表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人工王子  作者: 神田 明理
mission2 部活に入ろう。
8/19

version2 初寄り道と苦悩。

 午後、部活見学をしただけの俺たちは、帰宅するにはもったいないと言い出した誠の提案でファーストフード店で昼食をとってから帰る事にした。


「心なしか嬉しそうに見えるんだけど?」


 俺はもうすっかり誠を信用していて誠の前では少し表情を出す事にしていた。


「そうだな。実は友達と学校帰りに寄り道するなんて初めてなんだ。」


「マジ?」


「ああ。」


ハンバーガーのセットを頼んで窓側の二人席を確保した。


「今時寄り道した事無い高校生って・・・」


「悪かったな。」


フランスでもイギリスでも食べたければ放課後にデリバリーを呼んだんだよ。自ら店に出向くような友人達はいなかったんだ。(俺は出向いたよ。そりゃ。)


「・・・友達いなかったとか?」


「いたよ。失礼な。」


なんだか誤解を受けたぞ・・・


「悪い、悪い。へー、でも初寄り道の相手が俺とかウケるわ。」


「なんでだ。」


誠とは話も弾みしばらく話した後、俺は気になっていた事を訪ねた。


「誠、今日はテニス部、バスケ部の見学に付き合わせてしまう形になったが、誠がやりたいことは無いのか?」


「うーん。俺は何でもいいんだよね、正直。で、転入生のお前と同じ部に入れば一人途中入部で気まずい事も無いかな?とお前を利用してみようと思ったわけ。」


「なるほど。確かに。」


「で?テニスとバスケで絞ってあるみたいだけどどうするの?向こうでは何をやってたの?」


「テニスをやってたんだが、行くとこまで行ったからな・・・もうテニスに執着はないんだが・・・」


「なんだよ・・・行くとこまで行ったって・・・」


「もともとただの趣味だったのに一線を超えてしまってね、プロとかには成るつもり無いからテニスから身を引こうかとは思ってるんだ・・・」


これは事実だ。あの大会で優勝してからうっかりプロに成らされるところだったのでちょっと遠ざかりたいのだ。


「・・・お前怖いな・・・」


「そう?」


「じゃあバスケか?」


「・・あ・・・ああ・・・そうだな、『あたり』にも興味が有るしな・・・家で相談する。」


あのバスケ部について意見をもらわない事には少し不安だ。


「親に?偉いな、」


「・・・まあ保護者に相談しないとな。」


・・ここで『姉に』とは言えなかった。


その後も少し話をして電車に乗り、途中で分かれた。


登校初日は有意義な一日だった。誠と言う友人が出来た事は最も大きな収穫だ。


姉と二人で住むには少々広く、部屋数の多い新居に帰り、少し教科書を見てみた。・・・目が・・・チカチカする。


漢字がいっぱいじゃないかっ!!!!


・・・これはまずいな・・・数学は大丈夫だ。というか、もう習った所がほとんどで、なんとかなる。それ以外は・・・


確かに俺は姉に仕込まれたおかげで一通りの事が出来る。が・・・高校二年生の日本語力には着いて行けないぞ・・・


『忖度』『白濁』『愚鈍』・・・なんだ・・・これは・・・


・・・見なかった事にしよう!・・・いや、無理だ、さすがにまずい。


一人で自問自答していると知らない間に思いのほか時間が経っていて玄関が開く音がした。


「ただいまー!」


・・・救い主(姉)が現れた!









こんにちは!神田です。


天君、ちょっと不安になってますね。


ご安心ください。次回でひなちゃんがあっさり解決する・・・予定です。


今後とも叱咤激励よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ