日常の一コマに
土曜日で何とか宿題終わった。
うぅ、頭が痛い気がする……
「本日、13時35分頃」
ボーッとしながらテレビを見ていると
自殺に関するニュースが放送されてた。
ニュースはあまり見る機会が無いけど
そう言う暗い話題が絶えないのかもね。
この人も、悪魔のせいで自殺しちゃったのかな…
(リック、悪魔ってどれだけ居るの?)
(うーん、全く分からないんだよね。
悪魔に関して、私達もよく分からないの)
(そうなんだ……)
どうすれば悪魔が生まれないように出来るのか。
それがさっぱり分からないけど
その方法を見つけないと、
根本的な解決にはならないよね。
「姉ちゃん、宿題終わったー?」
「うん、何とか。優歌は終わったの?」
「当然じゃん、もうとっくに終わってるよ」
優歌は勉強がかなり出来るからね、私と違って。
「あ、姉ちゃん、実は聞きたいことがあって」
「あ、ちょっと待って」
優歌が何かを言おうとしたときに電話が鳴った。
私は自分のスマートフォンを取り出した。
「あ、癒美ちゃんだ、はいもしもし」
(もしもし、詩歌、今時間大丈夫?)
「うん、宿題も丁度終わったし、大丈夫だよ」
「え? 癒美さんと何かすんの? マジで?
私も行って良い?」
「優歌、今電話中だから、
会話中に割って入ろうとしないで」
(残念だけど、今日は詩歌と話があるの。
そのー、学校の行事とかの話をするだけなの)
「え? そうなんですか? 残念」
優歌がちょっとだけ寂しそうな表情を見せて
少しだけ私から離れた。
そして、だらけた姿勢でアイスを食べ始める。
「部屋に帰らないの?」
「まぁ良いじゃん、減るもんじゃないし」
「まぁそうだけど……後、パンツ見えてるから
もう少し隠す努力してよ。
そもそも、その格好でそんな姿勢しない」
「姉ちゃんに見られても何も無いって。
隠すような間柄でも無いし良いじゃん」
「はぁ、だらけすぎ……」
本当に普段こんな振る舞いばかりを見てるから
優歌が学校じゃアイドル的存在とは思えない。
かなり褒めてたもんね、琴梨ちゃん。
本当、琴梨ちゃんが嬉々として語ってた優歌が
この私の目の前にいる、
ダラダラした子に思えない。
今だって、ボサボサの髪の毛だし、
だらけた部屋着だ。
そりゃ、私も髪の毛はあまり整えないけど
優歌みたいに長い髪型なら
整えるのは必要なのにね。
綺麗な黒髪なのに、本当に勿体ないと思う。
一応、前髪を整えようとはしてるのか
私がプレゼントした四つ葉のクローバーが付いてる
髪留めを付けては居るけど
そこ以外になんのアクセサリーも無い。
一応、洗濯物を入れようとしてたからなのか
スカートを履いてるけど、
その格好で胡座を書いてる。
パンツとか隠す気が無いし。
(私が知ってる優歌ちゃんって感じね、本当に。
あの子が嬉々として語ってた子と
同じには思えないわね)
「それは本当に思う…」
「ん? 何で私を呆れた表情で見てるのさ。
え? まさか今、悪口言われてる!?」
「悪口というか、呆れと言うか
学校の話を聞く度に嘘見たいって思うんだよね」
「え? 私の噂とか聞いたの?
そりゃ出任せだよ。
私は基本的には無気力なんだよね。
ただ気に入らない奴が居たら容赦しないだけで」
「でも、生徒会長に推薦されたとか聞いたけど?」
「え? 誰から聞いたのそれ、
いやまぁ確かにさ~
生徒会長になって欲しいとか
そんな事を言われた事あるけど
私、周り引っ張り回すの得意じゃないし。
そもそも面倒な事したくないしね」
でも、琴梨ちゃんが言ってた話が本当なら
性格が悪い先生を口で黙らせたんだよね……
ぜ、全然想像出来ない……
「て言うか癒美さん! 私の話をするなら
私も誘ってくれても良いんですよ?」
優歌が結構会話に参加したがってるから
とりあえず会話モードをスピーカーにしてみる。
(いや、あなたの話をするわけじゃ)
「お、ナイス、やっぱスピーカーだと
私も聞き取りやすいね。
姉ちゃんばかり話ししてて、羨ましいと思ったし」
(そんなに私と話がしたかったの?)
「当然じゃ無いですか、長い付き合いですし。
そもそも、姉ちゃんと仲が良い人達とは
大体仲が良いのが私ですし~」
確かに優歌は良く私と一緒に動いてたから
私の同級生とは皆、かなり仲が良いんだよね。
逆に私は優歌が同級生と遊んでたり
仲良くしてたりしてるところを見たことは無い。
大体優歌は私と一緒に居るか、
家でゴロゴロするか。
それ位しかしてないからね。
「それに、癒美さん最近、
ここに来ないですもんね。
高校生になってから、1度も来てないですし」
(私も色々と忙しいからね。
結構距離もあるし、あまりね。
でも、これからはよく電話をすると思うわ)
「え? 何でですか?」
(そうね、色々と一段落付いたからね。
まぁ、その話は今は良いわ。
今回は詩歌と話があるの)
「はーい」
ちょっとだけしょんぼりした後
優歌が大きく背伸びをした。
「じゃあ、姉ちゃん、私部屋に戻る。
癒美さんによろしく言っといて~」
再び起き上がり、アイスクリームを咥えた後
優歌はゆっくりと階段を登っていった。
「ごめんね、優歌が」
(いや、私も久しぶりに会話が出来て
中々嬉しかったわ。
それで詩歌、今日会えない?)
「結構遅いけど大丈夫? 私は大丈夫だけど」
(今後の事、
やっぱりしっかりと話をした方が良いからね。
明日も休みだし、ゆっくりとお話ししましょう)
「ん、分かった、何処に行けば良いかな?」
(そうね、喫茶店あるでしょ? 喫茶アズキ。
そこで会いましょう)
「分かった、アズキだね、今から行くよ」
(ありがとう)
「気にしないで」
よし、アズキだね。
用意していこう。