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安全第一異世界生活  作者: 笑田
転移と出会いとコルドナ街
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7 トラブルは 頼まれなくても やって来る

この世界の街には、大小あれど市場が出る広場があるらしい。

日本の朝市や手作り市、フリーマーケット的な感じ。

人が多いので子供には見にくいのが難点だけど、孫たちと一緒に歩くと、わくわくを見つけるたびに煌めく瞳を見るのが好きだった。

最近の市場散策は、キラキラ石すくいにみはるちゃん(3歳)がはまっていたので毎回すくって帰ったら、夢子(次女みはるちゃんのママ)に置き場に困ると石すくい禁止令を出され勃発した親子喧嘩は凄かった。フフフ。

あぁ▪︎▪︎▪︎いかんいかん気が緩んでしまった。


こういう人がいっぱい集まる時はスリとかに気を付けないと、主人公はトラブルに巻き込まれて大変なんだよ、とはミカちゃんの教え。主人公ではないが、子供一人だ。気を付けよう。


人混みに入るにあたって、実はウハハには形状変化で私のポーチになってもらっている。

さっきの事もあるので、人混みでの従魔対策と、子供が荷物を一杯持っていると狙われやすいから。

中に物を入れているように見せかけつつアイテムボックスに入れ、アイテムボックスからお金を出すようにしたら、お金も荷物も守られる。スリ対策はバッチリ。


さて、今は宿にいるから食事系は要らないから見るだけ。

キャベツ(ポイもの) 1玉▪︎▪︎▪︎銅貨2枚

ニンジン(ポイもの)2本で▪︎▪︎▪︎銅貨1枚

玉ねぎ(ポイもの)3玉で▪︎▪︎▪︎銅貨1枚

銅貨1枚がやっぱり100円くらいの価値だね。

お野菜の値段は日本と変わらない。判りやすくてありがたい。次は食材の種類、キノコ、果物、肉にパン。宿で食パンもあったけど、ココではフランスパン的なハードパンが多い。

大きなフランスパン(ポイもの)▪︎▪︎▪︎銅貨3枚

丸いフランスパン(ポイもの)▪︎▪︎▪︎銅貨1枚

あ、食パンあった。

食パン▪︎▪︎▪︎銅貨6枚

え!!!高い。量的に一斤の半部位だよね。

白いミルクロール▪︎▪︎▪︎銅貨3枚

え!!こっちも高い。お宿では良いもの出してたんだ。ビックリ!!

高級パンを提供いただき、マアサさんありがとうございます!!

太っ腹なマアサさんに感謝しつつ、市場巡りを再開。

しぼりたて果実のジュース、ジャム、ハチミツ、瓶に陶器、加工革の手作りグッズ。お洋服も置いてる。うわぁテンション上がる。おのぼりさんのごとくキョロキョロしながら露天を覗いていると

奥から香ばしい匂い!!毎朝の私のルーティン!!この世界にも存在する嬉しさ!!

「珈琲の匂い!!」

そう言って匂いに向かって駆け出してしまった。「気を付ける」なにそれ美味しいの?ってぐらい警戒心なしでダッシュだ。


そういう時にやって来るよね。トラブルって。

私が走って行ったその姿を見て、なにかが動いた。


私は市場の端に店を構えてる髭小父店主さんに珈琲をブラックで注文。

「君みたいな小さい子がコーヒー好きなんて嬉しいな。」ホクホク顔の髭小父。

酸味少なめで苦味を残した味をお願いしたら、その場で持ち帰り用の豆をブレンドしてくれた。嬉しい!髭小父最高。

髭小父と雑談しつつ、至福の一杯に幸せを貰いました。

髭小父には、2日置きに出店してるので入り用の際は来てねとウィンクされてしまった。自分より若い小父さんにウィンクされるだなんて婆はテレちまう。

お礼を言って市場巡りに戻ろうとしたら、ドンと子供にぶつかられた。子供と言っても私より大きい子なので、私はあえなく尻餅を着いてしまった。イタタタタ。

髭小父が急いで私を起こしてくれたが、

私にぶつかってきた男の子は、バックに噛みつかれ悲鳴を上げながら泣いていた。

ウハハ容赦ない。


「店主さん、今の出来事、何かあったら証言お願いできますか?」

ウハハバックに噛みつかれた子供に目を向けたまま、店主さんに確認する。

「もちろん証言しよう」

店主さんに承諾を得てからようやく告げた。

「ウハハ、戻っておいで」

ウハハはバック姿のまま私のもとまで戻ってきた。

噛まれていた子供は涙を流しながら、唖然とこちらを見ている。

「この子は私の従魔。私が育てている大切な従魔を誘拐するなんて!酷いわ!!」

私はバックを抱き締めて目に涙をためながらコソット、ウハハに『バックの口から小さいお顔を出して』っと伝えると

バックの口からミニミニスライムサイズのスライムが頭半分出してきて「ウハハ、ウハハ!!」と男の子に抗議をしている。男の子は困惑しながらでも、どうにか言葉を探して反論してきた。

「うるさい!!従魔が人にケガさせたら飼い主の責任だ!!衛兵に言いつけてやる!」

「どうぞ」

私はにっこり笑ってそう告げる。

「そのときは、一部始終を目撃した店主さんも同行してくれるそうです。では行きましょうか」

男の子は困惑しているが、次第に自分の言葉が悪手だったのを悟って顔色が悪くなっていった。

私は店主さんに目線を向け、頷いた。

「店主さんお店の裏お借りしても?もちろん、もう2杯コーヒーいただきますので」

と、一礼すると

「1杯はお砂糖たっぷり入れた方が良いですね」

と粋な店主さんが子供向けを提案。

「良ければそのコーヒーに、たっぷりミルクの追加もお願いします」とウィンクしてみた。

髭小父店主さんは肩を震わせ、笑い始めた。

そして男の子の頭を撫でて「お嬢ちゃんの方が何枚も上手だ。感謝しておけ」と笑って言った。


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