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安全第一異世界生活  作者: 笑田
旅と出会いと冒険と

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59話 【白狼の嫁 視点】ササとカナメ 出会い

サクサクと雪を踏む音が静かな空気に響く

イクスの街に近づくと

街の入口には朝早くから門を出入りする街の人たちが居た。


「ねー何かこの時期にしては出入りの人多くない?」


「そうだな~そろそろウサギの下山レースの時期だろうに?」


「だよね~良い感じに雪も積もってるし。雪亀も動いてる時期だよね」


門から手続きをして中に入ると、入ったところに広場に亀がいっぱい居た。

頭に包帯を巻いた亀・甲羅が割れたのを補強してもらってる亀・甲羅だけが積み重なってる場所もある…?

毎年亀は気づいたら居なくなってるか、死んでるかの2択

死んだ亀の甲羅を加工して武器や武具を作る加工業がこの街の特産の一つとなっている。


すぐに門を警備していた兵士の人達に声をかけ理由を聞いた


「いえ、ウサギレースは亀への虐待だと声を上げた子供が居ましてね、住人達も怪我だらけの亀に同情したのか、みんなで手当をしたんですよ。」


「……へぇ~」


「子供に言われるまで、ウサギとカメはセットで考えていましたが、レース後に亡くなるカメも多かった事を考えるとね、そうかなって思いましたね」


「ウサギの討伐は?」


「完了しました。山の方にも冒険者が行って間引くのと同時に躾けてくれたみたいで、しばらくは大丈夫だろうと言っていました。」


「へーー躾けねぇ~今年は凄く早いんだね。そうかなかなか~ふふふ 情報ありがとう。」


そう言ってプラチナブロンドの奇麗なエルフはご機嫌に去っていった。見ていた同僚が自分たちの元にわらわらと集まってくる


「なー偉いべっぴんさんやったが、ツルペタだったな~」

「お前隊長にいっぺん絞められてくれば」

「はぁ?何言いだすんだよ!」

「あの人!あれだよ!白狼の嫁さんだよ!!」

「山の反対側の崖上に住んでるあの白狼?やばいじゃん。ウサギよりやばすぎじゃん!」

「あれ?白狼の嫁さんて確か…」



街の空気はとても平和で、緊張感は無い。毎年のこの時期とは大違いだ。

違和感は、あの亀達くらいだろうか?

連れはギルドに用事が出来て別行動。

その間、イクスの街に来るのも久しぶりで、買い出しでもしようかな~っと、のんびり歩いていると

山のように薬草を抱えた人がパタパタと音を立ててこっちにやってくる。

前見えてる?そう思ってじっと見ているとドンっと私にあたった。やっぱ前見えてなかったんだね~


「あ!ごめんなさい!」


葉を大量に持ったかわいい声の少女がアワアワし始める。少女の手から葉っぱの束をごっそり取り上げ私はニッコリ笑う。顔が見えた少女は水色のふわふわ帽子に黒い髪の不思議な肌色の女の子だった。女の子は私の顔を見ると

「わぁ~きれい」っと呟いて、頬を赤く染めた。幼子のこういう反応はかわいいなぁ~


「いっぱい持ちすぎて前が見えなくてすみません」


少女はぺこりと頭を下げて薬草を抱えなおした


「凄い量の薬草だね」


「カメさんの御飯です」


「広場のカメ?」


「怪我してる子が多くて……可哀そうに…あのゴリウサ共め」


少女は眉間に皺をよせ怒っているようだ「ゴリウサ」ってなんだ?

門兵達が話していた「虐待」って言っていた子供って子の子かな?


「ねーお嬢さん、私も亀の御飯の手伝いやりたいなぁ。お手伝いして良いかな?」


少女は先ほどと同様に頬を染め嬉しそうに「はい」と声を上げ亀の元に私を誘導しながらお話した。


「トーさんがカメは雑食だからなんでも食べるって言うんです。でも怪我してるから体に良いものをって考えて、薬草のイラリネイラなら苦みも少なく、北部でも生えてるって聞いて取って来たんですよ。」


「ほー。その父君はドコに?」


「薬屋に亀の傷薬を取りに行ってます」


「一人でイラリネイラの採取していたの?」


「私これでも冒険者なので、薬草採取は得意なんです」


少女は、胸を張るように私に言ってくる。冒険者って職業に自信があるんだね~かわいいなぁ~


「そう。親子そろって亀に優しいねフフフ」


私が笑うと少女の目がキラキラして私を見る。視線が私………の周りをみてる?


「お姉さん笑うと周りがキラキラしてる。すっごく綺麗ね♡」


「‥‥ありがとう」


私は笑ってことばを飲み込む。この子すごいな。


私の回りには常に何体かの精霊が居て私が本当に笑うとなぜか羽を動かし煌めきを出す。

精霊が見える子は比較的居るが、精霊のきらめきが見えるなんて…

エルフでもごくわずかなのに…人族では見たことないんだけど…

精霊の見えるあの子も煌めきは見えなかったし。


私たちは亀の前に着くと、少女は膝を付き亀の頭をよしよしとなで、顔の前に洗った薬草を置き、食べてる間に傷のチェック。この子手際が良い。4歳くらい?でも受け答えはしっかりしてるしもう少し上かな?


「ウハハ、この子痛いところは無いか聞いて」


少女がそう言うと少女のふわふわ帽子がポンと飛び上がりスライムになってしゃべり始める。まったく存在に気づかなかった事に私は内心焦った。嘘だろ…気配すら気づかない擬態なんて…


「ウハハ~ウハウウハハ!」


スライムの声を聴いた亀は首を横に振る


「ウァハハ」


「そっか、良かった。じゃあ次ね」


「ウハハ!」


しかもこのスライムと、少女は意思疎通が取れてる。って事はこの少女はテイマーなのか。なるほど。だから亀を放っておけなかったんだな。

その後も少女は亀の世話を街の人とかいがいしくやいていた。


ふとスライムが上を見たかと思うと飛び上がり少女の頭の上にのると先ほどとは全く違う低い声で


「ヴババァ!!ヴバ!」


パァン!と音が広がった。誰かが少女を攻撃して!攻撃は阻まれた!

しかもこんな、心優しい少女に攻撃を仕掛けたのは!!私の連れだ!!!


「チッ!やっぱダメか、俺の攻撃やっぱウハハには弾かれるな」


「ヴバァ!!」


連れはスライムと知り合い?なのか?スライムめっちゃ怒ってるが、少女は何もなかったように、連れに明るく声をかける


「狼さん、こんにちはお久しぶりです」


「おぅ!久しぶり。つーか、なんで俺の嫁と一緒に居るんだ?」


「嫁?」「ウハアァ!?」


少女とスライムの驚きの声は広場に響いた。

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