進むしかないでしょう

記憶

どうして、信じていたのだろうか。

自分にだけは不幸がふりかかって来ないと。

悪意を向けられることが無いと。

今でもこびりつく、笑い声。

信じていた人の嘲笑が自分に対してだと、最初はわからなかった。

優しく差し伸べられた手が自分を闇の底に突き落とした手だと信じたく無かった。

なぜ、彼の手を取ってしまったのだろう。

素直に彼の言葉を信じたのだろうか。

笑顔が優しいと思ってしまったのか。

後悔してもしきれない。

それでも、

過去は帰って来ないのだ。