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私の実話怪談集  作者: 王李友衛
3/5

ささやきあう女子たち

 これは母方の伯父の知人が昔語っていたという話を、(おそらく)伯父→私の父→私と経由して聞き及んだ話。伯父の知人を仮にYとする。Yはあたりが暗くなった会社帰りに、運動公園の中を歩いていた。その運動公園は円周にランニングコースがあって、その上を歩いて自宅を目指していた。と、背後からひそひそ声が聞こえた。友人同士と思しき女子ふたりのクスクス笑いだった。かすかに聞きとれた声は「どうする?」「ふふふ」というもの。それが背後をずっとついてくるのだという。こんな夜に……と、気になりながらも早く自宅に帰りたかったYは、後ろを振り向かずに家路を急ぐ。と、また声が聞こえる。「どうしよっか?」「ふふふ」「どうする? 言っちゃう?」「ふふふ」気になることこの上ない。Yは背後に神経を張り巡らせて足を進める。「言っちゃおうか?」「ふふ」次の瞬間。「あの」と背後から声をかけられた。Yはハッとして立ち止まり振り向いた。すぐ前方の横断歩道の上を大型トラックが凄いスピードで駆け抜けて行った。

 窮地(きゅうち)を救ってくれた女子たちの姿は、どこにもなかった。


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