10 この街に 蔓延る何かを 考察だ!後編
解不能読文字ってなんだ??
この世界にない文字……
「*」か!!!
はっ!!確かに(カッコ)にも備考欄にも「*」については書かれてなかったわ・・・まじか・・・・あぁまじか・・・・
鑑定で即バレるレベルで何やってんじゃい!!
ジジイ神(仮)!!!!
私は大きなため息を吐き、そして大きく深呼吸。スーーーーハーーーーーーー。
女は度胸だ!!よし!!
ウハハバックを外し両掌の上に置き、
ウハハに呼びかけた。
「ウハハ、元の姿に戻って」
『うはは!!』
一声紡ぐと、ウハハはトーンと飛びあがりスライム姿になって私の左肩に飛び乗った。
「この子は神獣ウハハ。
通常はベビースライムに擬態しています。この子は昨夜さるお方から、大切に育てるようにと賜りました。お名前も姿も存じ上げない方からです。一つわかるのは、私のステータスに干渉できる立場という事です。その方から私は転移者と伝えられました。
本名は麻生 要
使命は伝えられていません。
これが私の知るこの世界の私のすべてです。」
『うはは!!うはは!!ウハハ!!』
ウハハは何か高らかに宣言してるっぽい。意味わからないけど、かわいい。
さてさて、凍ったままのみんなが動き出さないうちに確認。
ステータスと心の中で呟くと、
いつも現れる透明の板ではなく、光が点滅してブーーーーーブーーーーと震えている板が登場。
読めない(怒)震えてて字が読めない(怒)
「止まれ」ドスの利いた声で呟くと、板はピタッと停止した。
またこっちの状況わかってんなジジイ神(仮)
私が固まった周りの人たちを見回すと、ハインツさんが大口開けて指差して震えてる▪︎▪︎▪︎ん?大丈夫?
オープンにしてないから見えないはずなんだけど?
「…あなたその点滅…なんなの」
あら?見えてるの?
「…んーーーなにと言いますか、ステータスボードです。たぶんまたあの方が、私のステータスに関与してきたんだと思います。ピカピカとアピールするなんて鬱陶しい…」
「鬱陶しいって!!あなた神になんて事を!」
騒ぐハインツさんは放っておいて、
私は大きなため息をつきステータスの確認を始めた。
名前 : アソウ カナメ
年齢 : 5歳 精神年齢52歳
種族 : 人属(今現在)
職業 : テイマー(今現在)
レベル: 1
体力 : 52
魔力 : 520000
攻撃力: 魔力の使い方次第。
称号 : 月の神の愛し子
防御力: 5
俊敏性: 5
従魔 : ベビースライム・ウハハ(神獣)
スキル:聞き耳・言語理解・(アイテムボックス(隠蔽))(鑑定(隠蔽))(異世界のお約束は付けておいたぞ)
固有スキル: ***(隠蔽)
備考 :おぉぉ怒るでない!?・・・・・・・・
私はいつもの備考欄を読んで頭痛がした・・・・
たぶん、さっきハインツさんが言った「神」だと私も思うんだけど、
ジジイ神(仮)って子供みたい・・・・・簡単に不穏なことを言う・・・こいつ・・・・
固有スキル***のままだし
転移させられてから溜息ついてばっかりだわ・・・はぁ・・・・
いやだ幸せが逃げてしまう。
私はステータス画面から目線をみんなに戻した。
一人騒いでるハインツさんや固まったみんなに、とりあえず伝えておこう。
「落ち着いてください。私のステータスに介入してきているお方から皆様に伝言です。
最初っから読みます。
”おぉぉ怒るでない!?わしじゃって気づかんかったんじゃ!だいたい何で速攻正体バラすんじゃ!!異世界から来た者は基本正体隠して俺最強!!を極めるのではないのか!!カナメはおかしい!!斯くなる上は、そこのメンツの記憶を消すか。そこに居る者達にしっかり伝えるのじゃ!!記憶を消されたくなければカナメのことは他言するな。肝に銘ずるのじゃ!!”
だそうです。皆様そこを踏まえて、子供たちの今後のお話を致しましょうね」
にっこり。
私の笑顔の圧に負けて、何か言いたげな皆はしぶしぶ席に着いた。
「まず最初にお聞きしたいのは、
この街の孤児院はどこが管理運営してますか?
そして冒険者ギルドはどこが管理運営してますか?
」
「孤児院は国からの支援を受け、この領を治める領主様が運営を担っている」
「ただ実際に運営しているのは、領主から委託を受けた事業主になる。この町だと…イズモンド商会が教会と協力して運営をしています。」
「ありがとうございます。では冒険者ギルドはどうですか?」
「冒険者ギルドは国々を跨いで活動するため、 ギルドという大きな団体が運営をしている。
各地域に支部を置き、地域ごとに運営、管理し、定期的に集まり情報を共有する。各国…各領共に協力関係にある」
「では、見習い冒険者の仕事の受付はこのギルドで行っていますか?」
「いや。ここでも受け付けはするが、子供の出入りの多い、主に孤児院と教会の近くに建てられた派出所で行っている。そこではギルドが運営を委託した教会の人間が……」
「「「「あ!!」」」」
ひとまず「元凶」にはたどり着いた。
が、闇に到達できるかは彼ら次第か・・・
私はアルマ君の手を引き立ち上がり、彼をみんなに紹介する。
「今の話の被害者である彼の保護を求めます。
彼は今日、私に対して窃盗をしようとしましたが、アルマ君の罪は被害者である私が許しました。その事で彼に罪を問うのはやめてください。
”お腹が空いた”それだけで彼は犯罪に走った。
追い詰めた元凶は居るでしょう。でも悪いのは元凶だけでしょうか?
なぜ孤児が、子ども達が犯罪を犯すのか、突き詰めた大人は居ましたか?
子供のことは、孤児院と委託された事業主に丸投げですか?
孤児院の運営をキチンと監修する大人はいないのですか?
国は、領主は、何を見ているのですか?
命を見てますか?
孤児院から理由をつけ追い出された子供たちは、行き場が無いために搾取され続けてきた・・・
それに気づくのが、なぜ昨日転移してきた私なのですか?」
気づくと瞳からぽろぽろと涙が落ちていた。
手をつないでいるアルマ君は、体を震わせ声を殺し 涙で顔がぐしゃぐしゃになっている。
そんなアルマ君に私は目を合わせ、にこりと微笑むと
大人たちに向き直り、
「子供たちはあなたたちと同じく生きています。
未来ある子供達の命のためにご助力をお願いします」
私とアルマ君は深く深く頭を下げた。




