18話 街攻防戦6
スキル説明などをそのうち書こうと思います。
「サーチ。」
短髪の魔族がスキルを発動。
ドーム上に広がり、1キロほどのオーラが全体を包む。
「司令塔はあいつだ。」
すっとドクロさんに指を刺す。
その瞬間、青い魔族と赤い魔族が二手に分かれ、ドクロさんを左右で襲い掛かる。
はさみうちでの攻撃だ。
思った以上に決断がはやい!!!
「ねたふり。」
上半身が陽炎のように一瞬ぶれると、二人の魔族の攻撃が空ぶる。
「よっと。」
攻撃されたことにより、韋駄天が発動。
そのまま対角に青い魔族の後ろにまわりこみ、一刀を叩き込む。
「なっ!!見えなかっ・・・」
ちらっとキースを見る。
「ファイテンペス。十字!」
今度はきっちり発動し、赤い方の魔族に直撃する。
「ぐああああああああああああああああああああああ!!!」
プスプスといっているが、きっちりダメージを与えていた。
「ヒール。」
ぴっと短髪の魔族が指を刺すと、なにごともなかったかのように回復した。
「ちっ!!厄介な!!!スキルを封じないと堂々巡りか。」
ドクロさんが毒づく。
このままだと体力的な問題や、回復役がウィザードロードのため、大きな回復は見込めないこちらが不利だ。
スキルしか口に出していない短髪の魔族が目を見開き口を開く。
「お前・・・普通のノービスじゃないな。どういうことだ・・・?興味深い。」
窮地だというのにニコニコしながらマグマが答える。
「あったり前ジャン。うちのギルドマスターだよ。ただのノービスのわけないっしょ。それにドクロさんだし。」
「なに?ドクロさんだと?」
短髪の魔族が優雅に一礼をする。
「我が名は、マルス。ランキング15位。」
赤髪の女性魔族が胸を張りながら答える。
「マルスどうしたの??挨拶をしろ??はいはい。わたしはランキング20位。ユーリ。」
そして、黒いよろいの方がボソッと答える。
「ゾーク。ランキング35位。」
「っで・・・まあなんだ。おれはギルド「ルシアン」のギルドマスター。ドクロさんだ。」
「つか、魔族と話ってなにをやってるんだこれ。」
ふうっと腰に手を当てて、答える。
「会話に決まっているだろう。魔族は強きものは礼儀を重んじる。それよりもだ。申し訳ない。探し人が見つかった。」
ゲームとは少し違う気がする。
「戦いをとめてまで、話す理由は?」
「単純。君らの町は合格。それに伝言を預かっている。」
「合格???」
「選別だよ。ある戦いのための選別も含まれているのよ。」
ユーリが答えると、
ぶわっと一瞬怒りがふくれあがる。
「選別・・・だと・・・?それで人を殺しまくった・・・?」
魔族が目を見開く。
「まてまてまて、おれらは誰も殺してないぞ。」
「え?」
「見ればわかるだろ。全員瀕死なだけだ。」
ふむ。たしかにいわれて見れば、死体は無い。
「だが、なんでこんなことを?」
「仲間を・・・強い仲間を集めている。強くなくては意味が無いのだ。」
ゾークが答える。
「話していいか?」
あまり、口を開かなかったゾークが口を開くと二人の魔族が首を縦に振る。
「少し長くなる。」
魔族は魔王とランキングに振り分けられ、
完全な弱肉強食でありながら安定をしていた。
魔族の住んでいる魔大陸は、肥沃な大地であり侵略の必要性もなかった。
弱い人間や他の種族にも興味はなかった。
もちろん、他の種族が住んでいたが弱きものには興味がなかった。
強さしか興味がない分、弱きものにはやさしくあったのだ。
まるで子分というものはかわいいものであるかのように。
そこに1ヶ月前一粒の種が落ちてきた。
種はしゃべる。
《お前たちの本分を全うせよ。まっとうせよ。まっとうせよ。》
ただの種だ。
種がしゃべるだけ、魔王は鼻で笑った。
種にはまったく魔力すら感じなかったのだから。
ゆっくりと種は、一人の魔族に降り立ち。
降り立った瞬間、魔族の魔力を吸出し、一瞬にして大きな木に育った。
そのまま、大きな木はもう一度いった。
《お前たちの本分を全うせよ。まっとうせよ。まっとうせよ。》
今度はさきほどより大きな声でそして・・・絶望の種をはじきながら。
そして今度の種は違う。
木になるのではなく、魔族に埋め込まれ。
暴走。
暴走をする。
弱きもの、魔族以外の種族を食い荒らし始めたのだ。
知識あるものは、残酷に。
力あるものはさらに凶暴に。
《お前たちの本分を全うせよ。まっとうせよ。まっとうせよ。》
いまもまだ種を撒き散らしている。
力を撒き散らした後、眷属すらも魔族化がはじまった。
ゴブリンはゴブリンではなく、種を植えられることで、魔族に・・・。
そして、その種はゆっくりと根付き。
《お前たちの本分を全うせよ。まっとうせよ。まっとうせよ。》
新しい木が生まれる。
そして、魔王も・・・狂い出す。
一ヶ月前。
つまり、「ログインボックス」からはじまった悲劇と同じタイミング。
なにか結びつきがあるように見えるが・・・。
ただ、問題がゆっくりとこちらに侵攻しているとのこと。
そして、魔族のいうことは聞いてくれるかわからなかったこと。
魔族は力でしか語れない種族であること。
いろいろなことが重なり、現在の対応になったようだ。
つまり、魔族としてはその木に近づくことができない。
だが、弱いやつが近づけばただの餌にしかならない。
そうこれが現実なのだ。
「すまない。われらにはこれが精一杯の会話だ。」
さすがに苦笑いをするが、「ちょっとそこ通りますよ。」の人だけ、納得したのか、うんうんとうなずく。
「力を・・・貸してほしい。そして「ルシアン」と聞いた瞬間。あなた方は信頼に足りることはわかった。」
うん?っとなにか気になることをいった。
「実は、あなたたちと会う前に「ルシアン」のメンバーだ。と名乗る人物にあっている。」
うちのメンバーか!!
「あれは・・・恐怖としかいいようがないわ。」
なぜか身震いをするユーリ。かなりの恐怖を味わったのだろうか。
「どういうことだ??」
「言付けも頼まれている。そのまま伝える。」
いきなり、声質がかわり、アニメ声が響き渡る。
かなりシュールだ。
『ちょりっす!ユーリンチだよ!種の話聞いた?あれまぢだから。今フィールド結界で侵攻とめてるからそっちにくるのは半年後ぐらいかに。材料はあるからまったりいくよ。破壊方法はまだわからんよ。解析中。わかったら手紙送る。あとたぶんドクロっちのことだから、こいつらに会うっしょ。『アレ』渡しといたから。』
「とのこと。」
そのまま、また淡々とした声に戻る。
「ドクロさん。ドクロさん。ユーリンチさんって?」
「ああ、うちのジェネリッカーだ。解析とか薬とか爆薬とかなんかいろいろ作るな。全身武器みたいなやつだな。ちなみにたぶん、こいつら3人の魔族、手も足もでなかったんじゃないか?」
そういうと三人ともコクコクとうなずく。
「うわ・・・怖いわ・・・絶対逆らわないようにしよっと。」
「根はいいやつだからな。ときたま変な薬のまそうとする以外はな。」
身内会話をしているなか、ゾークがひとつの盾を差し出す。
「預かっていたものです。」
盾:イージスの盾(神器)
すべての魔法スキルを跳ね返す。
また、吸収することが出来る。吸収した場合、
その魔力を本人のものとする。
装備制限:ジェネリッカーのみ
「すげえ・・・神器だ・・・はじめてみた。」
「了解。受け取った。」
「でもこれ。ジェネリッカー専用だね。意味ないんじゃないの?」
「いろいろとあるんだよ。」
何か物憂げに遠い目をしつつ、答えるドクロさん。
「とりあえずは、わかった。一応じゃあ暴れるのは終了でいいよな?」
こくこくとうなずく3人の魔族。
「んじゃ。領主に報告といきますか。」
次回は幕間で、マグマ編予定です。




