時刻は真夜中、月の光が海に差し込んでおります。
パッと分かる変化はないすね。ステータスを見てみませう。
口調が変わってる?これは気分だ。
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name: ハルカ・ドウジョウ
race: 玄武【起源種】
level: 1
skill:
『天眼』
『装甲』
『魔の理』
『水と時空の支配者』『雷の管理者』
『成長限界突破』
『永遠の命』
『異世界の思考』
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さあ変わったのは3点!順に見ていこう!!!




