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安全第一異世界生活  作者: 笑田
転移と出会いとコルドナ街
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4 方針!勉強!そんなことより食事チート案は没になりました。

ひとまずこの世界の事を知りたい。漠然としているけど一番大事なところ。


ステータスの事もあるから、今は冒険者登録しない方が賢明。ステータスって隠蔽できるのかな?これもジジイ神(仮)に会ったら確認しなきゃ。


明日は街を散策しよう。市場調査ついでに、着替えを買いに行って、あとノートとペンが欲しい。私、考えてること、やらなきゃいけないことは書き出して整理しないと頭の中がこんがらがるのよね。


この世界の一週間は何日なんだろう?カレンダー無いかなぁ…

●1ヶ月は30日って言うのは判った。

●銀貨10枚で金貨1枚。

銀貨が1枚1000円ってところかな?金貨が1枚1万円位?

この町の事、モンスターの事。ギルド・冒険者・異世界と言えば魔力。私のチートは魔力って書いてあった。じゃあ魔法のことも知りたい。

うーーーん…知りたいことが多すぎて困る。


そうだ、食堂に降りてお手伝いがてら話を聞いてみよう。

異世界の食事も気になるし!!断じてお腹が減ったからじゃない!!

誰ともなしに言い訳しつつ、ひょこっと食堂の方に顔を出してみた。作業中のマアサさんが居るだけで他の人がいない。色々聞くチャンスだ。

「マアサさん、お聞きしてもいいですか?」

「あらカナメちゃん?何?夕食もう出せるから食べる?」

マアサさんの言葉に一も二もなく頷いた。

「はい!!お腹ペコペコだったんです!!ありがとうございます!!」

「あら素直だね、フフフ。満足してくれたら良いんだけど。好きなところに座って」

食堂を見回すとキッチンと区切るところにカウンター席が見えて、あぁ日本でも行きつけの喫茶店のマスターと話すのが好きで、カウンター席によく座っていたなって懐かしくなった。

「あのキッチンが見えるカウンター席に座ってもいいですか?」

「あら若い子が珍しいこと言うね。カナメちゃんが良いならどうぞ。すぐに持って行くわね」

背の高いカウンターの椅子によじ登って一息つく。

そこから見えるキッチンは、6畳くらいのスペースにコンロが4つ。一つには私が入りそうなほどの大きな鍋が掛けてある。炊き出しに使いそうな大きさだなぁ。その鍋はおいしそうな湯気を立てている。扉付きの大きな箱がある。冷蔵庫かな?流しがあり、作業台がある。そして大きな壺。あの壺は何だろう?

キッチンの中では、マアサさんともう一人の女性が動いている。今日のメニューはシチューかな?わくわく。キッチンを覗きながらにこにこしていると、マアサさんが笑いながら食事を目の前に置いてくれた。

「カナメちゃん甘いの好き?」

「大好きです。私の心の栄養源です!!」

被せ気味に答えた私に、

「そりゃいいねぇ、フフフ。今日、モモモの実をいただいてね。モモモは傷みやすいので早く食べないといけないから、みんなに振舞おうと思ってるのよ」

モモモ?桃ではなくモモモ?それはどんなものなんだろう。あーーーまた知りたいことが増えた。写真付きの図鑑とかないかしら?

「ありがとうございます。うれしいです」

私の言葉を聞き、マアサさんはキッチンで果物を剝き始めた。持ってる果物、日本のより大振りだけど桃じゃん。果物のお尻からゆっくり皮を剥いていく感じ、桃じゃん。誰だモモモなんて名前つけた人…ここは異世界。先人に文句を言っても仕方ない。あれは異世界ではモモモなのだ。そう心にメモしよう。

さてさて、目の前に置かれたトレーには湯気を立てているシチュー。お肉とお野菜が煮込まれた白いシチュー。2個の白いパン。白いたれ?で和えているお野菜のサラダ?葉物野菜に、小さく切ったカリカリに焼かれたベーコン。彩に、上に千切りの人参らしき野菜が乗っている。うん、素敵。お野菜のある幸せwwww肉だけだと胃にも体にも良くないから。私は手を合わせて、

「いただきます」と言い、スプーンを手に取った。

私のその言葉にマアサさんは笑顔で、

「カナメちゃんは聖女様のファンなのね。食事の前の挨拶が一緒だわ。あの方、人気あるわよね。フフフ。」

私は固まった。その聖女様は私と同じ転移者なのでは。日本について話せる人間がいるかもしれない。今後会えるなら会ってみたい。私は心のメモに会いたい人欄を作り、そっとメモする。転移者かもしれない聖女様。

でも今は聖女様よりあったかごはん。

白いシチューを口に入れ、もぐもぐ。

お野菜とお肉の味が出ていて、日本のシチューよりもさらっとしているけど美味しい。このお肉もおいしい。鳥じゃないけど豚でもない…でも美味しい。パンを手に持つと柔らかい。異世界あるあるの硬いパンではなく、柔らかいミルクパン。ミルクの風味がしっかりして美味しい。

もぐもぐ。もぐもぐ。おいしい。幸せ。野菜の和え物サラダ、白いたれってマヨネーズだったのか。カリカリベーコンがアクセントになって、これも美味しい。パンに挟んだら立派なサンドイッチになりそう。フフフ。大満足。

最後に出されたモモモの実。桃だ。ほんと桃。美味い最高。

ミカちゃんの推しの聖女様は異世界行って、美味しい日本のごはんを広めて、食事改善して、みんなの健康を改善して、チートにお金を稼ぐっていう事をやっていたらしいけど。

ミカちゃん、その案は婆には適用されない。

だってもう十分にごはんが美味しい。これで白米が手に入ったら言う事無いよね。

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