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0   異界の知識と変革への決意

 その日、その夜、その少年が、庭の片隅で頭を抱え、苦しげにうずくまっているのは、寝つきが悪かっただけの話。


 もし、惰眠を貪っていたとしても、苦しむ場所がベッドの上に変わっただけだろう。


 それが避け難い運命の始まりであるのが明らかになるのは後日の話。今、少年にとっては、頭が内から破裂するかのごとき痛みで、地べたをのたうち回っているのが全てだ。


 当人にとっては永遠に等しかっただろうが、実際にはわずかな時間でしかなかった。


 その短い間に、痛みに耐え、正気を保ち、少年は異界の知識を得た。


「……ああ、ああ、この世界、何て不完全……欠けている一つ、この手で作るしか……世界を完成……必ず……」


 その日、その夜、その少年は、ただ己に誓った。


 その身に近づく異形の存在に気づかぬまま。


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