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魔導書の研究

今回はちょっと短めです。

展開の問題で仕方がなかったんです! 許してください何でもしますから!

学園長、カッコいいキャラにしたいな~と考えていたんですがカッコよくなってますか?

「うぅ、私のお小遣いが……」


「自業自得です~。それよりも早く魔導書を試しませんか~? 詠唱型の魔法とどう違うのか知りたいです~」


「だね。なら早く食べ終わらないとね」


「魔法演習場を借りられる時間も限られているからな」



 今は翌日のお昼過ぎ。私は約束通りお昼ご飯を奢ることになり、私以外のみんなはカレリアパイをのんびり食べている。


 それを横目に、底をつきそうなお小遣いにがっくりしながら魔導書の使用準備を進めていく。


 と言っても使い方は簡単で血を少しだけ魔導書に垂らし詠唱するだけでいいらしい。


 どんな生物でも血液の中に魔力が備わっているらしく詠唱のときの魔法陣を本に閉じ込めているため魔法陣構築のための魔力が必要なく、結果魔力の消耗は少ないらしい。



「エルちゃん、食べ終わったから始めよう?」


「じゃあ始めるよ? まずは赤だから……火の魔法だね。初級のものしか買ってないけど一応壁際まで離れてね」



 三人が壁際まで離れたのを確認した私は魔導書を掲げ魔法を詠唱したのだが……たき火程度の火を出すはずが出たのは大きな音と火柱だった。



「えぇ!? なにこれ!?」


「おいエル! 魔導書が!」



 クロノに言われて魔導書を見ると魔導書も燃えており慌ててバタバタと振り消火した。


 火が収まった場所を見てみるとものの見事に真っ黒だ。


 この惨状に誰も喋ることが出来ずに顔を見合わせていると爆音に驚いたみんなが集まり始め収拾がつかなくなりそうだと思ったそのとき……



「一体なんの騒ぎだ?」


「が、学園長… わかりません。爆音を聞いて駆けつけたのですが……」


「ふむ、なら当事者に話を聞いてみるとしよう。そこの四人、君たちはなにをしていたんだ?」



 そこでようやく硬直が解けた私は事情を説明するため学園長の前まで進み出た。



「実は魔導書に興味を持った私たちが使用実験をしていたのですが初級魔法の魔導書のはずが大規模な火を出して… 私たちも今起こったことが信じられません」


「その使用した魔導書は何処に?」


「この魔導書なのですが……」



 学園長はしばらく魔導書を見つめていたが、結論が出たようで静かに口を開いた。



「この魔導書には暴走した形跡がある。ただ魔導書作りに失敗したのではなく魔力を過剰に与えられたことが原因のようだ。君はどのように血を垂らした?」


「マニュアル通り指に針を刺して出てきた血を垂らしました」


「なら君は魔力を持ちすぎていて魔導書を暴走させているようだ。別の者が使えば問題なく発動できるだろう。さて、そういう事情のようだし私からの罰は無しにしよう。ほら全員解散しなさい」



 学園長に言われて不承不承といった様子で去っていくみんなを見届けた後、私は学園長に向き直り場を収めてくれたことへのお礼を言った。



「かまわんよ。それよりも君の身体は人形かい? 上手くできているな」



 なんでわかったの!?と驚いているとそれに気づいたのか、



「魔導書に必ずあるリミッターを壊すほどの魔力を持つ者はそうはいない。ましてや君ぐらいの年齢ならなおさらね。だから何かに魂が宿っているんじゃないかと思ったわけさ」



 と理由を話してくれた。



 話しながら演習場の真ん中まで歩いていった学園長は振り返って微笑んだ。



「せっかくだ、見せてあげるからよく見ておきなさい」



 学園長が操る魔法は魔導書を使っているのが信じられないくらいスムーズで美しく、宙に浮かぶ様々な色の火の玉に私たちは思わず見とれてしまった。



「まぁこんなものか。どうだい? 参考になったかい?」


「はいっ! とてもきれいでした!」


「そうか、では私は行くとしよう。四人とも頑張りたまえ」


「ありがとうございます!」


「よし! エルじゃ駄目なら僕たちがやってみよう! 良いよね?エル」


「勿論! みんなが使ったときの違いとかも見てみたかったんだ」



 学園長の魔法に興奮した私たちは陰で見ていた人に気づかなかった……


 



 私は廊下を歩きながら先程学園長が言っていたことについて考えていた。



「成る程、彼女の魔力が多いのは人よりも許容量の多い器に宿っていたからか。なら私も同じことをすればもっと強くなれるということか……」


「オリゲナ、何ぶつぶつ言ってんだ?」


「いえ、少し考え事を」


「気をつけろよ? お前は考え事を始めると周りが見えなくなるからな?」


「えぇ、気をつけます」



 おっと、考え事をしているとどうしても言葉にしてしまうな、そんなことを考えながら隣を歩く友人に当たり障りのない返事をした。


 それで納得してまた話始めた友人を尻目に私はもっと深く思考の海に潜るのだった。



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