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安全第一異世界生活  作者: 笑田
転移と出会いとコルドナ街

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13/255

13 冒険者ギルド ブラック臭が ぷんぷんだ

お昼前に冒険者ギルドに着くと、まずはナギ君の在否確認。

「こんにちは、師匠いますか?」

冒険者ギルドの受付のお姉さん、テリアさんがこちらに気づいてくれた。

「あら、こんにちはカナメちゃん。今日はクエストじゃないの?」

「今日はお休みの日にしたので、師匠が空いていれば、ご指導いただけると良いなと思いまして」

「ナギさん、急遽討伐の後衛で出てるので、戻りは夕方になると思うわ」

「師匠、外周りの仕事にも出るのですね」

「今日は、大物の討伐だから特別ね。

副長は部屋にいるから、行ってみたらいいよ。よかったらまた、書類のお手伝いしてあげて。副長また帰れてないから」

私が残念がって見えたのか、テリアさんはクロトさんが居ることを教えてくれた。

「ありがとうございます。行ってみます」


トントントン  トントントン

トットンガトン トントントン トトトントン

トットンガトン トントン スットントン

リズミカルにしばらくノックし続けていたら、扉が開く。


「何を遊んでんだ、カナメ」

クロトさんは目の下にくっきり隈を作り、生気のない顔で扉を開けた。

「なにって、昼食宅配人のカナメです☆おすすめサンドイッチはいかがですか?」

珈琲とサンドイッチを手に持った私は、クロトさんにウィンクしてみた。


「やべー。お前が天使に見えたわ・・・涙出そうだ」


イヤイヤ・・・天使って・・・そこまで、お仕事やばいのか。

「私に書類整理のクエスト出しませんか?お手伝いしますよ。報酬は初級で良いので、魔法教えてください」


「のった!! 助かる・・・これ以上眠れなかったらやばかった」


ひとまず、山のような書類をよけ、サンドイッチを2人前食べたクロトさん。

ごはんもろくに食べてなかったみたいだ・・・

珈琲はブラックだと弱ってる胃に悪いからと、ミルクを追加して飲んでもらった。

私とウハハは1人前を半分こ。

ウハハは珈琲より果実水の方が好きみたいで、いつもそっちを選ぶ。

クロトさんはご飯を食べて少し落ち着いたのか、うとうと。

この人、何日寝てなかったんだ?

冒険者ギルドってブラックなのでは・・・

そのままクロトさんを起こさないように、ウハハには形状変化で毛布になってもらい、クロトさんにかけておいた。


その間に書類を分類別に仕分け、急ぎの確認。今日中に必要な決裁は机の上に・・・・と思ったのに。

この間作った仕分けファイルがない・・・どこ行ったんだ?

一度部屋を出て受付の方に。

書類配送用の封筒を色違いで6色、各10枚ずつと、書類入れの箱を1個もらったら、再度副長室へ。

戻ってから仕分けファイルの作成。

ファイルと言っても、クリアファイルの紙袋版である。片方の端を切って、封をする折り返しの部分を切るだけで出来上がり。

出来たファイルを使って、各部署のが分かるようにする。

青・財務

赤・討伐

緑・情報

黄・総務

白・人事

生成・その他

最後に書類入れの箱に今日締め切りの書類だけを入れて終わり。

何で……こんなに財務の書類があるんだろう?

いや、明らかに1人の仕事量ではない。何人分だこれ。

仕分けした書類を1枚ずつ確認する…大きなため息が出た。

また話し合いをしなくてはいけない……

でないと、クロトさんが倒れてしまう…

私は、会いたくもない腹黒の元に大量の書類を持って行くはめになった。


一度、受付のテリアさんの元に行き、数人の退勤時間の確認をしてからギルマスの部屋に行く。

トントンノックをするとすぐに、

「入ってくれ」と返事が返ってきた。

部屋に入ると、腕立て伏せをしてる半裸の腹黒。

「お!何だ?珍しいな、お嬢が顔を見せに来るなんて」

「昨日は何時に退勤しましたか?」

「ん?」腹黒は不思議そうに首をかしげながら、

「6時には酒場にいたな」

すかさず、質問する。

「その前の日は?」

「同じだな」

「その前の日も同じですか?」

「そうだな」

私は大きなため息とともに告げた。

「今日から、お帰りは日付が変わる頃ですね。

それが嫌なら、やるべき人がきちんと仕事をするように采配して下さい。

それも貴方の仕事でしょう。今までの分も合わせて頑張ってください」

腹黒は、なんだなんだと興味津々でこちらを見てくる。

私は、ギルマスの机の上に大量の書類を置いて、ファイルの色で仕分けしている事を告げた。

そのファイルの色と量を見て、腹黒は顔を歪めた。

「マジか…」

「その量をずっと、クロトさん1人でこなしてましたよ。

睡眠時間を削りに削って。

上がすれば、下は自分もそうして良いんだって思うものなんですよ」

腹黒ギルマスは何も言わず・・・書類の束を見ている。

「ホント、歳だけ重ねて、何も見えてないんですね」

私は腹黒を一瞥しただけで、部屋を出た。


副長室に戻り、ずいぶん減った書類を期日ごとに手に取りやすいように箱に入れた。

私の仕事は終わりっと。

手が空いたので、部屋を見回す。


錬金術の本がいっぱい。

・・・一番、初級者向けっぽい本をパラパラとめくる。

うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


【副ギルドマスター クロトサイド】


「できたーーーー!!!!」

パチ。

目を開くと、万歳万歳とテーブルで手を上げて喜んでいるカナメ。

俺は・・・寝てたか。

少し眠ったことで頭が軽くなったみたいだ・・・

体を起こすと上には毛布?こんなのあったか?と思っていると、


『ウハハ?』と声が・・・・


どこから?あの神獣か????

あたりをキョロキョロ見回していると、毛布がポンとスライムに変わった。

イヤイヤどうなってんだ、このスライム????


『ウハハ!!ウハハハハ!!!』


スライムは、ぴょんぴょん飛びながらカナメの元に。

その声を聞いてカナメが振り返ると、机の上がすっきりしていた。書類どこ行った?

「クロトさん、起きましたか?もう少し寝ますか?」

カナメの俺を気遣う優しい言葉に頬が緩む。

「いや、悪い寝ちまった。すまない。所で何してたんだ?」

そう言いながらカナメの元に近づくと、カナメは眉間にしわを寄せ、右手の人差し指を俺に突き出した。

「そうです!!クロトさん自分の仕事の範囲わかってますか?」

いきなり怒られた・・・・????

「良いですか。組織とは、それぞれに役割があるんです。なぜクロトさんがギルマスや、経理の責任者の仕事してたんですか!!!」

俺は目が点になった。なんだって?どういう事だ?

「残ってる書類が本来のクロトさんの仕事分です。詳しくは腹黒に聞いてください」

と、そっぽを向かれてしまった・・・

腹黒・・・・・・

ギルマスの事か?ずいぶん嫌ってるな・・・

「で、何を喜んでいたんだ?」

俺がそう聞くと、眉間の皺は無くなり、

カナメの口はニンマリと弧を書いていた。


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