仲間がいるから、冒険が楽しい。

移転成功？

「何でもいいけど、早く決めてよね！私も暇じゃないの」

モジモジしながらソルフが文句を言ってくる。

これってもしかしてーー

「トイレなら教室出て右に曲がると突き当たりにあるよ？」

「ばっばか、そんなんじゃ無いわよ！」

カー///っと赤面しかながら否定して来るが、すぐに教室を飛び出し右に曲がったという事は、そういうことだろう。

さて、話を戻そう。

どれも魅力的だが、剣,弓矢,盾に関しては異世界で劣化版を買えるだろうし、金を積めば良い物が手に入る筈だ。魔法も一種類使えれば良いだろう。

必死に働けば金も手に入る。ドラゴンとか倒したら一瞬で数百万くらい稼げるであろう。

それならーー

意思が固まったのと同時にトイレの女神が帰ってきた。

「女神はトイレなんか行かないんだからね？」

ハンカチを持っていないのか、手がびしょ濡れだ。手を洗ったのがバレバレであ。

「はいはい。ところで、加護が良いんだけど。あ、あとハンカチ貸そうか？」

「あ、ありがと。で、加護を選んだのね。どんな加護になるかは分からないけど、変な加護は少ないから安心しなさい？」

素直にハンカチ受け取るのかよ！と内心ツッコミを入れつつ、トイレの女神からハンカチを受け取る。

あれ、待てよ？

「おい、変な加護ってどんなのがーー」

「炎の女神、ソルフの名においてサトウ タケルの転移を許可する。メテンプシコージ！」

俺の質問を遮るようにトイレの女神が魔法を詠唱。直後、俺を中心に魔法陣が展開される。

魔法陣が眩い光を放ち、咄嗟に目を瞑る。

足で土を感じる...

どうやら転移が成功した様だ。風が心地よく、花の香りがする。遠くでは小鳥たちが楽しそうに囀る。

「来たぜ異世界！！」

俺は声を上げ、その場でバンザイをする。

そして気づいた。

「え、俺何も着てないじゃん」