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魔女っ子に男の子が選ばれたら  作者: フローラルカオル
13/16

魔法の猫

メアリをうちに連れてきた颯真。

桃華怒るかな……

怒るよな。

どう説得するかな。


「何……なんで。その金髪の子……」

非難する桃華の視線。ごめん。やっぱりだよな。


颯真は手を合わせ頭を下げる。

「頼む。この子……ええっと………いい所のお嬢さんで、ちょっと断れないやつなんだ」


それもそのはず。金髪でゴスロリファッションの子をいきなりうちに連れてきたらそうなるよな。

映画の約束してたのに……


メアリは颯真の困ってる気配を察してムッとして

「そんな女に頭を下げるのか?颯真⁉」

空気読まずに言う。


颯真はメアリと同じくらいの年頃の子に頭下げているなんて……と、玄関先はすでに修羅場が始まる空気だ。


桃華は

「そんな女?あんたこそ何なのよ‼いい所のお嬢さんだか知らないけど……っ」

とたんに颯真が桃華の口をふさぎ、


「桃華ー。やめような。なっ?桃華は妹なんだ。だからメアリ!仲良くやってくれ」


桃華は暴れ、

「やだーやだやだ。今日映画行くのー。二人で行くって約束したのー」

嫌々しだした。こうなると手がつけられないんだよな。


メアリは

「なんだ?映画?」

食いついている。


颯真は

「はは……まぁ、そういうのあるんだよ」

板挟みの男が困ってる。


猫が動いた。桃華の足元で

「にゃーん」

桃華と目をあわせる……と桃華がビクビクっとした。


そして、

「さぁ、映画行こう。服も貸そう」

桃華はそう言った。


颯真はビックリして桃華を見る。桃華がそんな事いうだろうか?


桃華がにこっとして、

「さぁ、颯真。ちょっとこっちに。どんな服を着たらいいかまず選ぼう。メアリはそこで座っててくれ」


桃華が桃華らしくない声でしゃべってる。なのに、近くで猫がすごい鳴いてる。桃華はその猫も連れてきた。


桃華は颯真の部屋に行き、

「もうわかってるかもしれないが、僕はミケランジェロだ。そして、そっちの猫が桃華。今入れ替わっている」


颯真は猫を見る。猫はけたたましく鳴きながら、どう言うことよ‼って顔してる。


桃華の顔したミケランジェロは

「桃華。あのメアリを怒らせたら人間の世界は滅ぼされるかもしれない。したがって、君はしばらく猫でいてもらう。いいね?」


颯真は

「いいねじゃねぇ‼桃華はどうなるんだ‼戻るのか⁉」


桃華の姿のミケランジェロは

「戻るよ。でも心配だから、このまま体を乗っ取らせてもらうよ」


桃華は

「ぎにゃう‼」

ついにキレて、桃華の姿のミケランジェロに飛びかかった。それを颯真が空中でキャッチして、

「桃華、後で傷が残るからダメだ‼」


気持ちはわかる。本当に腹立つよな。俺も絶対怒ると思う。

颯真は

「ミケランジェロ……桃華に体を返してやってくれ。かわいそうだ」


ミケランジェロは

「返してもいい。けど、怒らせたら世界の終わり。ちゃんとわかってやってくれないと困るよ」


颯真は、手を合わせ、桃華に、

「なっ、頼む。そして、みんなで映画行こう」


猫になった桃華は

「………にゃあ」

静かに言ったのだった。わかってくれたらしい。


そしたら、桃華とミケランジェロは目を合わせる。お互いビクビクっとする。

桃華が

「殺すわ‼クソ猫‼」

とたんに桃華は暴れだした。

颯真は

「時間がない。桃華。文句は後で聞く。メアリに普段着貸してやってくれ」


桃華は

「覚えてなさいよ‼」

また猫にされたらたまったもんじゃない。


桃華は色々言いたい事もあるだろうに、行ってしまった。本当は優しい良い子なんだ。兄としてはホロリと来る所がある。


それに引き換え

「やれやれ。まったく。僕のお陰だね」

そこのクソ猫は腹が立つ。

颯真は、

「お前はちょっと反省しろ」


ミケランジェロは

「やれやれ。心配だな。まぁ、影ながら見張ってる。だから、桃華にはおかしな動きをしたら、すぐに体を乗っ取るって伝えてくれ」

この……重ね重ねヒドイ猫め。








桃華は思う。

あの猫のひげ抜いていいかな?

かわいい猫だと思ったら、かわいくなかった。

後で、のちのち覚えてろ。なのだった。

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