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連携の為に

喫茶アズキまでそこそこ距離がある。

とりあえず自転車でその場所へ向う。


「っと、そろそろだね」


しばらく移動して、ようやくアズキに着いた。


「早いわね」

「どうもー」


アズキに到着すると同時に

癒美ちゃん琴梨ちゃん

そして、見たこと無い子が居る。


彼女はショートで白髪の少女だった。

服装はかなりシンプルで

ただの白いTシャツだけだった。


無地という訳では無く、一応言葉が書いてあって

背中の方にゆっくりしていってね~と書いてある。

ず、随分と緩い言葉だけど、

そのTシャツは……どうなの?


髪の毛もかなりボサボサだし、

Tシャツだってよれよれだからね。


でもなんだろう、髪の毛は艶々なんだよね。

ボサボサだけど艶々……どうしてかな?

肌も手入れされてるように感じるし、うーん。


「紹介するわね、この子が亜寿佐よ」

「ういっすー、亜寿佐って言うっすよー

 因みに名字は黄道こうどう

 まぁ、呼びにくいでしょうから亜寿佐で」

「彼女は中学3年生でね」

「実はこの辺りじゃ無くて、隣町の中学っす。

 大鈴中学っすよ」

「大鈴中学って、確か強豪校だよね。

 何だったかな、優歌が言ってたような……」

「元強豪校っすね、サッカーの強豪中。

 実は5年前から、宮野中が強すぎて

 マジで勝てなかったそうなんっすよね」


5年前……って、確か私が中学生だったときだね。

今の私は高校2年生だし。


「あー、そうね、その頃の宮野中は強かったわ。

 人数が少ないけど……」

「そうだったんだね、よく覚えてないや」

「……ある人物が強くてね、非正規部員だけど」

「え? 誰だっけ、そんなに強い子」

「……あなたは妙な所覚えてないわよね。

 あなたよ、あなた」

「え!? 私!?」

「マジっすか!? 癒美先輩!

 この人が中宮の不沈艦なんっすか!?」

「え!? 何その変なあだ名!」

「無尽蔵のスタミナを持って

 最初から最後までパフォーマンスを落とさず

 常時最高のパフォーマンスをしてたのが理由で

 不沈艦とか、

 無限タンクとか言われてたらしいッスよ!」

「詩歌のスタミナが無尽蔵なのは昔からだからね。

 運動神経だけで言えば、他の追従を許さないし。

 どんなスポーツでもあっさりこなすしね」

「そうなんですか! 流石は優歌様のお姉様!

 悪魔も1人で倒しますし、憧れますぅ!」

「あ、悪魔1人でやっちゃうんだ、この人」


やっぱり悪魔を1人で倒すのは異常なのか

亜寿佐ちゃんも私の方を見て若干驚いていた。


「さて、それじゃあ軽く今後を考える為に

 ゆっくりと話し合いをしましょう」

「うん。あ、そう言えば自己紹介してないや。

 一応自己紹介をするけど、私の名前は詩歌。

 霊宮 詩歌って言うよ、よろしくね」

「ハイっす、よろしくッス、詩歌先輩」


あんまりやる気を感じるという雰囲気は無いけど

彼女はかなり上手な笑顔で私の言葉に応えた。

人間関係を築くのが得意なのかも知れないよね。


「さて、じゃあ今後の事を考える為にも

 お互いが得意な立ち回りを話しましょう」

「今更必要っすか? 全員で集まって」

「必要よ、お互いの交流のためにもね。

 そもそも詩歌は未だに私達と共闘できてない。

 私達が合流する前に1人で倒すからね」

「あまり長期戦になると危ないし」

「そもそも悪魔に1人で勝つって言うのが

 かなり困難っすよ。

 運良く弱い悪魔に当っただけだったとしても

 まず間違いなくボロボロになるっすからね。


 私も経験あるっす、

 最初に戦った悪魔を倒した時

 かなり苦戦して勝利して、

 もう戦いたくないって思ったっすよ」

「私もあるわ」


苦戦するとは思えないけどね。

でも、あの落ち武者の悪魔は強かったよ。

狼さんの悪魔はそこまで強くなかったけど。


「まず間違いなく、詩歌は私たちの中でも

 トップレベルの実力を持ってるのは間違いないわ。

 近距離、中距離、遠距離、

 全ての距離に対応出来る武器も出せる精霊。

 

 普通であれば、

 多種多様の武器なんて出せたとしても

 使いこなせないけど、

 詩歌は天性の運動能力がある。

 どんな武器でもきっと使いこなせるでしょう」

「そ、そんな褒めないでよ、恥ずかしいじゃん」

「だから、私達全体の生存率を上げるためにも

 詩歌には私達が得意とする距離を

 しっかりと覚えておいて欲しい。

 まず、私の精霊、

 巴は接近武器を全体的に出せるわ。

 その中でも大剣が最も得意なのは伝えたわね」

「そうだね、聞いたよ」

「私の基本的な立ち回りは前衛。

 状況に合わせて火力を出すために大剣を使う。

 そう言う立ち回りが私の立ち回りよ」


状況次第で武器を切替えて、

当てに行くときは大剣。

そんな風に立ち回ってるって事だね。

大剣を扱ってない状態だと相手に隙が出来てない

そう言う事だと考えても良いだろうね。


「わ、私も昨日お話ししましたけど

 銃火器が基本的に召喚出来る武器です。

 その中でも連射武器、アサルトライフルとか

 ライトマシンガンとか、マシンガンとか

 後、確かサブマシンガンって言うのも出せます

 とにかく乱射が出来る武器しか出せません。

 私の精霊がそう言う、乱射するのが大好きで…」

「出せる武器は精霊の性格や才能が大きく出るわ。

 変身したときの容姿も

 精霊の容姿に影響されるしね。

 とは言え、その武器を扱うのは

 契約者の技量次第だけど」


色々な武器を扱える能力が無いと

色々な武器を召喚して貰っても勝てない。

そう言うことなのかも知れない。

もうちょっと色々と練習した方が良いかもね。


「そして、私は槍が得意っすよー

 私が契約した精霊は大の槍好きで

 長槍、槍、短槍、投槍とか、

 とにかく槍ばかりっす


 三節根の様に、槍の持ち手がばらけて

 鞭の様にブンブンしたりもするっす。

 節も結構変わるんで、最大16箇所

 もう槍とは違う物になるっすけどね。


 槍を棒術を扱うようにブンブン回すと

 その分、色々と攻撃力が上がったりするんで

 戦闘中、無駄っぽい事をするかもっすけど

 それは、戦うために必要な事なので

 遊んでる訳じゃ無いっすよ?


 特に投槍は回せば回すほど

 投げたときの破壊力が上がるんで

 私が距離を取って無駄に槍を回してるときは

 投槍の準備をしてる証拠なので、

 その時はカバーお願いしたいっす」


一気に高い破壊力を誇る遠距離攻撃。

状況を動かしたり、傾けるときに使うのかもね。

もし頭が良い悪魔が相手だった場合

確かにカバーをしないと狙われそうだよね。


明らかに不自然に距離を取って槍を回してる。

それは露骨に何かを用意してるって分かるし。


「私達が3人で立ち回ってる間だ

 それぞれの特殊な行動があったのよ。


 まず状況を傾けたい時には亜寿佐が動くわ。

 悪魔から大きく距離を取り

 力を溜めて一気に叩き込んで状況を動かす。


 私が大きく動く場合は状況が優勢で

 一気に悪魔を追い込むときは私が大剣を召喚して

 一気に攻撃を仕掛けて打撃を与えてた。

 

 で、手数を叩き込みたい時とかは

 琴梨が動くわ、直線上に悪魔を誘導して

 設置型のマシンガンを展開。

 そのまま一気に弾幕を展開する形よ」


これが特殊な状況で3人が取る行動なんだね。


「基本的な立ち回りは私が前衛で注意を惹き

 琴梨が長距離から悪魔をジリジリと削り

 悪魔が隙を見せたら、亜寿佐が槍で攻撃。

 そう言う立ち回りが基本だったわ」

「ハッキリと分かれてたんだね。

 じゃあ、私は状況次第かな?

 火力が欲しいときは後衛に回って

 攻撃力が高い悪魔が相手だった場合は前衛。

 防御力が高い悪魔が相手だったら中衛かな?」

「本当、どの距離でも戦えるンっすね。

 得意武器とかそう言うのはあるんっすか?」

「今まで使った武器は拳銃と打刀だね。

 抜刀術で戦ってたよ。

 でも、私は槍術も出来るし薙刀も使える。

 弓道もやってるから、弓術も出来るし

 柔道もやってるから格闘技も出来るよ」

「本当、聞けば聴くほどにあなたは

 色々な事が出来るわね。

 まぁ、全部活に実質参加してるような物だしね」

「ほへぇ、こりゃ凄いや」

「運動神経くらいしか、

 私には取り柄が無いからね」


とりあえず、これでお互いの動きが分かったね。

私がやるべき行動も分かったし、有意義だね。


「詩歌!」

「え? あ、リック、どうしたの?」

「悪魔だよ!」

「え!? まだ明るいのに!?」

「ちょ、巴、どうなの?」

「わ、私には気配は…」

「タージは?」

「うーん? 全然気配感じ無いけど?」

「じゃあ、分かりきってるけど

 一応聞こうかな-、黒鵜くろう

「無論、気配など感じぬ、だが従うべきだろう」

「なんでリックだけ気配感じるの?」

「分からないけど、気配を感じるんだ。

 勘違いじゃ無いよ」

「……なら、従いましょう。

 悪魔を倒すのが私達の使命だから」


まだ早い時間なのに、どうして悪魔が。

よく分からないけど、リックを信じよう。

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