女の子と登校
「おはようございまーす!!」
外から声がする。
「ラフスせんぱーい!がっこういきましょー!!」
ラフスは食事を途中で切り上げて家からでる。そこには女の子、リボンの色からして下級生がいた。
「もー、何やってたんですか?早く学校行きましょう!」
「まて、お前は誰だ」
「えー!!ひどい!!昨日一緒にお昼ご飯を食べたじゃないですか!!」
あー。確かに一緒に食べた気がする。その程度の認識だ。
「今日は休むから」
「何言ってるんですか!!」
踵を返して家に戻ろうとするラフスの腕を彼女は掴む。
「一緒に行きましょうよ!ね?」
「うるさい。第一、こんな時間じゃ学校もう始まってるだろう」
「大丈夫です。一緒に行けば怒られません」
その自信はどこから来るのか。ラフスはそんなことを思いながら学校に行くことにした。
「そういえばお前、どうして俺の家を知ってるんだ?」
「先輩は有名人ですからね!」
ちょっと待て、有名人は家を特定されるのか!!やばい世の中だぜ。
「それだけじゃないですよ!ほらこれ、先輩のナ!マ!写真!!」
彼女の差し出す紙切れにはラフスの着替え途中の様子が映されていた。
ビリ!!
「あーーーー!!!!!!!それ高かったのに!!!!!!!なんてことするんですか!!」
「バカお前、盗撮は犯罪だぞ!!」
(しかもその写真が俺ってどういうことだ!?)
「ううう。それ、じゃんけんで勝ってやっと買えたのに…」
女と言うのは、男の裸を見て興奮するのだろうか。そういうのは男だけだと思っていたが。
「お前、写真なんかで満足できるのかよ」
「え?それって…見せてくれるってことですか?そういう事ですよね?分かります。はい。1万円くらいで足りますか?」
「何言って…」
「ごめんなさい!!足りないですよね?えっと今週、バイト代が入るのでそれで穴埋めするっていうか、あの」
「バカ言ってないで学校行くぞ」
彼女は顔をパンパンに膨らませて怒ってるんだぞとアピールし始めた。しかし、ラフスはつかつかと歩きを進める。
「なんか、こうして歩いていると彼カノみたいですよね!」
「嫌か?」
「ぜんっぜん!! 先輩は嫌じゃないですか?」
「嫌じゃねえよ」
何気ない動作でラフスの胸を触ろうとする彼女の手を優しくはじく。
「いいじゃないですか、これくらい。減るもんじゃないし。」
「触ってどうするんだよ」
「どうってそりゃあ…」
彼女の笑顔に何か恐ろしい物を感じたラフスは、歩くスピードを上げた。