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疑い

4人でリゾートホテルへ行って

少しの時間が経った。

あの悪魔を倒したからなのか

少しの間だ、悪魔は姿を見せない。


皆の話では、これが普通らしいね。

今までの出現頻度が異常だったと。

まぁ、ゆっくりと休めるから良いか。


「ただいま-」


今日も学校が終わって、家に帰る。

あまり困ってる部や人も居なかったから

今日は結構早めに家に帰ることが出来た。


「ん、今日は早いね」


家に帰ると、今日も優歌が出迎えてくれる。


「今日は何も食べてないんだ、珍しいね」

「いつも私が何か食べてると思ったの?」

「実際、いつも何か食べてるじゃん」

「ま、まぁ、確かに大体食べてるけど…

 と言うか、私は運動ばかりするから

 沢山食べないと、ほら、しんどいから」

「そんなに運動してるの?」

「学校じゃ、毎日毎日運動してるって。

 まぁ、姉ちゃんほどじゃないけど」


普段は大体応援で呼ばれてるからね。


「じゃ、今日も私はお部屋で横になりまーす」

「手伝いは?」

「してるよ、最近姉ちゃんが忙しいみたいだし

 結構積極的に手伝ってるんだから」

「そうなんだ、ありがとう」

「気にしないで、あ、そうだ

 今度、私もホテルへ連れてってよー

 母さんも一緒に」

「あんなハプニングはあまり……

 あ、いやいや、何でも無いよ?」

「……何か、隠してる?」

「隠してない隠してない!

 あの時も伝えたけど

 知り合いに凄いお金持ちの子が出来て

 その子のお誘いでちょっと旅行に」

「……」


あの日以降、優歌が私をかなり疑ってる。

あまり積極的には言わなかったけど

明らかに怪訝そうな表情で私を見てる。


「姉ちゃんが母さんに内緒で何処かに行く。

 そんなこと、あり得ないのは分かってる。

 今まで、深く追及しなかったけど……」

「そ、その……」

「ハッキリ言うよ、絶対に隠してるでしょ?

 何か、大事な事とか」

「そ、そんな隠し事なんて!」

「姉ちゃんは隠し事が下手なんだから。

 今日は母さんが買い物に行ってるから

 この際、ハッキリと追及させて貰うよ!」

「え、えっと……」


不味いかも、さ、避けられるかな!?


「ん!?」


優歌に追及されそうになった時だった。

扉が開くような音が聞えた。


「ん? どうしたの2人とも」

「お母さん」

「……ほ、ほら、姉ちゃんが帰ってきたから

 ちょっと玄関前でお話ししてただけだから」

「お部屋で話をすれば良いのに」

「そ、そうだね……て言うか、母さん。

 買い物、随分と早かったね」

「そのー、わ、忘れ物をしちゃって」

「……何忘れたの?」

「お、お財布を……」

「……」

「……」


お母さんの言葉を聞いて、私達2人は同時に

ちょっとだけ呆れた様な表情を見せる。

お母さん、たまにそう言うドジをするんだよね。


「うぅ、は、恥ずかしい…」


普通は忘れないであろう物を忘れてしまったことを

私達に伝えたことで、お母さんが恥ずかしそうに

顔を赤くして、少しだけ俯いた。


「……お買い物、私が行くよ。何を買うの?」

「あ、だ、大丈夫よ! ちょーっと忘れただけで」

「私が帰ってきてるんだし

 私が買いに行った方が早いからさ。

 だから、私に任せてよ」

「うーん、でも、それは母親である私の仕事で……」

「大丈夫、任せて、お母さんは体が弱いんだから

 無駄に頑丈な私に任せてくれれば良いよ。

 だから、何を買うか教えてくれないかな?」

「うーん……そうね……

 じゃ、じゃあ、ちょっと待ってね」


少し考えた後、お母さんがメモ帳を取りだし

私に何を買うかを書いたメモを渡してくれた。

そのメモを受け取った後、買い物に行く。


「……姉ちゃん、私も行くよ?」

「優歌はお母さんの手伝いしてて。

 ほら、晩ご飯の用意とかあるでしょ?

 だから、その手伝いをしてて。

 大した量でも無いから、

 私1人でも全然問題無いからね」

「そうねぇ、確かに手伝って貰いましょうか」

「わ、分かったよ」

「じゃ、言って来ます」


なんとかお母さんが帰ってきたお陰で

優歌からの追及から逃げられた。

とにかく今は急いで買い物だね。

いつも通り、軽く小走りで向う。

結構距離があるから、ちょっと急ごう。


「んー」


結構景色が流れるのが早い気がする。

やっぱり、小走りだろうと能力が上がってるのか

今まで以上に足が速い気がする。


「そろそろかな」


よーし、いつも通りに買い物をしよう。


「あ、詩歌じゃん、どうしたの?」

「あ、明梨あかりちゃん、どうしたの?」

「いや、お菓子買おうかと」


同級生の明梨ちゃんがスーパーに居たね。

結構ここでお菓子買ってるのかも?


「相変わらずお菓子が好きなんだね」

「まぁ、私はお菓子で生きてるような物だし」

「太るんじゃ無いの?」

「大丈夫だって、運動すれば良いだけだし

 そりゃ、私は女子野球やってるし!

 なんの問題も無いから」

「沢山食べたら、運動しても

 消費間に合わないかも知れないよ?」

「た、多分大丈夫だし……

 ま、まぁそれより、詩歌はどうして?

 詩歌もお菓子買いに来たとか?」

「いや、私は買い物だね、家の手伝い」

「そ、そうなんだ、あ、間からわず凄いね…

 うー、私も家の手伝いしようかな……」

「良いんじゃ無いかな? 手伝って欲しいと

 そう言われてないんだったら」

「いや、やっぱり何か情け無いから手伝う!

 じゃあ、私はお菓子買って家に帰ろっと。

 ……ポテチとチョコとアイスクリームと」

「……買いすぎじゃ無い?」

「大丈夫!」


そんなことを言いながら、

明梨ちゃんはお菓子を買って帰ってく。

よくあれだけ食べて太らないよね。

よし、私も私で買い物をして帰ろう。


本当、優歌に疑われて焦ったけど

今日は何とか凌ぐことが出来た。

優歌もお母さんが居る状態で

私に色々と話を聞くのは避けたみたいで

家に戻った後に言及はされなかった。

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