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魔女っ子に男の子が選ばれたら  作者: フローラルカオル
9/16

体操服とツインテール

このまま魔法少女やめたら、ミケランジェロはいなくなるのか?

ただのしゃべらない猫になるんなら、いてもいい。


色んな服を試してみたメアリ。

「服がきまらんー!!!」


すでに3時間が過ぎていた。持ってる服をかき回し、世話係のメイドを困らせる。部屋はぐっしゃぐしゃだ。


メアリは

「服がない。かわいい服がない。どうしたらいい」

そんな服の山で嘆いていた。


ドロシーはやれやれと言った顔をした。

「そんなあなたには、コレ」

通販のように話しかけた。


ピランと突き出されたのはあまりにも質素な服だった。


メアリは

「そんな服嫌だー」

泣いた。

ドロシーは

「いいえ。これは女子の最強コスチューム。体操服よ」


ドロシーが差し出したのは半袖のそれに、名前が書いてある。


山田 メアリ


ありがちな名字をくっつけてみた。下のパンツみたいなのはブルマってやつだ。こんな粗末な服、メアリは絶対着ない。


メアリは

「うわわぁぁぁぁん」

最強じゃない。そんな服の良さなんてわからない。


ドロシーは

「これにハイソックスと、上履きを履いたら完成です。赤白帽はツインテールには難しいから、諦めましょう。」


諭すように言うが、

「やだやだやだ!」


メアリは了承しない。安く見られたくない。かわいく見られたい。なのに、服が何着たらいいかわからない。



ドロシーは

「嫌なら、どうするの?あなたの年齢ならこれ。とりあえずこれを着なさい。間違いないから」


メアリはグスンと鼻をならす。

そして

「……うん。」










もうすぐ夕暮れだ。颯真は帰りながら、あの原っぱに来る。短いようで長かった。やっと重すぎたあの服から解放される。

これからどうなるのか、不安は残る。けど、どうやら、自分の力でできるのはここまで。

魔帝がもう一度攻めてきたら、この世は終わるかもしれない。





ブーブーブー



正にその時だ。

遠く見えていた穴から誰かキョロキョロ見渡している。

その金のツインテール……



魔帝………



颯真は隠れる。まさか。ここにミケランジェロはまだいない。


石がどうとか、取りに行って来るだかで、どっかいってしまったのだ。まさか今……


颯真は隠れながら見た。魔帝は穴から外に出るのをためらっているらしい。先に出たエロ教師風のドロシーがメアリの手を引っ張っている。


メアリは

「ひっぱるな。こけるー」

文句言っている。


また人間の世界を支配するなんて言われたら困る。しかし、変身してない体で戦って勝てる相手とも思えない。しかし、このままほっとけない。


颯真は立ち上がった。

「二人とも、また会ったな」

颯爽と現れた颯真。


メアリはポカンとする。

(ちゃんと男の服着ているぞ。いや、しかも制服ってやつか⁉)


ドロシーは

「まぁ、制服萌え」

隠さない。


颯真はこの人苦手だと思う。

メアリは

「わた、わた、わた、私は…………」

まだ出てこようとしない。


ドロシーが

「さっさと出る」

引っ張った


メアリは

「うきゃーーーー‼」


引っ張り出されたメアリは体操服だった。ぺたんと草の上に座り込んでしまう。


山田メアリ。


そう太いペンで書かれた名前の布が縫い付けてある昔の体操服。そのぺたーっとしたボディには、まだ女性として欠ける子供っぽさ。それに、この黒いパンツみたいなの、最近セクハラとかなんかで見なくなったブルマってやつか。颯真は初めて見た。

足がカモシカのようでみずみずしい。しかし、なんで上靴?


メアリはシュッと立ち上がって

「そ……颯真。ご……ごきげんよう」

こんな状態でごきげんよう?

颯真は

「ああ、元気そうだな」

内心引いてても、冷静な顔してみせる。


メアリはぐいーっと体操服を引っ張って、ブルマが見えなくなる。下何もはいてないみたいに見える。


やめたほうがいいな。

なんて指摘できない。小さくてもこの子は女性だ


「いつもはこんな格好してる訳じゃない。この世界では、これが最強なのだとドロシーが言っていた」


かわいそうに、その女の言うことは聞いたらいけない。


颯真は

「いや……あまりそうとは思わない」


ガーン


メアリは

「だからやだって言ったのにー」

グシュッとして泣きそうだ。ドロシーは笑いそうだ。

「まぁまぁ、それなら颯真の一番かわいいと思う服はどんななの?聞かせてほしいわ」


颯真は

「いや、別に……」

まさか、女の服の事なんてわからない。


メアリは

「聞かせてほしい。ウエディングドレスなら、次着てくる」


颯真はビックリして

「普段着っぽいのがいいんじゃないかと思う……」

魔界に住む女の子にとって、普段着とは難しい。


メアリは

「わからん。」


ドロシーが

「いいえ、スクール水着とか、そっちがいいと思うわ」


颯真は

「薄々思っていたが、そのドロシーさんの言う事聞かない方がいいと思うが……」

控え目に言った。


メアリは

「ドロシーさんなんて、ドロシーでいい。私の事もメアリと呼べ」


颯真は

「はぁ」

体操服の少女にやはり引き気味のようだ。


メアリは

「颯真。今日はちゃんとした服を着てくれたのは私のためか。まさか、待っていてくれたのか?」


颯真は偶然だとは言いにくいが

「いや、通りかかったから……」

相手が体操服のちっちゃい子みたいだからか。やりにくい。


メアリは

「颯真。私と話しよう。昨日途中だった。」


颯真はミケランジェロが帰ってくるまで、何とかして魔帝の機嫌をとらないといけないのかと思う。


颯真は

「ああ、話ししよう。その前にメアリの事を聞かせてもらえたらと思う。」


女の子はおしゃべりが大好きだ。まるで妹と話すように

「メアリは山田って言うのか?」


体操服に書いてある名前の事だ。突っ込みセンサーに引っ掛かってどうしても気になっていた。


メアリは

「これは、違う。メアリ、グウィン、ローザ。これが私の本名だ。」


ちゃんとしていた。

颯真は

「そうか。まさかとは思ったんだ。」

少しクスッと笑う颯真。


メアリは颯真の周りに点描が散って見える。これが、制服萌えってやつか?

昨日の三倍くらいかっこいい。


メアリはクラーとしつつ

「そ……それで、そ……颯真は、その、グウィン、ローザってどう思う?」

あわよくば、その名前にならないか?って意味だ。


颯真は

「よく似合ってる。いい名前だ」

サラッとかわされた。


メアリは

「ま……まあな。はは……」

だんだんしゃべれなくなっていく。

指先をモジモジさせ始めた。


颯真は

「もしかして、寒いんじゃないか?」

そのモジモジをそうとったらしい。


メアリは

「いや、別に……」


颯真は

「メアリ。まだ半袖には早い。女の子は冷やしちゃダメだ。今日は帰ろう。そして、また話そう?」


少女の目線に合わせながら言う。膝を着いた颯真。

メアリは

「か……帰る」

それに、この格好恥ずかしい。


ずーーーーーっと黙って見てたドロシーが、ふっと笑う。


颯真は

「ああ。気をつけて帰れよ」

そう言って手をふった。

颯真は気づく。

なんかこの子、あんまり人間界征服は考えて無さそうだな。




メアリとドロシーは帰っていった。ぽっかりと開いた穴だけが残された。





そしたら、遅れて駆けつけてきた猫、ミケランジェロが

「そ……颯真‼結界がやぶられているじゃないか。いい所に駆けつけてきた。魔法少女に変身だ‼」



「待て待て待てーーーーー‼」

猫が飛び込んできた。


「ぎゃーーーーーーーーー‼」


「正義の心を‼魔法少女ティンクルスター‼」













変身した颯真は心の中で会話できる猫に言う。








お前って奴は必要な時にいなかった上に、必要のない時に現れる!さっき魔帝が帰って行った所だ。


(そんな文句ばかり言ってないで、さっさと穴を塞いでくれ)


そっちこそ。夕方までだって言っただろう?

俺はやらない。早く新しい魔法少女でも探しに行け‼


(あっ、石が………)


不穏な気配。颯真は嫌な予感がした。


(バカな……石を持ったまま変身したら、石が合体しただと⁉)


待て待て待てーーーーー‼


(なんて言う事だ。お陰でティンクルスターが進化して……ティンクルシャインに変わってる)


おーい。意味わからーん


(颯真。責任とって戦ってくれ。ティンクルシャイン‼)


「もうやだ………」


颯真は、少しデザインが変わった衣装のすそをにぎった。

スカートがグラデーションで黄色から白に変わっている。

ティンクルスターは黄色だった。

もはや、どうでもいい。








魔帝を退け、今日も人間界の平和を守った颯真。

新たなる進化を遂げた……という名目で、また良いように使われる颯真。

颯真の闘いは続く。

もちろん魔法少女はやめさせてもらえません。

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