番外編 1
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。
花見の季節を迎えた。
竹本は、社会秩序庁四国管区香川支部月詠班に籍を置いて、初めての花見であった。
月詠班に所属する30人の班員と、関係者100人程度という大規模な花見になる。
高松市の花見ができるスポットで、130人程度の規模が占拠できる会場を押さえて、月詠が用意した、大型バスで移動した。
竹本も、家族や友人たちと花見に行った事はある。
警察学校の同期生たちと共に、花見を楽しんだ事がある。
しかし、これだけの大人数での花見は、初めてである。
花見の会場に着くと、満開の桜の木が並ぶ場所の1つを、先遣チームが押さえていた。
「うわぁ~・・・綺麗な所ですね・・・」
竹本が、歓声を上げる。
「当然だ。年に1回のイベントだからな。盛大にやらなければならない」
「班長~!!」
先遣チームのリーダー格が、手を振っている。
「班長。こちらに」
先遣チームのリーダーが、月詠を席に案内する。
月詠は、用意された席に座る。
「竹本さんも、こちらに」
月詠の隣を、勧められた。
「はい、ありがとうございます」
「佐藤さん」
佐藤も、竹本の隣に座った。
先遣チームのリーダーが、月詠を挟んで、竹本の反対側に腰を下ろす。
他の班員たちや関係者たちも、思い思いの場所に腰を下ろす。
先遣チームの人たちは、忙しく動き回る。
「料理で~す!!」
「「「おぉ~!!!」」」
行きつけの弁当屋で購入したパーティー用料理が、皆の前に並べられる。
「お酒で~す!!」
「「「おぉ~!!!」」」
大量のビールや日本酒、焼酎等が並べられる。
「では、月詠さん」
「ああ、すまない」
先遣チームのリーダーが、ビール缶のプルタプを開け、プラスチック製のコップに注ぐ。
「竹本さん」
「はい」
佐藤が、ビール缶を差し出す。
「あ・・・ありがとうございます」
佐藤が竹本の持つプラスチック製のコップに、ビールを注ぐ。
「佐藤さんも・・・」
竹本も、ビール缶のプルタプを開ける。
「いただくわ」
佐藤も、自分のプラスチック製のコップを差し出してきた。
竹本はコップに、ビールを注ぐ。
「さて、酒が行き渡ったところで、みんなで乾杯をしよう」
月詠が、立ち上がった。
「新入りが増え、去年と同じメンバーで今年の花見を迎える事が出来た。ありがとう。来年の花見にも、ここにいるメンバーで参加したい。乾杯!」
「「「乾杯!!」」」
月詠の乾杯の音頭に、全員がコップを掲げた。
月詠がビールをの入ったコップを傾けるのを見て、竹本もビールを飲む。
冷えたビールが、喉を潤す。
「あぁ~うまい!」
一気にビールを半分ほど飲んだ月詠が、ホッと一息を付いて、つぶやいた。
「毎日。酒を飲んでいるが、こういうイベントで飲む酒は、特にうまい」
月詠は、ビールを置き、料理に手を付けようとした。
「どうぞ。班長」
先遣チームのリーダーが、紙製の皿に唐揚げやフライドポテト等を乗せて、月詠に渡した。
「ありがとう」
割り箸を持った月詠は、早速、唐揚げを頬張る。
竹本も、タイの握り寿司を食べる。
(このタイ、おいしい・・・)
「このお寿司は、月詠班長の行きつけの寿司屋が握った寿司だそうよ」
佐藤が、ハマチの握り寿司を食べながら、教えてくれた。
「へぇ~」
竹本は、マグロの握り寿司をとる。
「月詠さんって、グルメなんですね」
「そうね。おいしい店もたくさん知っている。こんな仕事をしているから、色々な趣味にも手を出しているのよ」
「やっぱり、月詠さんでもストレスは、溜まるんですね」
「当然よ」
一体、月詠を何だと思っているのか・・・佐藤が、少し呆れた表情になる。
番外編をお読みいただきありがとうございました。
誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。
来週からゴールデンウイークに入りますので、来週及び再来週の投稿はお休みさせていただきます。
次回の投稿は5月13日を予定しています。