魔導書作成準備
魔導書を使っていてわかったことがいくつかある。
一つ、魔導書は使い捨てなこと。二つ、本に魔力が込められているのではなくインクに込められていること。
これらは使い終わった魔導書からは魔力とインクが消えていたことから推測できた。
それをみんなに伝えるとみんなは驚きと呆れが混ざった顔をした。
「何回か見ただけで国の機密を暴くとはね……」
「流石というかなんというか……」
「でも学園長はエルちゃんが使った魔導書を使っていましたよね? あれは何故なんでしょう?」
「私の魔力が多すぎて魔導書がもう一度使えるようになったんじゃないかな。それより会長、いつまでも物陰で羨ましそうに見てないでこちらへ来たらどうですか?」
「えっ!? 会長!?」
「あ、あはは…
物陰から会長が気まずそうな顔をしながら出てきた。何故か顔が赤いのを気にしないようにして私は会長に話しかけようとして舌を噛みそうになった。アンリがいきなり私に抱きついてきたからだ。
「お姉ちゃん、いきなりなにするの」
「ん~? エルちゃんを撫でてるんだよ?」
「それはわかってるよ。なんで私を撫でているのか聞いているんだけど」
「それはエルちゃんが可愛いから~」
この状態のアンリになにを言っても無駄だと思った私は助けを求めてみんなを見たが会長は羨ましそうにこっちを見ているしレオンとクロノは顔を赤くして明後日の方向を向いていて助けてくれそうにない。結局私はアンリが満足するまでナデナデされてしまった。
「ハァ…… それで会長、なぜ物陰から見ていたんですか?」
「だって…… みんな楽しそうで話しかけづらかったし…… 集中力を乱しちゃいけないなと思ったから…」
こんな乙女みたいな子が会長だと聞いて信じられないかも知れないが信じてほしい。
あの決闘のあとから会長は私にのみこのように乙女のような反応をするようになった。
正直私や周りの人は凛々しかった会長の変わりように驚くよりも引いていた。
しかし人間時が過ぎれば慣れるもので最近はあまり気にしなくなったが抱きつかれるのは流石に慣れない。
「会長次からは気にせず声をかけてください。声をかけられて制御できなくなるほど私たちは未熟じゃありませんよ」
「う、うん…… そうするね」
魔導書の原理は理解できた。後は描くだけだなと思ったところで魔方陣がわからないことがわかった。
魔方陣は呪文を詠唱すると自動で展開するので脳裏に思い浮かべる必要がない。
「どこかに魔法陣が載っている本はないかなぁ……」
「それなら俺が用意できるぞ? 魔導書はともかく魔法陣については機密じゃないからな、どこかに載っているだろう」
「ホント!?」
私は思わずクロノの手を取った。
「あ、あぁ。送ってもらえるように後で頼んでおくよ」
あ、また顔が赤くなってる。なんでかなぁ……
「エル、顔が近いよ」
「え?」
今の状況を振り返ると私はクロノの手を握って顔を覗き込んでいるだけだけど……なにか問題あったかなぁ……
「なんで顔が赤いのかわかってなさそうですね~。エルちゃん、今のあなたは女の子なんですよ~? 前までのあなたは女の子にこんなことされたらどうなりますか~?」
そういわれてようやくクロノの顔が赤い理由がわかった私は顔を赤くして飛びのいた。
「ご、ごめん!」
「い、いや。気にしないでくれ……」
お互い顔を真っ赤にしてうつむいている私とクロノに満足したのかアンリは今日は解散にしようと提案した。
いろいろありすぎて疲れた私たちは解散することにしたがふと気が付いたようにレオンが口を開いた。
「そういえばさっきアンリが今のエルちゃんが女の子だって言っていたけどエルちゃんって何者なの?」
「あー…… 実はね……」
こうしてコレット家の秘密をみんなに暴露することになり、三人が離れて行ってしまうのではないかと私は不安になったが、三人は驚いていたけど今は女の子でおれの友人だと言ってくれた。
「フフッ、三人のことだから心配いらないと思っていましたけど流石に不安でした~。二人とも、ありがとうございます~。これからも私たちと遊んでくださいね?」
『もちろん!』
「ほら、エルちゃんも」
「う、うん」
私もお礼を言おうとしたが、嬉しくて上手く声が出ない。そんな私をみんなは笑顔で待っていてくれ、私は大きな声で、「ありがとう! これからもよろしく!」と言った。
これからは魔導書を作りつつ騒動に巻き込まれていくわけですがその前にもう一つの物語を投稿しようと思っています。なるべく早めに投稿しますね!




