影が差す日常
今回は魔法少女風の作品となります。
あまり長期の作品にはならないと思いますが
ゆっくりと書いていこうかと思いますので
今後ともよろしくお願いします!
いつも通りの高校での授業。
勉強をして居る間、とても暇だけど
友達と一緒に何かをするこの時間はも
また、良いかも知れないと思ってたりする。
だけど、私ってば頭悪いんだよね……
「はい、詩歌さん、赤点!
もっとしっかり勉強しなさい!」
「す、すみません!」
全員の前で赤点と言われてしまった……
うぅ、クラスメイト達の笑い声がぁ……
「詩歌さん、しっかり勉強しなさい。
あなたが色々と頑張ってるのは分かるけど
ちゃんと自分の事を考えなさい。
勉強をして損する事は無いんだから」
「は、はい……」
「最近は特に成績が悪いわよ
理由は分かるけど」
私は何かが気になると色々と集中出来ない。
先生もその事は分かってるんだと思う。
だって、今の問題は明らかだったから。
少し考えた後に、私は振り返る。
殆どの席が埋まっている中
一箇所だけ埋まっていない席。
私の親友が座ってた席。
「……癒美さんが心配なのは分かるけど
しっかりと勉強しないと、進学できないわよ?
あなたが良い子なのは知ってるけど」
「ご、ごめんなさい」
その日、私は補習を受けた後に家に向う。
普段ならクラブ活動をしてる私だけど
補習があったから、今日はクラブ活動は無理。
体を動かすのが好きだから、ちょっと寂しい。
まぁ、私は助っ人で呼ばれてばかりなんだけど。
「詩歌、やっと終わった?」
「うん、待っててくれたの?」
「まぁね、人数少ないんだし」
校門で同級生の8人が待っててくれた。
ちょっと嬉しいけど、やっぱり申し訳無い。
「詩歌、勉強教えてあげてるのに
相変わらず、勉強覚えるのだけは駄目だよね」
「うぅ、集中も出来ないし、何だかなぁ」
「体を動かすことはすぐに覚えるのにね」
「本当、詩歌って運動神経だけは良いからね。
そろそろ運動部に参加したら?」
「それは困るわ、詩歌が1つの部に参加したら
他のクラブの助っ人が居なくなるし。
勿論、剣道部に入部するなら良いけど」
「駄目駄目! 詩歌はサッカー部のエース!
参加するならサッカー部よ!
ストライカーもキーパーも出来るし!」
「女子野球よ! 人数少ないけど大会に出れれば
4番でエース! きっとスカウト間違い無しよ!」
「まぁ、こう聞くと、詩歌が部活をしてない理由
凄く分かるって感じよね」
「あ、あはは、助っ人で呼ばれてばかりだからね」
頭は悪いけど、運動神経だけは良いからね。
「じゃあ、私はこっちだからね、また明日ー!」
「うん、また明日」
そのまま、全員が別々に別れていき
最終的に私1人になった、少し寂しいや。
「はぅぅ」
1人になって静かになったことで
改めて癒美ちゃんの事が心配になる。
でも、家が凄く遠いから行けないんだよね。
……今度の休みに、ちょっと様子を見に行こう。
「うぅ……ど、どうしよう……け、契約者……」
「大丈夫? 何か困りごと?」
家に向ってる最中に聞えてきた小さな声。
困ってるような雰囲気だったから
私はついつい無意識にその方向へ移動した。
……そこに居たのは、小さな生き物だった。
え? 何あれ、そ、空飛んでるんだけど。
翼もないのに空飛んでるんだけど。
いや、それよりも……え? この子が喋ったの?
2足歩行っぽい犬なんだけど。
ピンクのリボンを結んだ白い犬なんだけど。
かなりデフォルメされてる雰囲気の
可愛らしい白い犬なんだけど!?
「ふぇ!?」
向こうも私に気付いたのか、驚いたように反応する。
同時に大粒の涙を浮かべてこっちに来た。
「よ、よがっだぁあ! み、見えるんだよね!?」
「え? えっと、み、見える……けど……」
よっぽど嬉しかったのか、
涙ながら私の目の前に来る。
声からして、多分女の子なんだろう。
「じ、実は、わ、私、せ、精霊って言って……
その! だ、誰とも契約出来ないと、
し、死んじゃうの!」
「えぇ!?」
「でも、け、契約出来る人って、
わ、私の姿が見える人だけで
で、でもでも!
だ、誰も私の声に反応してくれなくて!」
「そ、そうなんだ……」
「あ、あと1日で、わ、私死んじゃう……
こ、恐くて!
で、でも、あなたが反応してくれて!」
「……う、うん」
契約って何だろう……よ、よく分からないけど
契約しないと、この子死んじゃうんだよね……
何だか恐い響きだけど、この子を殺すわけにも。
「け、契約してくれる?」
「……う」
「あ! 待って! い、言わなきゃ!」
「え?」
「じ、実は……わ、わ、私とけ、契約しちゃうと
あ、あく、悪魔って言う、恐い化け物と
戦う事になるんだ……」
「あ、悪魔!?」
「う、うん……こ、恐い化け物なんだけど
その、夜な夜な色々な人から生気を奪って
殺しちゃう、凄く危険な存在なんだ。
私達はその悪魔を倒す使命があって……
私達、精霊と契約した契約者も
その使命を背負わないと行けなくなるの…
勿論、私達の力を契約者の人に貸して
と言うか、私達、契約者さんが居ないと
ち、力を使えないから……でも、危なくて…」
「悪魔って、色々な人を苦しめてるの?」
「う、うん……生気を奪うから
ドンドン体力を奪われて、
最終的には死んじゃうの。
殆どの場合は、
自らで命を絶つように死んじゃうみたい」
そんな言葉を聞いて、
私はふと癒美ちゃんの事を思い出す。
癒美ちゃんが学校に来なくなる少し前から
癒美ちゃんは明らかに表情がやつれていた。
話を聞いても、何も教えてくれないで
テストが終わってから、すぐに来なくなった。
……も、もしかしたら、癒美ちゃんは悪魔に。
なら、助けないと……でも、違うかも知れない。
だけど、仮に違ったとしても色々な人を苦しめる
そんな悪魔を倒さないと。
「……ねぇ、悪魔って……本当なの?」
「う、嘘は吐かないよ……
わ、私、死にたく無いけど
嘘を言って、
契約者さんを危ない目には遭わせたくない。
死ぬのは恐いけど、
それ以上に……迷惑を掛けたくない」
「……」
この子は、死んじゃうのが恐いけど
それでも、無理に巻き込みたくない。
だから、私にこの事を教えてくれた。
「ど、どう……かな?」
「……うん、契約するよ」
「本当!? で、でも……危ない目に遭うよ?」
「うん、それでも私は
困ってる人を助けたいから。
私の大事な親友も
悪魔に襲われてるかも知れないしね」
「……じゃ、じゃあ!」
「うん、どうすれば良いのかな?」
「じゃあ、私を抱きしめて欲しいの」
「え? うん」
ちょっと困惑しながら、私は彼女を抱きしめた。
同時に暖かい光りが私を包み込んだ。
「な、何!?」
「これで、契約完了……なの」
「な、何も変わってないよ?」
きょろきょろと自分の体を見た後に
近くのカーブミラーで自分の全身を確認した。
変わらない癖が強いショートカット。
服装も制服だし、
瞳の色も髪の色も変化がなく黒い。
「す、姿はまだ変わらないの」
「まだ?」
「うん、変身すると姿が変わるけど
今はまだ契約しただけだから」
「そうなんだ」
そう言えば、あの子は何処に行ったんだろう。
あの光りが私を包んだ後、姿が消えたけど。
「ねぇ、今どこに居るの?」
「あ、ここだよ」
私のすぐ近くで何かが僅かに光ると
半透明になったさっきの子がそこに居た。
「は、半透明になってる……」
「契約すると、こんな風に半透明になるんだ。
それと、私の今の姿は普通の人には見えないの。
同じ契約者さんには今の姿なら見えるんだけど
私が姿を消してる状態だと見えないんだ。
あなたから少し離れてる場合も見えないの」
「そうなんだ……」
「それと、今の状態だと心の声でも会話出来るよ。
私に話し掛けるように心の中で言葉を思い描くと
私に聞えるようになるの。
口に出しても聞えるけど、
普通の人の前だと
独り言を言ってるように聞えるから、
止めた方が」
「そ、そうなんだ」
1人でいるとき以外は心の声で話した方が良いかも。
「でも、変身してる状態だとずっと会話出来るの」
「へぇ……変身って、よく分からないけど」
でも、これでこの子も死なないですむし
悪魔に苦しめられてる人を助けられる。
「あ、そうだ、名前ってなんて言うの?
私は詩歌って言うの、
霊宮 詩歌」
「あ、わ、私はフェリックス・デリドーズ」
「外国人みたいな名前!」
「うん、自分でもそう思うんだよね、精霊なのに。
長いから、リックでいいよ」
「うん、分かった。
これからよろしくね、リック」
「うん!」
でも、なんで私って
あっさり契約しちゃったんだろう。
皆によく言われるけど、
本当に私って警戒心ないよね。
あはは……ま、まぁ、これから頑張ろう!
色々な作品を考えても続きが書けてない状態なので
今回は必ず書き切るという覚悟で書いていこうかと思います。
時間は掛るかも知れませんが、よろしくお願いします!