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悪魔との戦い

「やりきってみせる!」


狼さんの前に飛び出し、刀に手を置く。

狼さんはこちらに気付き、

大きな叫び声を上げた。


私に警戒してなのか

新しい獲物が出て来たからなのか分からない。

ただ分かる事として、狼さんの口から

僅かに涎が垂れ、

地面に到達すると同時に煙を出して消えたことだ。


(強力な酸なのかな、分からないけど

 噛み付かれたら危ないかも知れないね!)

「うん、気を付けないと」


あの涎に強力な酸があるのだとすれば

盾とかを利用して牙の攻撃を防いでも

その盾が溶けて使い物にならない可能性がある。


つまり、この悪魔に対する最適解は

攻撃を受けないで立ち回る事。

素早く動ける武器と相性が良いかもね。


「ぐが!」

「ッ!?」


狼さんが腰を低くして構えると同時に

一瞬で私の目の前に姿を見せる。

動かないと、この一瞬で食べられる!


「うぅ!」

「ぎ!」


即座に反応出来た私は辛うじて噛み付きを避け

間合いを詰めて狼さんの腹部を斬り裂いた。

すれ違い様の一撃、手応えは確かにあって

狼さんの腹部から血が噴き出した。


だけど、油断したら駄目だと思った私は

そのままさっきまで狼さんが居た建物に跳び

刀を構えて狼さんの方を向く。


(今の武器は抜刀をメインにした武器だよ。

 刀を収めないと武器の真価が発揮できない)

「そうなの?」

(うん、抜刀する瞬間に

 カウンターとして機能するよ。

 さっきの攻撃を避けて攻撃した時だけど

 あの攻撃が今の武器が1番輝く瞬間だからね。

 つまり、1番攻撃力が出るのがあの攻撃だよ。

 刀を収めてないと、

 あの攻撃が出来ないからね)

「分かったよ」


リックのアドバイスに従って、私は刀を収める。

そして、さっきと同じ様に構えた。


「……ぎぐぐ」


リックが言ってた、

あの攻撃が1番攻撃力があるって。

だからなのか、狼さんの動きが鈍くなってる。

ここで一気に勝負を仕掛ける

その方が良いかも知れない。


「行くよ!」


足に力を込めて、狼さんに間合いを詰めた。

狼さんはこちらに反応し、

爪での攻撃を仕掛けた。

私は上空で体を動かし、その攻撃を避ける。


そのまま、飛び上がった勢いを利用して

間合いを瞬時に詰め

さっきと同じ様に強く刀を抜刀し、

今度は狼さんの首を断った。


「……今度は凄い手応えがあったね」

(うん、確かにあの悪魔の首を断ったよ!)


首が両断された狼さんの体がフラフラと動き

こちらに振り向いたような動作を見せたけど

即座にバランスを崩し、

大地に倒れ、黒い煙を出し始めた。


「これで、倒したって事かな」

(うん、悪魔の気配が消えたよ!)

「はぁ、何とかなった」


私が扱ってる、

この刀と狼さんの相性が良かったのか

凄くあっさりと倒すことが出来た。


(じゃあ、近付いて)

「近付いてどうするの?」

(悪魔の力を浄化するんだよ、そうしないと

 また悪魔が復活するから)

「ふ、復活するの!?」

(うん、その前に吸収して浄化するんだ)

「浄化……? どうすれば良いの?」

(手を差し出せば良いんだ、

 あの煙が出てる場所に。

 そうしたら、私が吸収して浄化するよ)

「わ、分かった」


ちょっと分からないけど、

リックに言われたとおりに

私は悪魔の方に近付き、煙に手を当てる。

すると、私の掌が光り輝く。


「な、何々!?」

(そのまま、離れないで)

「わ、分かった」


ちょっと動揺するけど、

そのままその場所で立ち止まる。

少しすると、悪魔全体を光りが包み込み、

悪魔が消えた。


(ふぅ、これで浄化完了だね、お疲れ様!)

「そうだね、何とかなって良かったよ」


悪魔が消えたことを確認した後

私は地面に着地した。

結構高かったけど、なんの苦もなく着地できる。

やっぱり、今の私は凄い身体能力が高いんだ。


「そう言えば、リック」

(何かな?)

「この状態は、どうすれば戻るの?

 そこまで恥ずかしい格好では無いけど

 この姿を誰かに見られたら困るんだけど」


あまり可愛い路線が凄い格好でもないからね。

どっちかというと、格好いい路線の方が強いし。

だけど、流石に誰かに見られるのは恥ずかしい。


(大丈夫だよ、手を叩いて)

「うん」


リックに言われたとおりに手を叩いた。

手を叩くと同時に、掌から光りが出て来て

一瞬のうちに、私を包み込んだ。


「わぁっとと」

「うん、これで元通りだね」

「え? あ、本当だ」


一瞬で元の服に戻ったよ。

変身の方は少し時間が掛るけど

元に戻る方は、そんなに時間掛らないんだね。


「じゃあ、これで帰ろうかな。

 他に悪魔は居ない?」

「うん、もう他に気配は無いよ、帰ろう」

「うん、分かった」


そのまま今日は家に戻って眠ることにした。


「ん?」


その道中、変な気配を感じて振り向いたけど

その場所には何も無かった。

誰かに見られてた様な感じがしたけど

ただの気のせいだったのかな?

確かに暗いから、

変な気配を感じても不思議無いけど。


「詩歌、どうしたの?」

「いや、変な気配を感じた気がして」

「気のせいじゃないかな? さ、早く帰ろう。

 学校があるんだし、寝坊しちゃうかもだよ?」

「うぅ、そ、それは困る……急いで帰ろう!」


軽く小走りで、私は家に戻る。

あの気配が何だったのか、

気掛かりではあるけど

学校に遅れる方が大変だしね。

はぁ、明日が休みだったらなぁ。

まぁいいや、早く帰らないと。

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