35 ピンクの彼女と屑親と
暴言があります。苦手な方はお気をつけてお読みください
目が覚めるとそこにはピンク色のたてがみ。ルビー色をした瞳の馬が居た。
僕はその馬の傍らに横になり草の上に寝かされている…
上を見れば周りは高い樹木に覆われているので森の中の開けた場所なのかも…
馬は僕のそばで草をむしゃむしゃ。食べながら尻尾をふわふわ揺らしている。
ふわ・ふわ・ふわ•ふわ
ゆれるふわふわしっぽを見ていてつい言葉を発してしまった。
「かわいいしっぽ」
僕の言葉が聞こえた馬は、バッ!!!っとこちらに振り向きすぐに僕の所に駆け寄って顔を寄せてきました。。スリスリスリ
あたたかい。 かわいい。すごくかわいい。
「お!!気が付いたかイル」
馬さんの向こう側から冒険者装備のトーさん。そういえば僕なんで寝ているんだろう?
「トーさん…僕どうして寝てるんですか?ココどこです?」
「魔力切れでぶっ倒れた。無茶した分コツがだいぶつかめただろう。ハハハ」
「あぁ………なるほど。」
無茶をさせていた自覚は、あったんだ。
ガッッ!!ガッッ!!
いきなり馬さんが地面をけり始めた…え?なに?って言うか・・・足が多いんだけど…?え?しかも馬さんトーさんに向かって臨戦態勢?えなんで??
『このドブネズミ以下の烏が!よくもアタシの愛しい子を!ただでは済まさねえぞ!後悔して泣き叫びながら死ね!』
!!!!!!え?ふわふわで、ピンク色のかわいい子からドスの効いた声が!!!!!!トーさんは肩を上げてやれやれと両手を軽く上げた
「そんな怒んなよ。愛し子が大切なものを守るため、自分から強くなりたいと願ったんだ。」
『うるせえぞ、ゴミ烏!言い訳垂れる前に、地獄へ堕ちろ!』
!!!!!殺意高すぎるピンク色の馬さん!!!!!!
「愛しい子が困ってんぞ。ククク」
馬さんはトーさんを、キッ!っと睨んで僕の方に顔を向け優しい声で伝えてくれる。
『ごめんなさいね坊や、あのクソ烏が全部悪いの。ゆっくりお休みなさいね』
僕は困惑して、トーさんを振り向くとニカッっと珍しく歯を見せて笑って馬さんを指さした。
「この間教えてもらった、イルのステータスに【黄昏の愛し子】ってあっただろ。あれこいつ。
神獣スレイプニルの「黄昏」。数百年前の聖女の友達だった奴」
僕は目が点になった・・・・神獣……って本当に存在したんだ。
「昔仕事中に出会って殺し合いになってさ、馬に負けるって許せなくて暴言吐いたら暴言返されて、そっから喧嘩友達!!ハハハ」
「イルのステータス見たときは驚いた(笑)」
「黄昏………様?」
『様付けなんてやめて他人行儀だわぁーーー!!”ターちゃん”って呼んで』
「……神獣様をそんな呼び方したら罰が当たります……」
「いや、イルお前毎日神獣呼び捨てにしてるぞ。」
?僕はトーさんが何を言っているのか理解できなかった。頭の中には???がいっぱい飛んでいる。そこに軽快な足音とかわいい音
タタタタタ!!!ぴょーんぴょーーーん!!
「おーーーーーい!!ターちゃん!!トーさん!!お兄ちゃん!!ごはん出来たよ!!!」
「ウハハハ!!」
カナとウハハはご飯の用意が出来たと呼びに来てくれたみたい。
トーさんはウハハを抱き上げ肩に乗せてウハハを指さした
「神獣ウハハ。神の片腕の方から授かった。」
はっ?今何て言ったのトーさん???
「ジジちゃんがねカナメを守るためにウハハを授けてくれたんだよ」
え?ジジちゃんて誰?どー言う事・・・えーーーーと!!えーーーと!!
「ウハハは神獣様?って事?」
「ウハハ!!!」
あーーープルンプルンゆれてかわいいなでた~~い。ダメかな?
僕がウハハのプルプルボディーの誘惑に抗っていると黄昏様がうっとりと目を細め語りだした。
『あぁ、神々しいウハハ様。このような僥倖に恵まれ、間近でその御姿を拝見できるとは、まさにこの身に余る光栄。感謝感激、言葉もございません。』
「ちなみに、ウハハは黄昏が苦手だ。」
空かさず、突っ込むトーさん。黄昏様ショック受けた顔してる…
「昔…黄昏がただの魔物のスレイプニルだった頃から、スライムが可愛くて、目に入ったらめでたくて愛でたくて追いかけまわす奴でな…ウハハは、それを知っているみたいで、この最近俺のそばに避難していたんだよ。喧嘩友達に顔寄せては来ないだろぉ。ハッハハハハ」
『このゲロ烏が!てめえのせいでウハハ様に近づけねえんだよ!さっさとくたばりやがれ!』
「ターちゃん、お口悪いのメッ!!だよ。いくら素が男の子でも、心は女の子なんだから。」
?うん????カナは何を言ってるんだい?
『あらぁ~、カナちゃんったら、アタシを女の子扱いしてくれるの、カナちゃんだけよぉ~♡ 嬉しいじゃなぁ~い!』
「………トーさん?」
どういう事なのこの2人???
「多様性だそうだ」
意味が解らない??
「それで、なんで冒険者に追いかけられてるんだ?ピンク色の馬なんてお前くらいだろう。」
トーさんは色々な事は無視して、根本的なことを聞いてみた。黄昏様は空を見上げ…語り始めた
『昔ね~すっごく可憐なお嬢さんが住む大きな屋敷があって。よく愛でに行っていたわ。お嬢さんもあたしに笑いかけてくれて
「お馬さんのたてがみやしっぽは見るだけで幸せな気持ちになるの」
って言ってくれたの、そのお嬢さんは魔力はあまりなくって、アタシとおしゃべりは出来なかったんだけど、お嬢さんはどんどん成長してそして、ある男と結婚したの。その男、魂がいびつであたしは嫌いだったんだけど、でもお嬢さんはその男が好きで、まぁ、男もお嬢さんにはすごく優しかったのよ。でもね、家をお嬢さんが継いだとたん離れの狭い部屋に押し込めて、監禁したのよ。
そのころお嬢さんにはもう息子が居て、お嬢さんがあまりに子供を心配するから、アタシの愛し子にしたの~~~~それがイルイル♡』
「え?それは、黄昏様が言うお嬢さんって、お母さまの事?」
「色々分かったがそこじゃない。なんで追いかけられてるかだ!!」
『えぇとぉ~、お嬢さんの屋敷にあたしが通っていたから、男に目をつけられて捕まっちゃったのぉ~。それでぇ、お城にいる趣味の悪い奴に売られちゃったのよねぇ~。
毎日ご飯は美味しかったんだけど~、その嫌な奴、家族みんな性格が悪くてぇ~本当に最悪だったわぁ~。でも、アタシの世話をしてくれる子が良い子でぇ、アタシが逃げたらその子のせいになっちゃうから逃げなかったのぉ~。最近、その子じゃなくて嫌な奴が世話係になってぇ~、すーぐに逃げたわぁ。ざまぁみろってね。』
「あぁぁ…そういう事か…城ね…」
「父が申し訳ありません。」
僕は申し訳なくて涙が出そうになった…本当に自分の父親がろくでもなさすぎて泣きたくなる。でも黄昏様は僕の方に顔を摺り寄せてきて
『やっとこれで、イルイルちゃんのそばにいられるのねぇ♡ 嬉しすぎちゃって、もうドキドキが止まらないわぁ~♡ これからはずぅ~っと一緒よぉ~!』
っと僕のそばにいてくれると言ってくれる。あの一人きりだった僕のそばに…嬉しい…目から涙が溢れてきそうになった時トーさんが
「おまえそのままだと迷惑だから一緒には行動出来ないぞ。」
はっきりと「迷惑」と言った。ショックで大きな声が出た
「「「えぇぇ!!!!」」」
トーさんは考えながら…口角を上げた。
「まずは追手をどうにかしないとな」




