女神少女とチート能力
ーーああ、毎日がめんどくさい。
Sin,cos,tanなんて社会に出てから何時使うのだ。歴史上の偉大な人物?そんな奴らの名前を覚えてなんの得がある。
そんな悪態をつきながら俺はいつも通り、1年A組の教室に入ろうとドアノブに触れた。
「その願い。叶えてあげる!」
ドアノブに触れた瞬間可愛らしい女の子の声が聞こえた。
聞こえたと言うよりも直接頭の中に響いたという感覚に近い。
「ああ、現実を悲観してついに幻聴が聞こえるようになったか」
俺はそんな事を呟きながらドアを開けると12,3歳程に見える赤髪の少女が俺の机に腰かけていた。
「あれ、君は迷子?職員室まで連れて行ってあげようか」
俺は親切に声をかけてあげたのに、少女は不満そうに口を尖らせ言い返してくる。
「はぁー?あんたバッカじゃないの?この私を見て、何も思わないわけ?」
「思わないよ。それより職員室に行こうか」
「もう!人を馬鹿にして!!私は火を司る神、ソルフ。神々さとか、感じないわけ?」
「どっからどう見ても子供じゃん。神々しさ?全く感じないねw」
「最低...でね?あなたが現世を悲観してるから、異世界に飛ばす実験台に...じゃなくて異世界で楽しい暮らしをさせてあげようかなって!」
「今お前、実験台って言わなかったか?」
「言ってない!」
やけに食いつき気味だが、まあいいか。
どうせ今の毎日に退屈していた所だ。これからもこの生活を続けるより、異世界で刺激的な日常を過ごす方が100倍良い。
「それじゃあ、異世界転移させてもらおうかな。もちろん、チートアイテム付きでな。」
「ふふっ良いわよ。それじゃあ、このガイドラインを読んで同意したら名前を書いてね!」
ガイドライン
・異世界転移する者は、武器、防具、金、または移転者が希望するもの1点を転移後の世界に持ち込むことが出来る。
・現世と移転後の世界では言語が異なるが、女神の力で調整される。
よし。異世界に行こう。俺はそう決心して名前を書く。
(フリガナ)サトウ タケル
氏名 佐藤 健
「それじゃあ、それじゃあ、異世界に持って行きたい物をこのリストから選んでね!これ以外で持って行きたいのがあればそれでも良いけど」
・聖剣
転移された者にのみ操れる剣。
圧倒的な切れ味は他の追随を許さない。人間の身体程度なら素振り同然の力で真っ二つにできる。
・聖弓矢
転移された者にのみ操れる弓矢。
唯一無二の飛距離と1ミリ単位で狙いを定めることの出来るコントロール性能を併せ持つ。
・聖鎧
転移された者のみ着用できる鎧。
圧倒的な防御力は物理攻撃,魔法攻撃を無効にする。
また、通気性,気密性に優れる。
・全魔法適性
炎、水、風、光、闇の魔法適性を習得できる
・加護
転移された者のみが持つ特別な力
どんな動物よりも早く走る事が出来る加護や、相手の思考を読む加護等がある。どんな加護が付くはランダム
・聖金貨10枚
転移後の世界における最高位に値する金貨。
日本円で1枚500万円の価値がある。
うーん。なるほど。
剣でドラゴンを一太刀にするのも良いし、弓矢で遠距離から狙撃するのもカッコイイな。それとも支援魔法で仲間を支援?加護持ちになると色々便利そうだし..,そもそも大金持ちになってのんびり暮らすか?
それともーー
「なるほどね...スマホもあり?」
「別にいいけど...電波飛んでないし、充電も出来ないわよ?」
「ならやめた。」
現世から持って行きたい物もないし、この中から選ぶか。
さて、どれにしようか?