74話 第一王子 アルドリック 調査報告書
俺はオーラシアン王国の第一王子 アルドリック・ドゥ・オーラシアン
最強無敵天下無双向かうところ敵無し圧倒的王者である。
もうそろそろお父様に隠居していただいて俺が王位を頂きたいところだ。そんな俺様だが、悩んでいる。側近が俺様の求めるレベルにないことだ。すぐやめてしまう堪え性の無いやつが多い。なぜ言ったことがすぐ出来無い?愚図どもの指示役は中々に難しい。
帝王学を弟と学び、できの違いを見せつけているが、あの女の子供は頂けない。勉強はどうにか出来るみたいだが、弱い。王子足るもの他人に弱みを見せてどうするんだと、嫌悪すらする。やはり私たちのような高貴な血が足らないとあんな子供になるんだと常々想っているんだ。
まぁそんなやつでも父上から言われためんどくさいお役目を押し付けたりストレスの捌け口に出来るなり使い道は多々あるがなぁ
完璧な俺様の完璧な国作りの礎になれてやつも本望だろうよ。
ある日、隣国の王と会うことになったお父様が、俺様に言ってきた
「そなたに預けていたあの美しい馬の御披露目が決まったのだ。隣国のグルズ王にあの珍しき色の馬を見せてやろうと思ってな。馬は息災であるか?」
「もちろんでございます。」
やべーあの出来損ないに押し付けたままほったらかしにしていた。俺様自ら世話をして慣れさせておかないとお父様に変に勘繰られたら困るからな。明日から俺様が面倒見てやろう。あの珍しい馬も俺様に懐くだろう。ハハハ
お父様との謁見を終えてから、側使えに
「あの出来損ないの愚弟に、明日から馬の世話は不要と伝えろ」
側使えは頭を下げ「御意のとおりに」っと言いすぐに出ていった。
明日からこの俺様が世話をしてやろうぞ。
ガッシャン!!!!
大きな音が王宮の上から響き渡った。その音に警備の騎士や文官はたまた王の側近、宰相までもがその場に集まった。
そう皆の居る前で大声で
「まて!!待てと言うに!!!」
王が大事にしている馬を空に逃がしてしまう失態を犯してしまった第一王子は、王の怒りを買い1ヵ月の謹慎処分になった。
「なぜだ!!なぜ俺様が世話をしようとした、その日に逃亡するとは何て奴だ!!これはあの出来損ないの陰謀かもしれない!なんてことだ!!」
【護衛騎士達】
部屋の外で第一王子の護衛をする騎士たちは、中の王子の叫び声を聞きながら、皆一様にため息をついている。『こいつが王になったら国が亡びる』と心の中で思いながら。
【メイドたち】
「謹慎でございますか?そうですか…お食事を運ぶのは?側近の方が?まぁ本当ですの♡嬉しいですわ。お気遣いありがとうございます。気に入らないときはお食事をひっくり返すものですから、やけどをするものが多く、第一王子殿下のお世話をする方を見つけるのが大変なんです。本当に側近の方には頭が上がりませんわ」
本当に尊敬しますと王子の世話をしたことがあるメイドたちには尊敬のまなざしを向けられた。
【王宮庭師達】
「謹慎!?ほんとか!!良かった!!これでしばらくは庭を荒らされないし、変な要求をされなくなる。」
「親方たちが代々守ってきた王家のバラを要らん指示をして絶滅寸前まで持って行ったあの王子だけは許さないっす!!」
【文官たち】
文官A「あの方だけには関わりたくありません。」
文官B「あの方が次代になるなら私城務やめます。」
文官C「良いですね~めっちゃ遠い辺境行きましょう!」
文官D「本当にあの方の案件だけは二度と持ち込まないでください」
バタン!!……扉を閉じられてしまった…。
【令嬢たち】
(伯爵令嬢)
「第一王子殿下ですか…私には高貴な血筋の方のお相手はもったいないですわ」
(公爵令嬢)
「第一王子殿下謹慎ですの?まぁ~あらあら~ウフフ。ざまぁですわ~ウフフ」
(某召喚聖〇さま)
「はぁ、あの方、一度王妃様のお腹の中からやり直した方が、国の為でしょう。殺っときます?手伝いますわよ」
【唯一側近 侯爵家三男 ブルーノ・サウスト】
あの人どんだけ嫌われてんだろうな…
そのせいで俺もメッチャ嫌われてるけど。
まぁそろそろ俺も辞めるけど
あ~でも俺が辞めるとメイドちゃんが可哀そうだしな…もう少しだけ殿下の側に居ても良いかな…あの人の周りって碌な奴居ないからな…ハァこんな性格だから………逃げ遅れたんだよな…ホント最悪だ…
絶対俺泥船の乗船者だぜ……まぁ平民になるもよしか…俺腕にまったく自信ねーんだよな。もし平民にでもなったら料理でも作りてーなぁ~
あぁ、宰相閣下の所に殿下に対する城の使用人たちの評判を聞いた調査書類出していこう。俺の再就職先宰相紹介してくんないかな~




