もう一つの物語2
リクエストにお応えしましてもうひとつの物語第二弾!です。
今回は決闘の場面でエルが美少年だったという設定です。
これはもう一つの物語。 世界の可能性の一つだ。
さぁ、封を解いてみよう――――――
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「アンリ·コレットさん、貴女に決闘を申し込みます!」
この人は確か……生徒会長? あぁ、もしかしてレオンやクロノと話したいけど僕たちがいるから寄りづらいのかな。
「ねぇ、お姉ちゃん……」
「勿論受けてたちますよ~」
「ええっ!?」
「そう……では時刻は明日の今ごろ、校庭に来てください」
「わかりました~」
なんで受けちゃうの~!?と驚いている僕を無視してどんどん話が進んでいった。
会長が立ち去ったあと僕はアンリに食って掛かった。
「お姉ちゃんなんで受けちゃうのさ!?」
「決闘を断ることは双方の恥になりますから~。それと、ずっとチラチラ見られるのは嫌なので~」
「もう……やり過ぎないでよ?」
「もちろんわかってますよ〜」
いつもよりニコニコしているアンリに不安を感じながらも翌日の昼を迎えた。
「逃げなかったようですね」
「えぇ、負けることは有り得ませんから~」
そして始まった決闘だが会長が接近して剣を振ろうとするのに対し、アンリは距離を取って魔法と銃で戦っている。
驚いたことに会長は剣に魔力を通す「エンチャント」を使えるらしい。
この技術は新米騎士が昇格試験で出されるもので毎年十人以上の新米騎士に涙を飲ませた高等技術だ。
「クッ、距離の取り方が上手い……」
「エンチャントとは厄介ですね~。なら……」
「あ……マズイ……」
嫌な予感がよぎった瞬間押さえていたアンリの魔力が解放された。
その魔力の多さに硬直した会長にアンリは全力で魔法を放った。
「ホーリーフォール!」
会長が避ける間もなく光に包まれる。その場にいた全員が会長の死を考えたその時光が散り、剣を持った男子生徒と呆けている会長が姿を現した。
―――――――
負けることは有り得ないと思いました。最強の新入生といえど幼い頃から剣を振っている私に勝つことは出来ないだろうと……結果は違いました。
私はアンリさんに負け、今目の前にいる男子生徒に助けてもらわなかったら死んでいたでしょう。
この人は一体? アンリさんと一緒にいたのは覚えていますが……
「大丈夫ですか? 会長?」
「え、えぇ」
「間に合って良かったです。危険な技を使ったのでアンリの負けです。ですが決闘の要求に関しては明日にしませんか? お姉ちゃんに強く言っておかないといけませんから」
「ところで貴方は?」
「エルミリー・コレットです。アンリは僕の姉です」
こんなカッコいい男の子がいるなんて……!
勝ったらレオン様やクロノ様に近づかないように言う予定でしたが予定変更ですね。
絶対にこの子を振り向かせてみせる。そう決意しながら私はエルミリーの申し出を承諾したのだった。
――――――――
私は今人生最大のピンチかもしれません……目の前には本気で怒っているエルちゃんがいます。
怒られるのは確定は私に非があるので大人しく怒られますが、それでエルちゃんに嫌われるのは嫌です~!
「お姉ちゃん……やり過ぎないでよって言ったよね?」
「それは、その~、なんと言いますか~……」
「お・ね・え・ちゃ・ん?」
「は、はいっ」
「僕が止めなかったら会長を殺してたんだよ!? 自分の周りにいる人を大事にするのも不躾な視線にイラつくのもよくわかるよ? それでもホーリーフォールなんてやりすぎだよ! 明日会長に謝りにいくからね!」
「はい……」
普段は明るくて優しいだけに怒るとすごく怖いです……鞘から抜いていないとはいえ手に剣が握られているのもあって威圧感がすごいです。
これからはやり過ぎないようにしよう。
そんな思いを抱えながら私はエルちゃんの二時間耐久お説教タイムでこんこんと叱られ続けた。
次の日、朝一番で僕たちは会長に謝りに行った。
会長は快く許してくれたが代わりに僕は週一で会長主催のお茶会に強制的に参加することになった。なんで!?と聞くと、
「昨日の決闘を見ていたみんながエル君と話したいって言ってきて、私もそうしたいなって思ってたからちょうどいいかなって。決闘を邪魔した事への罰として大人しく受け入れて頂戴」
「そんなぁ……」
アンリの暴走を止める筈がどうしてこうなったと思いながらも決闘を邪魔したのも事実なので強く言えず結局週一で先輩方に揉みくちゃにされるのだった……
「どうしてこうなった!?」
と叫んだところで目が覚めた。
どうやら夢だったようだ。先輩に揉みくちゃにされはしたが男の子の姿だったのは良かったなぁと思いながら私はまた眠りの世界に落ちていくのだった。
今回決闘で戦ったのはエルではなくアンリでしたがこれはエルが美少年なら女の子はアンリだけになり、会長はレオンとクロノのよう美少年が周りにいるエルとアンリに嫉妬して決闘を申し込むという経緯があるのでアンリが戦うことになりました。




