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人工王子  作者: 神田 明理
過去〜現在へ
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昔話 其の三

フランスでの新生活は混乱を極めた。


姉は高校からの推薦を武器に帰国子女枠のある有名大学にその優れた知性と様々な能力で射止められていた。


俺もイギリスからの推薦を受けフランスの名門校に入学した。が、その学校は授業はオールフランス語。いくら英語が出来ると言っても授業についていくので精一杯だった。


最初の一年は俺も姉も勉強に勉強を重ねた。そのおかげあってか半年後には日常生活に支障はなくなり余裕がでた。


そこで部活に入った。何でもよかったが姉にサッカー、バスケ、テニス、のどれかにしろと言われて結局テニス部に入部した。



するとだんだんフランスにも友達が出来始めそれからは毎日が楽しかった。


一応言っておくが、どんなに忙しくても姉は俺の王子様プロデュースに手を抜いたことはない。


服から消しゴムに至るまで俺の私物はすべて姉の管理下にあった。


反抗?俺は別にファッションやら何やらに全く興味は無かったのでそんなことは感じなかった。むしろ自分で選ばなくて済むので楽だった。


まあ、だいたい姉の指示で私服はあまり見せず多くは制服でいるように指示されていたのだが…


楽しく毎日を過ごす一方俺は驚愕の事実を発見していた。


だんだん日本語を忘れ始めていることに気づいたのだ。


フランス語を早く覚えようと家でも姉とフランス語ではなしていたのだ。

イギリスにいたころは週に2日家に帰ってくると日本語で会話していたためそんなことは無かった。(全寮制だったのだ)


俺は危険を感じ1日十分でも日本語を話そうとイギリスを離れスペインに行き同じように危機を感じていた恭華と話すようになった。


さらに中学の三年で数学教師で担任でもあったクリフォード・エザリントン先生が高一の終わり頃姉と付き合い始めるという事件が発生した。


Mr.エザリントンは、無口で教え方はうまいがあまり積極的に生徒に関わってくるタイプの教師ではなかったため姉と合うのかと不思議だったが は姉が俺をプロデュースしていることから姉の内面まで知っていてしかも姉の交際相手として話してみると意外と爽やかだった。


意外だったが なら姉を幸せにできるのでは?と思った。


そもそも俺の卒業後に知り合って(姉の通っている大学院でたまに恩師を手伝ったり、研究して論文を出したりしていた。姉はその恩師にとてもかわいがられていたらしい。)研究のことで と見解があい話すようになったらしいのだ。


毎日をそれなりに楽しく過ごしていた俺たちに転機が訪れたのは15歳のハロウィーンを迎えた頃だった。



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