43話 マグマと食事事情
「思ったより広いな!!」
中に入ったユウキの一言の感想だ。
たしかに大きい、体育館が2個は入りそうな広さだ。
ただ、やはり全校生徒が入って食事をするにはせまいのだろう。
だからこそコースごとに時間をずらしているのだろう。
「こっちに見本あるぞ~!・・・まさか?!うそだろ!?」
いつの間にか走ってサンプリングというか、見本の前にたっていた。そしてなんか驚愕の声を出している。しかも見本をガシっと両手で握っているわけだ。
何があったんだろう。
気になってフルーフと目を見合わせた後、見本を見に行く。
「どうしたの?」
「いいから。この見本みてみなよ。」
そのまま見本を見る。
「「こっこれは?!」」
マグマもフルーフも驚愕の顔をする。
「「カレーライスだ!!!」
そうカレーライスがあるのである。スパイスがかなり手に入れない上、こちらにきてコショウすらもなかなか手に入らない。
ゲーム時代ならば、ワープポータルから手に入れて、作ることは可能だったが、食材が全国にちらばっている以上、車や電車がないこの世界無理難題だったのだ。
つまりはカレーライスはある意味今後ここでは食べれないと思われていた食べ物なのだ。
しかも学食は無料なのである。
「ふおおお・・・これが無料とは。」
「マグマさん~デザートもあるみたいですよぉ。」
ポワポワ状態になっている。しかしギルドハウスでは全部自給自足だった為、感動の嵐である。
「今日はカレーライスにしよっと。」
「おれも。おおおお・・・1ヶ月ぶり以上だぞ。」
「ふあ~日本にいたころはそんな食べたいって欲望ななかったけど、こう久しぶりだとおいしそうだよね~。」
とりあえず全員カレーライスにした。
いろいろなものがあったが、もうカレーライスしか見えなかった。
もちろん無駄に大盛りでである。おばちゃんに一言「大盛りで!」っというと笑顔で山盛りに盛ってくれた。
乙女といえども久しぶりのカレーライスには抗うことはできないのである。
「ここでいっか。」
適当なあいている席に座る。
席といってもテーブルは20人用で椅子がおいてあるだけの簡易的な席だ。
「おい。」
いきなり、ユウキの首根っこをつかまれる。
「なんだ?」
そしてそのまま後ろに投げられる。
「いって・・・。」
なんか、キツネ目の青年となにかニヤニヤしている男が立っている。
「そこは俺たちの席だぞ。」
そのまま、ギラっとこちらを見ていう。
「そこに書いてあるだろう。」
なんか、三角の「エリートコース予約」と書いてあるなんか紙で作ったものがある。
「そもそも冒険者コース??はじっこで食べろよ。ずうずうしい。」
「なんだと?!」
ふんっと鼻息をだす。
「こらこら、あまり庶民をいじめるんじゃない。」
金髪の美少年だ。金髪の美少年がいる。身長も高い上、王子オーラを放っている。
「すっすいません。でもちゃんと格差ってものを最初に教えとかないと。」
「格差?」
「お前らさ。なんで食事とか無料だと思ってるの?おれらエリートコースの親とかが出資してるからってこと少しはご理解していただけませんかね?」
初めて聞いた情報だ。
だが、たしかにこれだけの人数のお金をルシアンだけで出すことはできないのはたしかだ。いやドクロさんなら出来そうな気がするが・・・。
なるほど、スポンサー様の息子たちだからエリートコースってことだ。
「大丈夫?」
飛ばされたユウキの肩を貸す。フルーフも後ろに周って助け起こす。
「あっ、ああ大丈夫だ。悪かったよ。マグマ、フルーフ移動しよう。」
「でも!?」
「あっちが先に予約してたとこに座ったからな。・・・。本当すいませんでした。」
ふんっとまた鼻息をだした後、
「わかればいい。お前らははじっこを歩いていればいいんだ。」
「あっ!ハウス様どうぞ!こちら空いてますよ!」
さきほどマグマが座っていた席をすすめて座る。
「いこっか。」
納得はいかないが初日に面倒ごとを起こすことは、マグマにとってもよくないと判断する。なので、三人はしょうがなくはじっこの席に移動した。
よく見ると、三角の予約席がかなりある。
ほとんどが予約状態で、座れそうなのは一番遠い場所のはじっこだけであった。
何かいわれたのか、冒険者コースの子たちだろう・・・同じように渋々とこちらに続々と移動していた。
「なんかやな感じ。」
日本人とは単純なもので格差というものをつけたがる。
しかもお金がかかるとそれは謙虚に出てしまうものだ。なにせ出資をしているということは、学費や食事関連が無料ということは、彼らの親が払っているイメージが近い。
そうなると、言い出せなくなるのは道理というものだ。
「まっ気にしない!気にしない!カレーライスカレーライス♪」
一番投げとばれて気にしないといけないユウキだが、本当に気にせずにカレーライスをほおばっている。
マグマとフルーフは見合わせて、くすっと笑う。
「そうだね。席なんて気にすることないか。」
「うん。マグマちゃんこれこれ、おいしいよ。なんの肉使ってるのかな。」
そういえばどうやってこの肉とかスパイスを手に入れたのだろう。
つい最近まで周辺でとれるものにこの肉はないし、米だって貴重品だ。
「なんだお前ら知らないのか?」
「え?」
なにか知らないことがあるんだろうか。
「最近さ、時空士を使って流通がまともになったんだよ。シュラの国からの流通が大きいかな?っておれもシュラの国出身だしなぁ。でもまさかカレーライスが食べれる日がくるとは・・・。」
そういえば、ドクロさんがなにか交渉してた気がする。
「この街にも何人か時空士が増えてますよ。」
フルーフも答える。
「だからか~。っというとだいぶいろんなものが増えるのかな。カツ丼とか。」
「なんであえて丼モノなんだ。まあ食べ物の会話してたからそっちのほうにうつるのが道理か。そのうち出てくるんじゃないか?」
おおお、っと丼モノの反応してよだれを出しているマグマ。
「そろそろスイーツ系も充実するかなぁ。生クリームたっぷりのショートケーキ食べたいよぉ。」
ニコニコしながらよだれが垂れそうな勢いで答えるフルーフ。
「それにしても、普通にここのカレーうまいな。」
「本当にね!これが毎日とか天国な学校だね。」
和気藹々と話していると横から声をかけられた。
「失礼。」
さっきの金髪美少年王子だ。面倒なので王子と記述する。
「うん、うんうん・・・。まあ及第点ってとこかな。」
マグマとフルーフの顔をジロジロみて答える。
「君たちなら、エリートコースのとこで食べても問題ないな。特別に許可しよう。」
そういうと王子のキラキラオーラで気づかなかったが5名ほどだろうか、女性の取り巻きがいた。
「ちょっと~、ハウス様っこんな庶民で化粧っけもない『ださい』女たちに話しかけないでくださいよぉ。」
「そうですよぉ。みてこのパサパサの髪。ちゃんと洗ってますの?」
くすくす笑いながらいろいろいってくる。
「まあまて君たち、この田舎・・いや失礼。素朴な感じがいいんじゃないか。」
またまたさらにクスクスと笑う。
「うふふ、ご冗談ばかり。ハウス様のとなりに座ったら豪華なバラの横にたんぽぽを置くようなものですよ。」
ものすごい挑発をしてくる。
「う~ん別に結構かなぁ。」
マグマは普通に返す。そう、最近の戦いで殺気にあてられすぎて、悪意というものに鈍感になっているようだ。
「さっフルーフちゃん、ユウキ。コテージに戻ろうよ。今日は疲れちゃった。」
「うっうん。」
フルーフはまわりが怖いのだろうか、一言も発せずマグマについていく。
「ちゃっと待ちなさいよ!ハウス様が声をわざわざかけてくださったのに!!」
すっと腕をあげて止める。
「いや、いいんだ初日だしね、疲れてるんだろう。まあここにいるうちに彼ら、彼女らの立場もわかることだろう。」
はっとなにかに気づいたかのように驚くとりまきの一人。
「そうですわね。せいぜい今のうちに楽しい学園生活を満喫するといいですわ。」
二人ともすごい笑顔だが、あきらかに何かたくらんでいる顔をした。
「しっかし、本当に感じ悪いやつらだったような~。エリートコースのやつら。つか同じノービスなのにエリートってなんだよって感じだ。」
それにこくこくとうなずくフルーフ。
「だよねだよね。いかにも僕らは別格だ~敬え~って貴族みたいな感じだってねぇ~。」
ふと気づく。いつの間にかフルーフとユウキが普通に話しをしている。
今回のことは衝撃的だったが、そのおかげで共感を得たのだろうか、ユウキに対する恐怖のほうが小さかったようだ。
「くすっ。」
さっきまであんなに怖がっていたのに、現金なものである。
「どうしたのマグマちゃん?」
「な~んでもないかなぁ~。」
コテージに戻る中、やはり友人同士仲良くなることはうれしい、それを感じて歩きながらくるくる回るマグマ。
「とにかく!!明日から授業!二人ともがんばろうね!」
にこっと笑うと、二人ともニコっと笑い返してくれた。
「よろしく!がんばろうね~!」
「ああ!変なスタートだったけどお互いがんばろうぜ!まっついていけなくても二人ともおれが引っ張って言ってあげるぜ。」
おおお~っとパチパチと二人とも反応する。
「「ユウキおっとこ前~。」」
「茶化すなよ。」
そして、夜が更けていく。明日から本格的な授業が始まる。
今後予定ですが、ドクロさんサイド5話。
マグマサイド5話でやっていく予定です。
ただ、どちらの方がいい!と感想でいっていただければ方向転換いたします。
よろしくお願いします。って感想なんてくるんだろうか・・・。




