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何故アニメに黒人キャラが少ないのかという話。

日本のアニメ(漫画)における黒人が差別的な扱いを受けているとかいう言説に関しての個人的なメモ


とりあえず日本のアニメに黒人があまり出てこないのも、出てきた時の描写がテンプレートになりがちなのも事実だと思う。そもそもオリジナルアニメより漫画や小説のアニメ化の方が最近は率が高いので、アニメというよりそちらで増えなければアニメで増えることもないだろう。そして、それは二つの理由で難しい。一つは政治的な理由。もう一つはコスト的な理由だ。

まず政治的な理由、つまり、黒人差別を理由にした訴訟のリスクだ。黒人を主役にした作品が差別的だとして出版差し止めになったり、黒人差別だと判断された作品が使えなくなったりしている。そしてそれは一般的な日本人から見て「別に差別しようとして書いてないのでは…?」「別に侮蔑しているわけではないのでは?」「そもそも黒人じゃなくね?」というものもある。黒人差別そのものがピンとこない日本人にとっては被害妄想にすら見えるし、出したら文句を言われるなら出さない方がいいな、と思う。少なくとも、黒人を出さないことを理由に訴訟されて負けることは余程不自然な避け方をしない限りない。

元々現代の日本人は娯楽作品に政治思想を持ち込むことを嫌う人も多い。政治思想をベースにした作品は、視聴者を楽しませることを二の次にすることが多いからだ。作者の思う政治的な正しさのために展開が不自然になることもある。つまり、単純に作品が面白くないので、その政治主張の賛同者にしかウケない。より多くの人にウケるのは、作品を面白くすることに注視した作品である。

差別の定義があいまいで、告発者の恣意的な使用もされる基準に配慮しながら"被差別者"を出すくらいなら、最初から"被差別者"を出さない方がマシだ。まあ出さないのも差別になるらしいが。

こちらの理由に関しては一応の解決策もないこともない。黒人を出した時に差別だと糾弾されない世界になるか、黒人の認める黒人描写の具体的なテンプレートを完成させてそれ以外の表現が出ないことにも文句を言わないことだ。多分無理だろうな、と思う。

しかしまあ、もう一つ、コスト的な理由。漫画に黒人キャラが少ないのは正直こちらの方が大きいと思う。すごく単純な話、毎度肌にトーンやベタを塗るのが面倒なのである。嘘か真か、褐色キャラの同人誌が出づらいのは作画コストが高いからだという話もある。

モノクロ漫画においては、明るい色の肌の方が圧倒的に扱いやすい。画面に占める着色部分の割合は漫画の雰囲気にも影響する。一般的に、画面に占める黒の割合が高くなるほど画面が重く、暗く、シリアスになるとされている。トーンは使いすぎると画面がごちゃごちゃする。かといって、キャラクターに対して背景の濃度が低すぎると、背景がスカスカの印象になってしまう。

コストの話をすると、前半の話にも含まれているが、黒人を文句を言われないような描写にするための資料集めにもコストがかかって来る。間違いのないテンプレ表現が現在の日本漫画にはないのだ。旧来のテンプレは通用しなくなってきているので。かといって、テレビで見かけるような黒人有名人の方を参考にしてもダメらしいと聞く。どうしろと?

特に週刊連載の漫画においては、コストは重要な問題である。資料収集に関しては、ある程度連載開始前に集めて置くこともできるが、実際書いてみるとまた別の資料が必要なことが判明して、資料収集の必要がなくなることはない(これは黒人描写に限った話ではない)。作画コストは基本的に省けるものではない。二本では漫画家が一人で作品の大部分を描くことが一般的なので尚更だ。作品が売れてアシスタントを雇うことができるようになれば背景を他人に任せるなどできるようになるし、最近は原作(ストーリー構成等)と作画を別の人物が担う形式の漫画も増えてきているが。それで締め切りが延びるわけではない。

ところで、此処でこれまでの話を無に帰すようなことを言うが、(最近某動画サイトを見たりしての情報なので信憑性は五分五分かもしれないが)黒人が、これは黒人に対して差別的な表現をしている、と主張するキャラクターの何割かは別に黒人ではない。そもそも人間ではなかったり、よく日焼けをした日本人だったりする。つまり、ただの言いがかりなのである。別に黒人ではなくとも昔から日本にもよく日焼けをして真っ黒になっている人や、地肌がやや黒っぽい人はいるのだ。

日本においては"色の白いは七難隠す"という言葉や"美白"という表現があって肌が明るいトーンである方が良いという価値観がある。ただし、これは勘違いされがちだが白人至上主義ではない。日本人からすれば一般的な白人の肌は白いというよりピンク、もっと言えば赤色なのである。日本人の思う白い肌はファンデーションを塗った肌の色である。

また、浅黒い肌をセクシーであるとする価値観や日に焼けた肌を健康的な色とする表現もある。つまり、肌の色の白いのと黒いの、どちらがいいかは個人の好みに委ねられている。

また、とある動画で日本人の描く黒人は目が大きくて唇が厚い、と言われているのを見かけた。正直、被害妄想というか、明暗差で強調されてそんな印象になっているだけだと思う。目に関しては寧ろ他のキャラに比べて顔面に対する目の割合が小さいことの方が多い気がする。きちんと調べていないので確証はないが。(そもそもアニメにおける黒人キャラをそこまで注視していないので)。



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読みづらいから段落頭下げしようぜ! 頭が高い、控えおろう! 国内の創作史上的な観点も必要だと思う 海外版ドラゴンボールのミスターポポなんかが有名だけど、平成初期から中期という創作史上において無視でき…
[一言] 言い忘れましたが、別に全ての黒人キャラクターが文句を言われることもないでしょう? 例えば、「ようこそ実力主義の教室へ」は脇役に黒人が出てきますが、今までは順調にやっていて何も問題が起きませ…
[気になる点] 黒人出すか出さないかは別として、【黒人ハーフ】ならどうでしょうか? そもそも、時には黒人キャラを出さなければならない場面もあると思います。 例えば、日本は数多くのフランス革命期の時…
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